| この問題は少し前から論じられていた |
フェラーリによる「GTC4ルッソ/GTC4ルッソTを販売終了にする」というコメントが話題に。
これはちょっとややこしい問題を含んでいて、正確に言うならば「GTC4ルッソ/GTC4ルッソTの販売終了に伴い、その後継はあるのか」ということを論じることになるかと思います。
ことの発端としては、(カーメディア、Driveによれば)フェラーリの正規ディーラーが「GTC4ルッソ最後の1台を販売した。これでGTC4ルッソはラインアップから消える」とSNSにてコメントしたこと。
当初フェラーリはこれを否定
ただ、フェラーリは即座に「GTC4ルッソ終了というのは誤り。我々のラインアップに変更はない」とコメントすることに。
しかしながら、日本国内のフェラーリ正規ディーラーでも「突如GTC4ルッソの生産終了を本社から知らされ、デモカーとして発注していた車両以外は新車で購入することはできない」とキッパリと言っていたので(直接そう聞いた)GTC4ルッソ(GTC4ルッソTも)の生産終了は間違い事実。
加えてフェラーリはカーメディア、Motor1に対しても「5イヤー・ストラテジーによって、GTC4ルッソ/GTC4ルッソTはそのライフを終える」とコメントした、と報じられています。
なお、GTC4ルッソは、「フェラーリ初の4WDそしてシューティングブレーク(ワゴン)」として2011年に登場したFFの後継(改良)モデルで、2016年に登場しています。※GTC4ルッソTはV8ターボを搭載するFRモデル
フェラーリは通常、「改良前後モデルとあわせ、モデルライフは約10年」というサイクルを採用しているため、2011年に登場したFF、2016年に登場のGTC4ルッソとあわせ、今年で約10年(正確には9年)を迎えた”フェラーリの4WDワゴン”が生産終了するのはさほど驚きではないかもしれません。※そのモデル単独では「5年」をモデルライフとして想定し、これは「5イヤー・ストラテジー」と呼ばれる
プロサングエは「追加」?それともGTC4ルッソの後継?
そして問題をややこしくしているのが、これまたフェラーリ初の「SUV」、プロサングエ。
これはSUVというよりは「車高の高いGTカー」的な性格を持つといい、つまりはGTC4ルッソの車高を上げて4ドア(ハッチを入れると5ドア)にしたというイメージだと解釈して良さそう。
そのプロサングエが登場するとなると、GTC4ルッソと重複する部分もあり、さらには実用的なプロサングエに人気が集中する可能性をも考慮すれば「GTC4ルッソの直接の後継モデルはなく、プロサングエがその役割を引き継ぐだろう」ということも考えられます。
そういった推測が「GTC4ルッソ終了」という事実とシンクロし、「もうフェラーリは2ドア(3ドア)ワゴンを作らない」というように解釈されているのが現状だと思いますが、そこで気になるのが上に挙げた「我々のラインアップに変わりはない」というフェラーリの当初のコメント。
これについて、おそらくフェラーリとしては「(固有モデルとしてのGTC4ルッソ/GTC4ルッソTは生産終了となるが)2ドアワゴンとしてのフェラーリラインアップがなくなるわけではない」ということを伝えたかったのだとも考えていて、よってGTC4ルッソ/GTC4ルッソTの後継モデルについては”存在しないわけではない”のかも(さらに、フェラーリは世の中に存在するすべての需要を拾いたいと考えているので、モデルラインアップの拡大はあっても、縮小はないと考える)。
ただ、現時点でGTC4ルッソの後継モデルと見られるプロトタイプは目撃されておらず、となるとやはり「GTC4ルッソの後継はない」のかもしれません。
つい最近には「プロサングエ」と思われるプロトタイプがマラネロ近郊で目撃されていますが、もしかするとこれが「プロサングエではなく、GTC4ルッソ後継」という可能性も否定できず、今の段階では「謎が謎を呼ぶ」という状況だと考えています。