997.2世代のポルシェ911GT3 RSが14年を経てようやく「再評価」。ここ最近で新車価格を超える例が続出し「メツガーエンジン」「MT」に注目が集まる

｜　997.2世代のポルシェ911GT3 RSは「最後のMTを積む911GT3 RS」である　｜

そして最後の「純粋な」ポルシェ911GT3 RSでもある

さて、一部では非常に評価が高かったものの、なかなか相場が上がらなかった997.2世代の911GT3 RSがインターネットオークションへと登場し、「新車価格以上で」落札される可能性が見えてきたとして話題に。

なお、996や997世代の911GT3（RS含む）は長らく過小評価され、992世代のように高値で取引される例は少なかったものの、発売から14年が経過し「ついに」新車価格を上回る相場を記録するケースが出てきたわけですね（この前にもいくつかの同様の例が報告されている）。

このポルシェ911GT3 RSは「最後のMT搭載」GT3 RS

そしてこの997.2世代の911GT3 RSは3.8リットルの”メツガー”フラット6を搭載し450馬力を発生させますが、最大のトピックは最後のマニュアルトランスミッションを搭載したGT3 RSということ（その後の911GT3 RSはすべてPDKを採用）。

このポルシェ911GT3 RSのボディカラーは人気の高いキャララホワイト、そしてライトゴールドのラッピングに19インチのマルチスポークホイール、ミシュランタイヤ、カーボンセラミックブレーキ、フロントアクスルリフトシステム、ダイナミックコーナリングヘッドライトを装備していることが記載されていますが、北米仕様ならではの「5マイルバンパー」がちょっと時代を感じさせるところでもありますね。

インテリアは現代のの911に比べてシンプルで、アルカンターラ製のステアリングホイール、レザーとアルカンターラ張りのバケットシート、CDステレオ、オートマチックエアコンといった簡素な（最低限の）装備にとどまっており、それが逆にこの世代ならではの魅力といえるかもしれません。

参考までに、新車時の価格は北米だとおおよそ13万ドル（インフレ率を考慮すると18万8,000ドル）で、しかしこのクルマはオンラインオークションサイト、ブリング・ア・トレーラーにて21万ドルを超えて落札される可能性が高く、これは距離が45,000マイル（約72,400 km）を超えていることを考慮すれば「（これまでの相場を考慮すると）異例」と考えていいのかも。

参考までに、991世代の911 GT3 RSだと、比較的走行距離の少ない車が19万ドル未満で取引されているので、この997.2 GT3 RSがいかに価値のあるモデルになっているかがわかります（やはりマニュアル・トランスミッション、名高いメツガーエンジンが高く評価されているのであろう）。

実際のところ997.2世代の911GT3 RSは単なる高性能スポーツカーにとどまらず、コレクターズアイテムとしての価値を持ち、現在その価値が高騰する傾向にあり、時間が経つにつれてさらに価値が上がる可能性も。

ポルシェ愛好家にとって、このクルマは「純粋な」911の象徴であり、次世代モデルへと移行する前の「最後の、そして真のRS」だと捉えられているのかもしれません。

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参照：Bring a Trailer