| 「エミーラ」は古代語で「リーダー」の意 |
価格帯、パフォーマンスとしてはポルシェ718ケイマン、アルピーヌA110と同じゾーンに収まるようだ
さて、ロータスが待望の新型車「エミーラ」を発表。
ロータスはすでに「ピュアエレクトリック」への移行を示しており、エリーゼ、エキシージ、エヴォーラを廃止したうえで、エヴァイヤをはじめとするエレクトリックスーパースポーツ、そして電動SUVへとラインナップを変化させることになるわけですが、その橋渡し的役割がこの「エミーラ」ということになりますね。
ただ、このエミーラは「エレクトリック」的な側面での橋渡しではなく、デザインやインターフェース面における未来を示す存在であり、シャシー構造やエンジンについては「これまでのロータス」に近く、しかし内外装は「これからのロータス」を示す存在だと考えるのが妥当かもしれません。
エンジンは予想外の「メルセデスAMG」
エミーラのシャシーはこれまで同様、リベットと接着剤とで固定されたアルミニウム製シャシーを持ち(ただし大幅にバージョンアップされているという。ホイールベースは26センチ、トラックは2センチ拡大されている)、しかしエンジンはこれまでのトヨタ製を捨ててなんとメルセデスAMG製の2リッター直4ターボを積んでいます。
このエンジンは360馬力を発生すると紹介されているので、おそらくは「4気筒エンジン史上最強の」A45に積まれる421馬力版ではなく、A35の302馬力版をベースにしていると考えて良さそう。
これにあわせ、トランスミッションはメルセデスAMGから供給を受ける8速デュアルクラッチ、そして0−100km/h加速は4.5秒というタイムを誇ります。
なお、どこでメルセデスAMGとロータスがつながったのかは不思議ではあるものの、おそらくはロータスの親会社である吉利汽車の創業者、李書福氏がメルセデス・ベンツ(ダイムラー)の筆頭株主であるということが関係しているのでしょうね。
-
まさかのまさか。中国・吉利汽車のオーナー、李書福氏がダイムラー筆頭株主に。一体何者?
| まさかあの噂が現実になるとは | 中国・吉利汽車(Geely)のオーナー、李書福氏がメルセデス・ベンツの親会社、ダイムラーの株式を合計で9.69%取得し、なんと「最大株主」に。 これまでは「第3位 ...
続きを見る
なお、このエミーラには3.5リッターV6(こちらは今まで通りトヨタ製、395馬力)エンジンを積んだモデルもあるといい、こちらのみマニュアル・トランスミッションを選択可能(6速ATも選べる)。
「エミーラ」とは「リーダー」の意味
なお、この「エミーラ」は、「Eではじまる」というロータスの命名法則に則っており、古代語にて「リーダー」を意味する、とのこと。
おなじEではじまるとはいえ、やはり古代語を用いた「エヴァイヤ」との強い関連性が用いられ、ヘッドライト含むフロント周り、リアクォーターパネル上のエアインテーク、テールランプ付近などもエヴァイヤを連想させる部分。
おそらくはこういったデザインを採用することにより、エヴァイヤ、そしてその先の新世代デザインへとスムーズに移行させようという狙いがあるのでしょうね。
エミーラのインテリアは新世代
そしてエクステリア同様、「ロータスが新しい世紀に突入した」と感じさせるのがこのエミーラのインテリア。
今までに市販されたいずれのロータスとも異なるデザインそしてインターフェースを持っていて、フルデジタルメーターそして10.25インチサイズのタッチスクリーン式インフォテイメントシステムを備えます。
エミーラではシート後方に208リットル分の収納スペース、エンジン後方にある151リットルのトランク(小型のスーツケースやゴルフクラブ一式が収まるようだ)、センターコンソールには500mlのペットボトルが2本収まるカップホルダーも備えます。
さらにシートは標準にて電動4ウェイ(オプションで12ウェイも選べる)、キーレスゴー、クルーズコントロール、レインセンサーワイパー、電動格納ミラー、フロント/リアパーキングセンサーまでもが標準装備。
なお、こういった快適装備が装着されることにより、車体重量はロータスにしてはやや重めの1,405kg。
オプション扱いとはなるものの、ADAS(先進運転支援システム)パッケージのオプションも用意されており、アダプティブ・クルーズ・コントロール、自動ブレーキ、疲労警告、車線逸脱警告などが含まれています。
そのほかのオプションだと、「ロータス・ドライバーズ・パック」なるお得パッケージが用意され、このパッケージには、より固められたサスペンションとグリップ力の高いミシュラン・パイロット・スポーツ・カップ2タイヤ、ローンチ・コントロールが含まれており、エミーラのポテンシャルを最大限に引き出すことが可能です。
ただ、ロータスとしてはこれらオプションを装着せずともエミーラの走行性能を楽しむことができるように配慮しており、その証拠とも言えるのが基本使用の「油圧式パワーステアリング」。
要するに電動式ではないということで、これはロータスが「油圧式パワーステアリングのほうが、フィードバックに優れる」という判断だとアナウンスされています。
欧州では6万ポンド以下で販売が開始されるといい、ちょうどポルシェ718ケイマン、アルピーヌA110と競合するポジショニングですが、装備内容としては競合を上回るようにも思われ、かつ「ロータス」ならではのハンドリングを考慮に入れると、相当に魅力的な選択肢かもしれません。
なお、すでに(欧州では)受注が開始され、納車は約1年後だとアナウンスされています。
参照:Lotus