| 残念ながら、Gクラス縮小版、リトルG/ベビーGの価格は”求めやすい”レベルとはならないであろう |
メルセデス・ベンツは「台数を売る」のではなく「利益率を高める」ためにこれを発売するからである
さて、メルセデス・ベンツは少し前に新型(フェイスリフト版)Gクラスを発表しており、4月24日にはその電動版「G580 with EQテクノロジー」を公開する予定となっていますが、その後に控えているのが「リトルG」あるいは「ベビーG」と呼ばれるGクラスの縮小版。
なお、リトルGというとダムド(DAMD)の提供するスズキ・ジムニーの”メルセデス・ベンツGクラス風カスタム”を連想してしまい、もし「Gクラスのルックスそのままの縮小版」が本家メルセデス・ベンツから発売されると、もうダムドはじめ様々なショップが提供する「ジムニーのGクラスコンバージョン」と見分けがつかなくなってしまうのかもしれません。
本家メルセデス・ベンツ「リトルG」「ベビーG」はどんなクルマに?
そこで「リトルG」「ベビーG」について現在わかっている内容をまとめてみると、まずこの存在は2023年のIAAミュンヘンモーターショーにて、電動コンセプトCLAクラスが発表された後に初めて公式に確認されたもの。
メルセデス・ベンツは「AMG」「マイバッハ」「Gクラス」をサブブランド化し、これらによって高い利益率を確保する意向を示していますが、これはトヨタの「ランドクルーザー」と同様の展開と言えるかもしれません。
実際のところ、メルセデス・ベンツにて最高技術責任者を務めるマルクス・シェーファー氏は、Gクラスの名が世界的に認知されていることを強調し、ラインナップの拡大を主張しています。
Gクラスファミリーをもっと増やしてみたいと考えています。AMGは小規模からスタートしました。 マイバッハも非常に小さなスタートでした。 私たちは ”G” からさらに多くのことが得られると信じているので、次のステップは「小さな G」です。
現時点ではこの「リトルG」について詳細が明かされた状態ではありませんが、いくつかわかっていることのひとつは「ピュアエレクトリックモデルが投入される(ガソリン版の発売があるかどうかはわからない)」「CLAの電動版と同じエレクトリックコンポーネントを使用する可能性が高いが、プラットフォームはCLAと同じMMAではない」「真のオフロード能力を提供する必要があるため、メルセデス・ベンツの大型リア駆動車のモジュールが使用される」こと。
なお、GLB登場前には「GLBはGクラスっぽい外観を持つ、ベビーGになる」と言われていたものの、実際にはGクラスとの関連性を示唆されておらず、これは「Gクラスと関連付けられるだけのオフロード走行性能を持たない」からなのかもしれません(逆に、今後登場するであろうリトルGには本格的な悪路走破性能が備わるようだ)。
EVとしての走行性能についてだと、「電動版CLAと共通するエレクトリックパワートレーンを有する」と言われているため、CLAに採用されるリチウムとリン酸鉄ベースのバッテリー、あるいは酸化ケイ素を含む上位バッテリーのいずれかになる可能性が高く、しかし頑丈な車体に起因する重量、そしてGクラスらしいルックスを実現することで損なわれる空力性能を考慮すると、よりバッテリー密度が高い後者が積まれることになるのかも。
加えて、メルセデス・ベンツは「利益率を向上させるためにGクラスをサブブランド化する」という目的を鑑みるに、リトルGを「誰にでも購入できる」モデルとして安価な値付けを行うとは考えられず、機能や性能を高いレベルに置き、それらを誇示したうえでの高い価格(ただし現行Gクラスほどではない)設定を行うはずで、となればより高性能なバッテリーを積むと考えるのが妥当です。
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そしてCLAに積まれる予定の上位バッテリーの場合だと、(メルセデス・ベンツによれば)WLTPでの航続距離は750kmオーバー、そして800Vアーキテクチャと250kWのDC急速充電機能に対応するとのことなので、(空気抵抗の関係で多少数字が落ちるであろうとは思われるものの)リトルGもこれに近い数値となるのかも。
スタイリングに関してはもちろん「Gクラスにインスパイアされた」デザインが採用されるのは間違いなく、しかしGクラス全体のブランドバリューを損なわないよう慎重に調整がなされ、現代的なひねりを加えつつ、本質を捉えることとなりそうです。
なお、このリトルGが現行Gクラス、そしてG580 with EQテクノロジーの販売を侵食してしまっては意味がなく、よって「共存」できる何らかの方法を盛り込む可能性が高いとは考えていますが、徐々に明かされるであろうその内容に期待したいと思います。
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