| BMWはエレクトリック化の最右翼だったが |
BMWが新型V8エンジンを開発中、との報道。
つい先日ニュースが流れた、メルセデス・ベンツ(ダイムラー)が「これからのエレクトリック時代に対応すべく」ガソリンエンジンの新規開発を終了させた、つまりガソリンエンジンを切り捨てる方向を明確にしたのとは異なる方針です。
なお、BMWは「i」ブランドを立ち上げ、ジャーマンスリーの中ではいち早くEVの発売、エレクトリック化を進めてきただけに、今回の報道にはちょっとびっくり。
ただ、BMWはエレクトリック化についてはやや悲観的な観測を持っており、現在多くのメーカーが「エレクトリックに切り替える」「2025年にはエレクトリック化されたクルマの販売比率を50%に」という計画を打ち出す中、BMWは「2030年になっても、85%程度のクルマはガソリンとディーゼル車」という見解を示していて、そう簡単にエレクトリックへの大きなシフトは起きない、とも考えているようですね。
新型V8エンジンはM5 CSに搭載され625馬力を発生?
そしてこのエンジンは現在M5はじめMモデルのいくつかに積まれる4.4リッターV8エンジン「S63」をベースにしたもので、しかしその内容はほぼ「新設計レベル」。
コードネームは「S68」、発表は2~3年以内とされていますが、排気量については4.4リッターをキープするのか、それとも大きくなるのか小さくなるのかは不明。
ただ、現在の厳しい環境規制に対応すること、中国の税制(4リッターを超えると税金が急激に高くなる)を考えると「4リッター以下」に収められる可能性が高そう。
実際のところ、メルセデスAMG、マクラーレン、フェラーリいずれもV8エンジンについては「4リッター以下」に収めており、BMWもこのトレンドに倣うものと思われます。
BMWはガソリンエンジン搭載のハイパフォーマンスカーを諦めない
いずれにせよ、このご時世に「新型エンジン開発」というのは朗報と言ってよく、それがBMW「M」であればなおのこと。
ただし将来的なことを考えるとこの新型V8エンジンもエレクトリックモーターと組み合わせたハイブリッドとして使用される可能性が高く、もちろんBMWはハイブリッドシステムとの親和性も考えた設計を行っているのでしょうね。
そしてこの新型エンジンについては、BMWが新しく追加すると言われる「M5 CS」に搭載されるとも言われており、これは来年にフェイスリフトを迎えるM5に追加となる新グレード。
M5コンペティションの「上」に位置し、Mブランドにおける「もっともハイパワーな」モデルとなりそうです。