| 911GT2 RS クラブスポーツ25に用いられるイエローのアクセントは「グレロ」と呼ばれる専用色 |
その外観は通常の911GT2 RS クラブスポーツとは全く異なる
さて、ポルシェの限定モデルはいずれもレアですが、今回はレア中のレアモデル、「911GT2 RS クラブスポーツ 25 マンタイ」が売りに出されることに。
これはポルシェ911GT2 RSクラブスポーツをベースとし、マンタイレーシングの25周年記念として30台のみが2021年に限定販売されたもので、お金で買えるなかではもっともハードコアなポルシェのひとつです。
参考までに、マンタイ・レーシングは 1996 年にオラフ・マンタイによって設立されており、その後はル・マン24時間レースにて4回の勝利、さらにニュルブルクリンク24 時間レースで7回の勝利を積み上げることに。
こういった功績が評価され、ポルシェは2013年にマンタイ・レーシングを買収して子会社化し、2021年には完全なモータースポーツパートナーとなっていますが、マンタイ・レーシングは同年の(ポルシェによる)911 GT2 RSのニュルブルクリンク市販周回記録樹立にも大きく貢献したと言われています。
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ポルシェ911GT2 RS クラブスポーツ 25 マンタイはこんなクルマ
そこでこのポルシェ911GT2 RS クラブスポーツ 25 マンタイを見てみると、まずこれはマンタイ・レーシングとポルシェとパートナーシップによる(完成車としての)初の成果。
上述の通りベースは(サーキット走行専用モデルである)911 GT2 RS クラブスポーツですが、この911GT2 RS クラブスポーツそのものも200台のみが発売された限定車ですね。
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マンタイレーシングはこのクルマをもとに「よりパフォーマンスの高い」サーキット走行専用モデルを作ることに取り組みますが、十分な馬力と効率を持つ700馬力仕様の3.8リッター ツインターボ フラット6エンジン、後輪に動力を送る7速 PDKギアボックスは「そのまま」に、エアロダイナミクスそして冷却性能を強化しています。
そのためマンタイ・レーシングはフロントエンドを完全に再設計することで冷却性能を改善していますが、これに採用した手法が「左右のラジエターを廃止してセンターに大きなラジエターを採用すること」。
これはBMWがM3とM4でも用いている手法ですが、そうすることでバンパー左右のダクトをブレーキ冷却など「別のことに使える」というメリットも発生します。
エアロダイナミクス面においてはフロントの大型カーボンファイバー製スプリッター、そしてカナードとの組み合わせにてダウンフォースを強化し、フロントフード上のダクト(とその周囲の隆起)はエアを車両の左右に流してリアウイングにエアを当て、NACAダクト経由にてコクピットへとエアを送り込むことに。
ホイールとサスペンションは数年前に発表された935クラブスポーツから流用されており、18インチのセンターロックホイールが装備されていますが、なぜか後輪には(マンタイレーシングの得意とする)エアロカバーは「なし」。
ちなみにリアはフェンダーの延長によって「ロングテール化」されていることを見て取ることができ(911GT1を連想させる)、ウイングのマウント、ディフューザーも改良され、より高いダウンフォース、より優れた冷却効果を発揮します。
なお、テールパイプ形状はこれまでのポルシェに無いデザイン。
ポルシェ911GT2 RS クラブスポーツ 25 マンタイのインテリアは超スパルタン
そして911GT2 RS クラブスポーツ 25 マンタイのコクピットはまさにレーシングカー。
頑強なロールケージで補強され、ドアインナーパネルはカーボンファイバー(オープナーはプルタブではなくノブである)。
ダッシュボードにはマンタイレーシング25周年のロゴ。
トランスミッションはレース用のシーケンシャルではなく7速PDKがそのまま用いられ、エアコンも(最近のポルシェのレーシングカー同様)残されているようですね。※ステアリングホイールにはオラフ・マンタイとポルシェのファクトリードライバーであるケビン・エストレのサインが入っている
一方で液晶メーターの表示には911GT2 RS クラブスポーツ 25 マンタイ専用グラフィックが採用されています。
なお、この車両は30台のみが製造されたうちの19番目で、走行距離はわずか315キロだと紹介されていますが、販売価格については「ASK」。
新車時の車両価格は525,000ユーロ(現在の為替レートだと約8250万円)ではあるものの、もちろんその価格を下回るはずもなく、ゆうに1億円を超える値付けがなされているものと思われます。
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参照:Pistonheads