| ポルシェが911シリーズにこれだけ多数のリコールを出すのは非常に珍しい |
ただし修正は「プログラムのみ」と比較的容易
さて、ポルシェが米国にて911GT3ツーリング、そしてマカンとパナメーラにリコールを発令。
911GT3ツーリングについてはライトの問題に関するもので、マカンとパナメーラではシートベルトアンカーに問題をがある、とされています。
なお、ポルシェではスポーツカー(718ケイマン / ボクスター、911)は独自による設計、しかしマカン、カイエン、パナメーラは親会社であるフォルクスワーゲングループのいずれかの(もしくは複数の)ブランドとの(車体やコンポーネントなどの)共有がなされており、前者は「1から」ポルシェが設計するためかリコール含む不具合が比較的少なく、しかし後者はポルシェによる設計とそうでない部分が混在するためかたびたびリコールの対象となることも。
ポルシェ911GT3ツーリングのリコールはこんな内容
そして今回の911GT3ツーリングのリコールを見てみると、その問題は「ストップランプ」。
米国運輸省道路交通安全局(NHTSA)に登録された内容を見てみると、まずポルシェ911GT3ツーリングには、リアスポイラーが格納位置にあるときに使用されるセンターハイマウントストップランプ(CHMSL)と、リアスポイラーが展開されているときに使用されるセカンダリCHMSLがあり、これらのランプは本来一緒に点灯しない設計となっているのですが、実際には90km/h以下の速度でリアスポイラーを手動で展開すると、この2つのCHMSLが同時に作動するのだそう。
この問題はリアスポイラーコントロールユニットのソフトウェアエラーによって引き起こされており、幸いなことに(ソフトウエアの問題だけに)修正は比較的容易だとされ、「全米のポルシェ正規販売店にて、リアスポイラーコントロールユニットを再プログラムするだけ」で不具合を解消可能。
リコール対象となるのは、2022年1月12日から2023年5月25日の間に製造された911 GT3ツーリング全モデルで、その数は700台だとNHTSAに登録されています。
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マカン、パナメーラのリコールはこんな内容
そしてもう一つのリコールもNHTSAを通じて出されたもので、対象となるのは2016年型マカンS、2017年型マカン、2017年型マカンS、2017年型パナメーラターボ、2018年型マカン、2018年型マカンS、2018年型マカン ターボ、2018年型マカン スポーツエディション、2018年型パナメーラ4、2018年型パナメーラ4 E-ハイブリッド、2019年型マカン、2019年型マカンS、2019年型パナメーラ4 スポーツツーリスモ、2020年型マカン、2020年型マカン ターボ、2020年型マカンS、2020年型パナメーラ4の37台(モデル数が多い割には対象となる個体数が多くはない)。
内容としては、「オフラインでの組み立て工程に起因する不具合により、対象車両のリア・アウトボード下部のシートベルトアンカーが正しい仕様で締め付けられていない可能性がある」というもので、リアアウトボードシートの下側シートベルトアンカーが時間の経過とともに緩む可能性があるといい、この場合、衝突時にシートベルトアンカーが外れるという危険性が指摘されています。
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