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メルセデス・ベンツ80万台がリコールの可能性!C/E/S/Gクラス等に冷却水漏れ、最悪は火災の可能性が報じられるも「コロナ禍で対策部品を生産できず」リコール実施が不可能に

2022/01/07

メルセデス・ベンツ

| 今後は「チップ不足でリコール実施不可能」な例も出てきそうだ |

まだまだ思わぬ問題が自動車メーカー各社を苦しめることになりそうだ

さて、世界レベルで大々的に報じられている「80万台規模のメルセデス・ベンツのリコール」。

これは冷却水の循環ポンプに問題があるとするもので、GLE/GLS(167)、Cクラス(205)、Eクラス(213d)、Sクラス(222)、Sクラス(223)、Eクラスクーペ/カブリオレ(238)、GLC(253)、CLS(257)、Gクラス(463)のディーゼルエンジン搭載車両の一部において、バキューム制御の冷却水ポンプに問題があり、冷却水がバキュームシステムと冷却水回路との間に漏れる可能性がある、というものです。

これによって一体どんな問題が?

そしてこの「冷却水の漏れ」によってどういった問題が起きるのかということですが、メルセデス・ベンツによると「バキュームシステムに冷却水が浸入し、各種部品が破損するおそれがあるほか、電気スイッチバルブが冷却水と接触した場合、電気化学反応により部品の温度が上昇し、「稀に高温になって火災の可能性がある」。

今回のリコールについては、もともとドイツのBild(ビルト)紙が報じたもので、同紙ではメルセデス・ベンツがオーナーに宛てて送った書簡の内容を公開しており、それによると「リコール実施にあたり、修理のための部品がないので、なるべくクルマに乗らないようにし、乗る場合は慎重に運転するように」という文言が確認でき、これは極めて異例のことと言えるかもしれません(パーツ手配のためにリコールを遅らせる例はこれまでにもあったが、そもそもパーツが手配できない例は聞いたことがない)。

コロナウイルスの影響にて「部品がない」

この「部品がない」理由としては、コロナウイルスの蔓延に関連してサプライヤーネットワークに問題が生じているためだといい、要は「コロナウイルスの感染拡大を防ぐために工場が閉鎖され、パーツの製造ができない」ということなのだと思われます。

メルセデス・ベンツ

さらに状況を悪くしているのは、「これらのパーツがいつ入手可能になるのかまったくわからない」という事実であり、そのためメルセデス・ベンツとしては「問題を把握しているにかかわらず、対策のしようがないのでリコールを実施できない」という状況が出来上がってしまっているわけですね。

もちろん、パーツの入手が可能となり次第リコールの案内を行うことになるものと思われ、しかし一度に80万台分のパーツを手配するのは事実上不可能と思われ、緊急度の高いモデルや、実際に問題が発生している顧客を優先して対応することになるのだと思われます。

なお、今回はコロナウイルスの影響にて「部品がない」ということですが、今後は電子部品に関するリコールだと「チップ不足にてこれまた補修用のパーツが無い」ということにもなりかねず、コロナウイルス、そしてチップ不足(これも遠因はコロナですが)については直接的にせよ間接的にせよ自動車メーカーを苦しめている、ということになりそうです。

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