どう考えてもそんなに市場は大きくない
ケーニグセグが英国Top Gearに語ったところによると、「間もなく量産ハイパーカーを公開する」とのこと。
ケーニグセグはすでに「アゲーラRS」の生産を終え、「レゲーラ」が唯一の現行モデルとなりますが、これはすでに完売済み。
そして現在の「年産20台」という生産ペースだと、レゲーラの予定生産台数80台を消化するのに「4年もかかる」ことになって、ケーニグセグとしてはこれを問題視。
そしてケーニグセグの出した答えが「中国資本のNEVSと提携する」ということで、これによって得た資金そして生産設備を利用してハイパーカーを量産する、という結論になります。
いったいどこにそんなにハイパーカーを買う人が?
これはちょっと驚くべき計画で、というのもハイパーカーというのはさほど市場が大きくはなく、現在「億」を越える車としてはブガッティ・シロン(2億5000万円、年間80台くらい)、パガーニ・ウアイラ(発表台数は未公開なるも、おそらく30-40台。価格は2億円前後)、ケーニグセグ・レゲーラ(2億2000万円くらい)あたり。※超少量生産車は除く
ブガッティですらシロンを500台売るのにおそらく5年かかろうかという状況において、ケーニグセグが「量産を行う」と発表したのはあまりに衝撃が大きく、そして更に驚くのは「年間数百台を作る」としていること。
ケーニグセグ「価格はちょっと安くする」
そしてケーニグセグは「量産車は1億3000万円くらいにする」と発言していますが、この価格帯のクルマを年間数百台も売る自信がある、というのも驚愕させられるところですね。
現時点でこの新型ハイパーカーについてはスペックなど不明ですが、ケーニグセグCEO、クリスチャン・フォン・ケーニグセグ氏いわく、「カムレスエンジンを搭載し、ハイブリッドパワートレーンを持つ」。
なお、このカムレスエンジンはアルコールによる稼働が可能であり、一切の石化燃料(つまりガソリン)を使用する必要はないとのことで、これが実現できれば「革命的」とも言えそうですね(ケーニグセグだけに、間違いなく実現させると考えている)。
ハイパーカーをリリースするメーカーの考え方は様々で、ブガッティは規模を拡大するつもりはなく、しかし顧客に究極の満足を与える芸術性の高いクルマを提供する方向へと動き、中国のNIOやテックルールズは「ハイパーカーの話題性を武器に」本命の量産車生産にはずみをつける方針。
そしてパガーニも業容を拡大するつもりはなく、よりエクストリームなハイパーカーを少量生産しつづけるようで、ピニンファリーナはやはりハイパーカーの衝撃をもって後に発売するエレクトリックSUV等の販売を有利にしたいのだと思われます。
つまり「ハイパーカーを量産する」という考えを持つのはケーニグセグのみだと考えられますが(どこも市場が大きくないことは理解済み)、唯一これに近いのはリマックくらいのものかもしれません。※リマックはC_Twoを年間150台売る計画