| ステファノ・ドメニカリ氏の「F1CEO就任」にランボルギーニが噛んでいるのかどうかが重要だ |
ランボルギーニCEO、ステファノ・ドメニカリ氏がF1の新CEOに就任するという報道。
現在ランボルギーニ、F1から何らアナウンスはないものの、BBCはじめいくつかのメディアが報じており、これに対する否定の公式コメントもなく、つまりこれは「間違いない事実」と捉えていいのかも。
そして同報道では、来シーズンの開幕から現CEO、チェイス・キャリー氏にかわってF1を率いることになる、とされています。
ステファノ・ドメニカリ氏はこういった人物
ステファノ・ドメニカリ氏は1965年生まれで、幼少の頃よりモータースポーツに親しみ、ボローニャ大学卒業にはフェラーリへと入社。
フェラーリでは経理を担当した後にスポーツ部門、ロジスティクス部門等を経験しており、その後ジャン・トッド氏の後任としてスクーデリア・フェラーリ(F1チーム)CEOへ就任することに。
ただしF1においては華々しい実績を残せず、2014年にアウディに移っていますが、これは当時アウディ(もしくはフォルスクスワーゲンやポルシェなど、グループ内ブランドのいずれか)がF1参戦を考えていたからだと推察されていて、しかしその後発生したディーゼル不正事件によってF1参戦計画そのものが消滅しています。
なお、実際にポルシェはF1用エンジンを開発していたので、フォルクスワーゲングループのF1参戦計画はかなり現実的であった、考えて良さそう。
その後2017年1月にステファノ・ドメニカリ氏はステファン・ヴィンケルマン氏の後任としてランボルギーニCEOへと就任。
ちなみにこの年はランボルギーニ創業者、フェルッチョ・ランボルギーニ生誕100周年で、そしてフェルッチョ・ランボルギーニは常々「レースはやらない」と公言していたわけですが、そういった節目の年に、ライバルであるフェラーリ、そしてそのF1チームを率いてきた人物がランボルギーニCEOへと就任したということになりますね。※就任時には、日本語で「がんばろー、ランボルギーニ」と題されたステファノ・ドメニカリ氏名義のレターが送られてきた
その後同氏はランボルギーニにていくつかの改革を行いますが、大きなものは「モータースポーツ部門の強化」。
カスタマーカーの提供を積極的に行い、オフローダーである「ウルス」を使用したワンメイクレースも企画しています。
さらにはル・マン24時間レースに新設されるハイパーカークラスの参戦を考慮したと思われる「エッセンツァSCV12」を発表。
ちょっと前の話ではあるものの、ランボルギーニからのF1参戦について語ったことも。
これもランボルギーニの計画のうち?
なお、今回の移籍について思うのが、「ランボルギーニ(とその親会社であるフォルクスワーゲン)がこれと関係しているのかどうか」。
もしステファノ・ドメニカリ氏が「ランボルギーニからF1へと送り込まれる」形であれば、これはフォルクスワーゲングループがF1に参戦する布石なのかもしれませんし、ランボルギーニの意向と全く関係がないのであれば、「単に移籍するだけ」ということに。
気になるのはランボルギーニのCEO「後任」ですが、参考までに、現在フォルクスワーゲングループ内ではいくつかCEOクラスの異動があるようで、まずはセアトCEOにはウェイン・グリフィス氏が就任。
そのほか、「リマックが(現在フォルクスワーゲングループ傘下にある)ブガッティを買収」という話もあり、これが実現すればフォルクスワーゲングループ全体の人事に影響することになりそうですね。