
| 2026年、シンガー・ヴィークル・デザインが放つ「DLSターボ」の衝撃 |
忙しい人のための「2分まとめ」
- 究極の空冷ターボ: 3.8L水平対向6気筒ツインターボは、空冷の魂を残しながら水冷ヘッドを採用し、700hp超と9,000rpmの超高回転を実現
- 空力と軽量化の極致: ウィリアムズ・アドバンスド・エンジニアリング協力のもと、CFD(数値流体力学)を駆使したフルカーボンボディを採用
- 公道を走る芸術品: 内装はシャンパンカラーのアクセントと最高級アルカンターラで彩られ、ダッシュボードには機械式高級時計のようなフローティングメーターが鎮座
シンガー・ポルシェ「DLSターボ」納車第一号
シンガー・ヴィークル・デザインがこれまで手がけてきた「クラシック」や「DLS」といったモデルは、どれも空冷911の純粋さを追求したクルマ。
しかし、今回の「DLSターボ(Dynamics & Lightweighting Study Turbo)」は、その純粋さに「圧倒的な暴力」を加えたもので、「ソーサラー」と名付けられたこの初号機は、オーナーの要望によりトラック(サーキット)仕様の空力パッケージを選択。
巨大なリアウィングとワイドなフェンダーを纏った姿は、かつてのル・マンを席巻したモンスターマシンを彷彿とさせます。
シンガー DLSターボ「ソーサラー」の驚愕スペック
ベースとなるのは1989年〜1994年製の「ポルシェ911(964)」。
これを一度ホワイトボディ状態にまで分解し炭素繊維(カーボン)と魔法のエンジニアリングによって作り直したのがこの「DLS」で、同社の「クラシック」シリーズとは異なって”ほとんど”元の構造を残していないのがこのシリーズの特徴です。
| 項目 | スペック詳細 |
| ベース車両 | ポルシェ 911(Type 964) |
| エンジン | 3.8L 水平対向6気筒 ツインターボ(水冷ヘッド/空冷シリンダー) |
| 最高出力 | 700 hp 以上 |
| 最大トルク | 553 lb-ft (約750 Nm) |
| 許容回転数 | 9,000 rpm |
| トランスミッション | 6速マニュアル(後輪駆動) |
| ブレーキ | CCM-R カーボンセラミックブレーキ |
| 推定価格 | 約300万ドル(日本円で約4.7億円〜) |
性能・デザイン・インテリアの特徴
1. 「ファンタジア・ブルー」の魔法
外装色は「ファンタジア・ブルー」と名付けられ、後方に向かって色が濃くなるグラデーション(オムブレ)塗装。
これにより、ただでさえワイドなリアフェンダーが、より立体的で力強い印象を与えます。
2. 伝統とハイテクの融合
エンジンはシンガー独自の「空冷シリンダー×水冷ヘッド」というハイブリッド冷却を採用。
電動ファンを搭載することで、アイドリング時でも最適な冷却が可能だとされ、現代のBosch製ABSやトラクションコントロール、5つのドライブモードを装備し、90年代の車とは思えない制御能力を手にしています。
そしてエンジンルーム内の美しさは「シンガー・ヴィークル・デザインならでは」といった趣ですね。
3. 高級時計のようなコクピット
インテリアはペブルグレーのレザーとパールグレーのアルカンターラで構成され、スイッチ類やメーターのベゼルに施されるのは「シャンパンカラー」のアルマイト処理。
まるで高級機械式腕時計を操作しているかのような感覚に陥ります。
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競合比較:現行ポルシェ GT3との違い
最新の911 GT3(992型)は素晴らしい車ですが、シンガーが提供するのは「数値」ではなく「体験」です。
- GT3: 効率、ラップタイム、そしてドイツの精密な工業製品。
- Singer Sorcerer: 魂を揺さぶる空冷の鼓動、マニュアル操作の快感、そして何千時間もの手作業が生む「一品物」としての芸術品的価値。
シンガー・ヴィークル・デザイン創業者であるロブ・ディッキンソン氏は、「DLSターボは、911が公道とサーキットの両方でアイコンとして進化した歴史を祝うものだ」と語っています。
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知っておきたい新知識:シンガーの「呼び方」ルール
実は、このクルマを単に「シンガー」や「ポルシェ」と呼ぶことは、法的には(あるいはブランド的には)推奨されていません。
正しい呼称は「Porsche 911 Reimagined by Singer – DLS Turbo」。
ポルシェ社との関係を尊重し、あくまで「シンガーによって再想像されたポルシェ911」であることを強調していて、こうした厳格な姿勢がシンガーのブランド価値をより高めている一因でもあるわけですね。
そしてこういった呼称を採用するに至った背景には「ポルシェとのたび重なる訴訟」そして和解があったからに他なりませんが、ほかの多くのチューナーも「エンブレムを入れ替えてポルシェと区別したり」「車両そのものは販売せず、あくまでも顧客が持ち込んだクルマに”手を加えるだけ”」といったスタンスを(ポルシェとの不要な争いを避けるために)採用しています。
結論:4億円超でも「安い」と感じさせる魔力
シンガー DLSターボは世界限定99台に生産が絞られており、そのどれもがオーナーの個性に合わせて一から作られる「究極のカスタムカー」。
もはやレストモッドの枠を超えて自動車工学と芸術が融合した一つの到達点だとも考えられますが、4億円を超える価格は驚愕ではあるものの、そのディテール一つ一つに込められた情熱を見れば、なぜ世界中のコレクターがこの「魔術師」の虜になるのか、納得せずにはいられないであろうとも考えています。
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