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| 伝説の公道レースに現代のレジェンドが参戦 |
「ラ・カレラ・パナメリカーナ」はポルシェにとって「もっとも重要な」レースのひとつである
ポルシェが「2025年のラ・カレラ・パナメリカーナにて、現代のポルシェ・レーシングの伝説、ティモ・ベルンハルトが参加した」とアナウンス。
ティモ・ベルンハルトはル・マンとニュルブルクリンクでの優勝経験を持ち、今回は特別ゲストドライバーとしての参戦ではありますが、この参戦によって75周年記念大会を彩り、ポルシェの輝かしい歴史を呼び覚ますこととなったようですね。
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ポルシェと「ラ・カレラ・パナメリカーナ」の歴史的繋がり
ラ・カレラ・パナメリカーナは、1950年代にはじめて開催された、国境を越える危険な公道レースであり、しかしポルシェにとって非常に重要な意味を持っています。
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実際のところ、このレースは911カレラやパナメーラといった象徴的なモデル名の由来にもなっており(かつて、そのレースにて優勝した自動車メーカーが、そのレース名を名乗ることができるという風習があった)、今回の参戦はポルシェが持つ「スポーツの現在」と「自動車の遺産」とを結びつけることを目的としているのだそう。
- 1953年・54年: ハンス・ヘルマン、ハーバート・リンゲ、フシュケ・フォン・ハンシュタイン、カール・クリングといったパイオニアたちが550スパイダーで参戦し、ポルシェの精度と耐久性という国際的な評判を確立
「私は個人的にラリーが大好きで、ドイツ国内で何度か総合優勝を果たしました。しかし今回は、競争や結果に焦点を当てるのではなく、観客にポルシェのレガシーと魅力的なヘリテージを紹介することに重点を置きました」
— ティモ・ベルンハルト
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ティモ・ベルンハルト:ポルシェの26年間を体現するレジェンド
ティモ・ベルンハルト氏は、20年以上にわたってポルシェのワークスドライバーを務め、その世代で最も完成度が高く、一貫性があり、カリスマ性のあるレーサーの一人としての地位を築いたことでも知られます。
- キャリアの始まり: 1999年にUPSポルシェ・ジュニア・セレクションに選ばれたことに始まり、それ以来、ポルシェブランドと強い絆を結び続ける
- 主な功績:
- FIA世界耐久選手権(WEC)タイトル:2回(2015年、2017年)
- ル・マン24時間レース優勝:1回(2017年/ポルシェ 919 Hybrid)
- ニュルブルクリンク24時間レース優勝:5回
- デイトナ、セブリング、アメリカン・ル・マン・シリーズでの勝利を合わせ、耐久レースの「トリプルクラウン」を達成
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加えて、彼の正確なドライビングテクニックと戦略的ビジョンは、GTカーから最先端のハイブリッドプロトタイプに至るまで、ポルシェのレーシングプログラムにおける技術進化に不可欠な役割を果たしてきた、と評価されています。
メキシコとの特別な絆:「勝率100%」の思い出
ベルンハルト氏とメキシコとの関係は、WECの公式戦であるメキシコ6時間耐久レースで築かれることとなり、今回のラ・カレラ・パナメリカーナへの参加は、メキシコのファンとの特別な絆を再確認し、ポルシェのレガシーを次世代に伝える貴重な機会となったようですね。
参考までに、ティモ・ベルンハルト氏は2016年と2017年にポルシェ 919 Hybridを駆って2年連続で優勝を飾っており、事実上「メキシコでの勝率は100%」となっています。
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