| 35年前のレコードホルダーと対決 |
ポルシェは先般より「919ハイブリッドEVO」にて”ワールドツアー”で出るとしていますが、これは「世界各地のサーキットにおいて、記録を更新する旅」。
第一弾としてスパ・フランコルシャンのコースレコードを更新しており、次に狙うはニュルブルクリンクのようですね(それまでのスパ・フランコルシャンにおけるコースレコードはルイス・ハミルトンがメルセデスF1 W07ハイブリッドで記録した1分42秒553)。
今回、コースレコードの更新はなさそう
なお、ニュルブルクリンクのコースレコードを持つのはやはりポルシェで、1983年のニュルブルクリンク1000km開催中に記録されたポルシェ956Cによる「6分11秒13」が最速タイム(市販車に限定すると、ポルシェ911GT2 RSの6分47秒25が最速)。
ちょっと残念なのは、今回のポルシェによるアタックが「デモンストレーション」であり、記録更新を目的としたものではない、ということ。
この真の意図は知ることができないものの、ポルシェは伝統を大事にする会社なので、ポルシェ956Cが記録したタイムは「破らず」に、956Cとのランでビー走行にてそのプロモーションを行うのかもしれません(もし他メーカーがこれを破れば、容赦無く919ハイブリッドEVOで抜き返すと思う)。
なお、ポルシェ956Cのエンジンは3リッターフラットシックス(ターボ)で、仕様にもよりますが700〜750馬力を発生(記録達成時は700馬力スペックと思われる)。
エンジンはもちろんミドシップマウント、トランスミッションは5速マニュアル、車体重量はわずか820キロ。
対するポルシェ919ハイブリッドのエンジンは2リッターV4ターボ(500馬力)、これに400馬力を発生するモーターをドッキング。
「919EVO」ではどの程度のスペックとになっているのか不明ではあるものの、FIA規格のレースに参加することは考えておらず、従って「レギュレーションは無視」した状態です。
つまり空力やエンジン含むドライブトレーンに一切の制限が設けられていないのがポルシェ919ハイブリッドEVOということになり(それでもベースはLMP1クラスの車両であるのは間違いない)、まさに「リミッターレス」。
これはアストンマーティン・ヴァルキリー、メルセデスAMG プロジェクト・ワンにも言えることで、最近は「制限なし」で自動車メーカーが技術にチャレンジするケースが多くなっているようです(そのうちレーシングカーよりも早い市販車が普通に出てきそう)。