| 「RS」のついていない、”通常”の911GT3が7分を切る時代になった |
さて、ポルシェがついに待望の新型911GT3を発表。
最も気になるのはそのスペックですが、搭載されるのは4リッター・フラットシックス、出力は510PS。
なお、このエンジンの許容回転数はなんと「9,000回転」であり、市販車としてはとんでもない高回転型ということになりますね。
その他の特徴としては、レーシングカーである911RSR譲りのダブルウィッシュボーン形状を持つフロントサスペンション、そしてエアロダイナミクスが挙げられ、スワンネック型リアウイングやディフューザーにその面影が見られます。
最高速度は320km/h
新型ポルシェ911GT3のトランスミッションには7速PDKもしくは6速マニュアルが用意されますが、6速MTを選択した場合の最高速度は320km/h(先代の911GT3 RSよりも速い)、PDKだと318km/h。
0-100km/h加速は3.4秒だとアナウンスされています。
なお、エンジンのレスポンスは「究極の速さ」にあるといい、6連スロットルボディ(2019年の911スピードスターにも採用されている)にもその秘密があるようです。
そのほか、新設計のピストン、ドライサンプ化、PDKについては911GT3専用にチューンされていることが公表済み。
ピストンについて、ポルシェはマーレ社、トルンプ社との共同開発によって「3Dプリンタによって製造した」新ピストンを実用化しており、911GT2RSに続いての採用なのかもしれません。
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ニュルブルクリンクのタイムは先代比で17秒マイナス
そして今回ポルシェは新型911GT3のニュルブルクリンク走行タイムについても公開しており、その数字は6:59.927(20.8kmのフルラップ、以前の20.6kmだと6:55.34)。
このラップタイムは公道走行可能なタイヤ、そしてもちろん無改造で達成していますが、「RS」のつかない911GT3で7分を切ったというのはまさに驚異的でもありますね。※現時点では市販車のニュルブルクリンク走行タイム7位
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もちろん、この脅威のタイムを実現した要因のひとつは「エアロダイナミクス」ということになりますが、フロントだと調整式スポイラーとディフューザーの採用がトピック。
サイドスカートとリアディフューザーは大型化しており、スワンネック式リアウイングももちろん「調整式」です。
このスワンネック式リアウイングについて、「ノーマル」ポジションでは先代911GT3比で+50%、「パフォーマンス」ポジションではなんと+150%ものダウンフォースを発生するのだそう(このパフォーマンスモードは、公道での使用が推奨されていない)。
新型911GT3の重量は先代同様を維持
新型911GT3は、911RSRより譲り受けたフロントダブルウィッシュボーン式サスペンションを持ちますが、これによってフロントトレッドが2.5センチ拡大。
なお、この「フロントにダブルウィッシュボーン」は911のロードカーとしては初採用とのこと(リアはマルチリンク)。
もちろんリアフェンダーも拡大しているものの、車体重量は991.2世代の911GT3同様に1,418kg(MT)、1,435kg(PDK)に抑えられています。
この軽量性を維持するにあたり、ポルシェは新型911GT3のフロントフード、リアウイング、ウイング下の固定式スポイラー等にカーボンファイバーを用いており、ウインドウも軽量仕様へ(ただしポリカーボネート製ではなく軽量ノイズ吸収ガラス)。
そのほか軽量ホイール、軽量仕様の内装パネル(リア部分)、軽量エキゾーストシステム(10kg程度軽い)も採用されています。
ポルシェはニューモデル発表時には「新色」を採用するのが通例となっていますが、この新型911GT3のボディカラーは「シャークブルー」。※これまでポルシェは「マンバ」「リザード」「パイソン」など爬虫類系のボディカラー名を採用することが多く、「シャーク」という海洋系は珍しい
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新型ポルシェ911GT3のインテリアはこうなっている
そしてこちらは新型911GT3のインテリア。
基本的にはほかの911シリーズと大きく変わるところはなく、しかしタコメーター(レブカウンター)の表示は「1万回転」まで刻まれます。
なお、メーターや車両データの表示は「サーキット走行に適した」内容へと変更されているようですね。
ステアリングホイールの直径は360ミリ、表面素材はレーステックス(スウェードのような生地)が採用され、GT3としてははじめてドライブモードスイッチがステアリングホイール上に。
シートはについては18ウェイ調整式スポーツシート、フルカーボン製のシェルを持つバケットシート(標準シートに比較して11.8kg軽い)をオプションにて選択可能。
新型ポルシェ911GT3にはオプションも充実
そして最近のポルシェらしく、911GT3にもオプションが大量に用意され、さらに重量を軽減できるカーボン製ルーフやカーボン製ドアミラー、ダーク仕上げのLEDマトリクスヘッドライト、ダーク仕上げのテールランプ、ガーズレッドもしくはシャークブルーのホイールアクセント(外周)、インテリアだとボディカラーにマッチしたアクセントなど。
画像ではおなじみ「ポルシェデザインの腕時計」も見えますが、こちらも自身の車両にあわせてカスタムできるものと思われます。
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現時点では具体的な納車時期や価格、オプション詳細については公開はなく、しかし2022年モデルとして2021年秋あたりからのデリバリーになると予想されています。
新型ポルシェ911GT3がニュルブルクリンクを走る動画はこちら
参照:Porsche