2003年にプライベーターとしてデイトナ24時間にポルシェで参戦し奇跡の総合優勝を遂げた男。今回当時のマシンと同じ仕様にてポルシェ911GT3RSを公式カスタム

｜　このポルシェ911GT3 RSのボディカラーは当時と同じリビエラブルー、アクセントはレーシングイエロー　｜

48歳の誕生日に当時の仕様を再現した姿にて納車される

さて、ポルシェは自社のパーソナリゼーションプログラムとして「ポルシェ エクスクルーシブ マヌファクトゥア」そしてさらに高度なカスタムを可能とする「ソンダーヴァーシュ」を展開していますが、今回はその両者によってカスタマイズされたポルシェ911GT3 RSが公開されることに。

このポルシェ911GT3 RSは2003年2月2日に開催されたデイトナ24時間レースにて総合優勝を記録した996世代のポルシェ911GT3 RSへのオマージュともいうべき仕様を持っており、なぜこの911GT3 RSがクローズアップされたかのかというと、それは「プライベーターとしてデイトナ24時間レースに参加したにもかかわらず、そのクラスのみではなく総合優勝を成し遂げるという前人未到の偉業を成し遂げたから」。

Image：Porsche

かつての優勝車のドライバーが「自身のマシン」を再現

2003年に総合優勝を飾ったポルシェ911GT3 RSをドライブしたのはヨルグ・ベルクマイスターなる人物で、カレラカップに出場した後にデイトナ24時間レースへ挑戦することになりますが、わずか2度のチャレンジにてマイケル・シュクロム、ティモ・ベルンハルトというチームメイトとともに総合優勝という離れ業を成し遂げたわけですね。

Image：Porsche

そして今回公開された911GT3 RSをオーダーしたのがほかならぬヨルグ・ベルクマイスター本人で、つまり同氏は20年前に優勝を果たした自身のマシンを最新世代の911GT3 RSにて再現したということになりますね。

なお、この仕様を実現することとなった背景には当時のチームメイトによる協力があったからだといい、まずは2022年8月にポルシェ911GT3RSが発表され、この際にヨルグ・ベルクマイスターに対し、元チームメイトのマイケル・シュクロムが「来年は我々がGT3 RSでデイトナで優勝してから20周年だ」という指摘がなされます。

そこでヨルグ・ベルクマイスターは新型911GT3 RSを「かつてのデイトナ24時間優勝車仕様」にてオーダーすることに決め、今回晴れて納車となったわけですが、この仕様の実現には18ヶ月がかかったのだそう。

ポルシェ911Gt3 RSのボディカラーは当時と同じリビエラブルー

Image：Porsche

新しいポルシェ911GT3 RSのボディカラーは「ペイント・トゥ・サンプル」によって当時の996型911GT3 RSと同じリビエラブルーが選択され、ヨルグ・ベルクマイスターはなるべく多くの面積をリビエラブルーで塗装するため、カーボンファイバーパーツの装着面積を少なくすることを目的に「ヴァイザッハパッケージ非装着」。

そこへレーシングイエローをアクセントとして用いており、ドアミラーやリアウイングのエンドプレートにこのカラーが用いられています。

Image：Porsche

加えてリアウイングの裏面はホワイトに、そしてウイング裏面中央にはポルシェクレスト。

Image：Porsche

そしてリアデッキにはイエローでモデル名（GT3 RS）が記され、ボディサイドにもレーシングイエローのストライプ。

この美しいポルシェ911GT3 RSはヨルグ・ベルクマイスターの48歳の誕生日に納車されることになり、同氏は以下のように喜びを綴っています。

実に多くの人がこのプロジェクトに関わり、そのおかげでこの仕様が実現したのです。その背後にあるストーリーを知っている人は皆、このクルマを本当に気に入っています。春になりドライブするのが待ちきれませんが、まずは天気が良くなる必要があります。私は当時デイトナで達成したことを今でも誇りに思っており、このクルマはすでにその思い出を呼び起こしてくれています。 普段はそこまで感動しないのですが、初めて見た時は鳥肌が立ちました。 ようやく完成できて本当に幸運だと感じており、出来上がりにとても満足しています。

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参照：Porsche