メルセデス・ベンツSLKは一つの時代を築いたと言っていい
メルセデス・ベンツが「中国で売れないから」後継モデルはないとしていたSLC(旧SLK)に「ファイナル・エディション」を設定(日本への導入は未定)。
つまりこれで現行SLCの寿命も終了ということになり、ついにその灯火が消えることに。
「ファイナル・エディション」が設定されるのはSLC300とAMG SLC43で、面白いのはSLC43ボディカラーが「(初代SLK発表時のカラーをイメージした)サンイエロー」のみ、SLC300のボディカラーがセレナイトグレーであること。
メルセデス・ベンツSLCは23年の生涯に幕を閉じる
メルセデスAMGSLC43”ファイナル・エディション”のコントラストカラーにはブラックが用いられ、これはフロントスプリッター、フード上のエアベント、フェンダーアウトレット、ドアハンドル、ドアミラー、リアディフューザーなどに採用されています。
メルセデス・ベンツSLC300もまたアクセントカラーにグロスブラックが用いられ、やはりドアミラーやドアハンドルがブラックとなるようですね。
そのほかSLC300には「AMGライン」が装着され、前後バンパーやホイールがAMG仕様となり、車高も10ミリダウンしたうえで、ブレーキもAMG製のハイパフォーマンスタイプに。
インテリアについてはAMG SLC43、SLC300両方とも共通で、カラーは「ブラックとシルバーパール」のツートン仕様です。
ステッチはグレーで、ヘッドレストやステアリングホイールに使用されるのは「カーボン風」テクスチャを持つブラックレザー。
メルセデス・ベンツSLCは1996年に登場し、当時としては革新的なフォールディングメタルトップを装備したことがトピック。
発表当時、ぼくは日産フェアレディZ(Z32)に乗っていましたが、メルセデス・ベンツSLK発表後に予約を入れるも「当分予約分を捌けない」ということで購入叶わず、かなりにBMW Z3を購入したという経緯も。
こんな感じで発売当初は大きなヒットを飛ばすことになり、現在に至るまで累計71万台を販売しているものの、最近ではその販売も「下火」に。
ただ、販売が芳しくないのはBMW Z4といったオープンモデルも同様で、「時代の流れに逆らえなかった」ということになりそうです。
メルセデス・ベンツにも有終の美を飾るスペシャルモデルが登場
そして2011年に登場したメルセデス・ベンツSLもそろそろ次期型へ(こちらはSLCとは異なり、後継モデルの存在が明言されている)。
そこで今回登場したのが最終特別モデル「メルセデス・ベンツSL グランドエディション」。
設定されるグレードはSL450とSL550のみで、ボディカラーはグラファイトグレーのみ。
外装における特別装備の内容としては「スポーツサスペンション」「AMG製鍛造ホイール(フロント19インチ、リア20インチと前後異径)」「専用バッジ」「クロームとマットシルバーのトリム」。
ホイールのカラーはハイグロスブラック、そして表面は”ポリッシュ”で、全体的には”ちょっときらびやかな”仕様だと言えそうです。
インテリアはブラックに「タンドラ・ブラウンパール」レザー、そしてゴールドのパイピングに背もたれと座面にはダイヤモンドステッチ(ヘッドレストにはSL Grand Editionのロゴが刺繍されている)。
メルセデス・ベンツSLにつき、現行R231世代は2011年の登場なので8年を数えますが(販売終了の時点では9年)、その前のR230は9年、さらに前のR129は12年も継続された”長寿”の家系。
次期SLはおそらく次期AMG GTと多くを共有することになると思われ、これは「AMG GT 4ドアクーペが、メルセデス・ベンツCLSと共同開発された」のとよく似ているかもしれません。
ただ、その場合はこれまで差異のあったキャラクターが「接近する」ことになり、自社内でのカニバリズムが発生する可能性もありそうですが、あの伝説的な「SL300」のイメージが反映されるという話もあり、そうなると非常に魅力的な車となりそうですね。