| 話を聞く限りではフェラーリはやや横暴なように思える |
フェラーリがその商標をめぐって訴訟を起こした、という報道。
Financial Timesによると、フェラーリは「プロサングエ」という商標を巡って「プロサングエ財団」を訴えていると報じられていますが、このプロサングエとはイタリア語で”サラブレッド”を意味する言葉だとされ、フェラーリが数年内に発表すると言われる新型SUVの名称として使用される予定。
そしてこのプロサングエ財団とは2011年にドーピング防止を目的に設立された非営利団体で、”プロサングエ”の商標についてはアディダスとのパートナーシップによってバックパックやシューズなどを含む、幅広い製品に対して取得しているようですね。
プロサングエ財団はこれに反発
おそらくフェラーリはプロサングエ財団に対して商標を取り下げるように申し入れを行ったと思われるもののプロサングエ財団はこれを拒否しており、そのためフェラーリはこれを裁判似て争うこととしたようで、その裁判は来る3月5日に行われる模様。
フェラーリの主張としては「プロサングエ財団は”プロサングエ”という商標を一定期間使用していない」という、不使用を理由に権利放棄を求めるもの。
そしてプロサングエ財団の設立者、マックス・モンテフォルテ氏は「非常に驚いている。なぜ我々がそのアイデンティティを諦めねばならないのだ?フェラーリは最初に商標をチェックすべきであり、このような暴挙がまかり通ってはならない。正義は我々にある」とコメントしています。
傍から見る限りではプロサングエ財団の言い分に一理あり、フェラーリの行動はやや横暴であるようにも思えます。
なお、2018年にはじめてプロサングエの名が出た際には「セグメント名であってクルマの名称ではない」という話でしたが、今回訴訟にまでもってゆくということは「車両の名称」として使用することを考えているのかも。
ちなみにフェラーリと商標というところだと、これまでフェラーリは「テスタロッサ」の商標を有していたもののこれを放棄しており、今後”テスタロッサ”という名は電気シェーバー含む家電に使用されることになるといった珍事も発生しています。
そのほかフェラーリに関する訴訟案件だと、ドイツのファッションブランド「フィリップ・プレイン」のデザイナーがフェラーリ812スーパーファストの上に自身のブランドの靴を置いて撮影しインスタグラムに載せたところ、フェラーリが「その画像は我社のブランドイメージを貶めている」として取り下げを要求し、それに応じなければ法的措置を取るといった警告を行ったことも。
フェラーリが独ファッションデザイナーに対し「フェラーリのクルマを一切使うな」と法的行動。インスタの画像があまりに品位に欠けていた模様
逆にフェラーリが訴えられた案件だと、スティーブ・マックイーンの遺族がフェラーリを「父の名を勝手に使用した」というものが。
これはフェラーリ70周年記念モデルとして発売したモデルの中に「スティーブ・マックイーン」というカラースキームを持つモデルがあり、しかしその名を使用するのにフェラーリがスティーブ・マックイーンの遺族に許可を取っていなかったという内容(名称を使用する前に話し合いは持たれたが、合意に至らず、そのまま勝手にフェラーリがスティーブ・マックイーンの名を使用したとされる)。
プロサングエはどんなクルマに?
なお、プロサングエについてはSUVというよりも「車高の高いGTC4ルッソ」的なクルマになるとされ、エンジンはもちろんフロント、そして後輪駆動と4WDとがあるとされ、コードネームは「175」そしてエンジンはV12、V8、V6の搭載を前提としている、と言われていますね。
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