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オートカー「ポルシェ911GT3の相場が急落」「ハイパーカーは供給過剰」「マクラーレンは自業自得」「2016年以降、スーパーカーの中古価格は30%下落」

2021/02/12

トミカ(フェラーリなどスーパーカー)

| 不況になればスポーツカーの人気が出る説は本当だったようだが |

さて、Autocarにちょっと興味深い記事が紹介されていたので、ここで紹介してみたいと思います。

その内容としては、「スポーツカーの相場が下がっている」というものですが、同じスポーツカーと言えどもその状況はセグメントによってやや異なる模様。

まず、記事では「スポーツカー全体の販売台数は前年比7%増(新車市場の2.9%)」になった、とのこと。

これはコロナ禍を考慮すると驚くべき数字でもあり、しかしその牽引役はアウディTTやマツダ・ロードスターといった、まだ「求めやすい価格の」クルマだとしています。

スーパーカーセグメントは悲喜こもごも

次いでスーパーカーセグメントについて、英国、ドイツ、スイスという欧州の三大市場ではスーパーカーの価格が平均して0.8%下落した模様。※おそらく新車価格を指しているのだと思われる

ただ、下がった理由としては「安価な仕様が増えた」こと、「高額モデルへの需要が減った」としており、その価値を失ったというわけではなさそうです。

さらには「2800万円以下のスーパーカーの販売は非常に好調」、「ハイエンドモデルの需要が減少」しているとも述べており、要は「億」というプライスタグをつけるスーパーカーの選択肢があまりに増えすぎたようですね。

直近だとそういった「億」にも達する価格を持つスーパーカーだとフェラーリ・モンツァSP1/2、マクラーレン・セナ/エルヴァ/スピードテール、アストンマーティンV12スピードスター、ランボルギーニ・シアンFKP37/シアン・ロードスター、ポルシェ935クラブスポーツ、ケーニグセグ・ジェスコ等の選択肢が登場し、さらにデリバリーを待つモデルとしてはケーニグセグ・ジェメラ、リマックC_Two、ピニンファリーナ・バティスタ、アストンマーティン・ヴァルキリー/ヴァルハラといった面々があって、こうやって並べると過去に類を見ないほどの「バブル」状態だという印象。

なお、オートカーではマクラーレンについて「選択肢が多すぎる」と述べ、「自業自得」だとも。

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スーパーカーの「中古相場」は確実に下落

そしてAutocarでは中古スーパーカーの価格が2016年以降25〜30%下がったと述べ、一つの例としてエキゾチックカーディーラーが「2018年にはフェラーリ812スーパーファストを約6000万円で販売していたが、直近での販売価格(同じ2018年モデル)は3155万円だった」という例も示しています。

他の例だと、ポルシェ911GT3、911GT3 RSの価格が「著しく低下している」というものも。

これはコロナウイルスの影響によって「サーキットへ行きにくくなった」ことが一因として考えられるようで、サーキット走行に特化したモデルの宿命なのかもしれません。

そのほか、「派手なクルマ」の人気も下がっているとされ、これは「スーパーカーのオーナーは、会社を経営しているケースが多く、しかしこの状況では従業員を解雇せざるを得ない場合もあり、そうなると派手なクルマを乗り回すのは適切ではない」という判断が働いている可能性を指摘しています。

実際のところ、「スーパーカーを隠す」「それほど派手ではないが高価なモデルに買い換える」例が目立つようになったとも述べ、「モーガンのようなクルマは周囲がネガティブな半能を示す可能性が低い」とも。

そういった意味では、近年人気化している「復刻」「継続生産(コンティニュエーションシリーズ)」は長期的にも価値が下がることはなく、かつ派手な印象も与えないので、今の状況に適しているのかもしれませんね。

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ちなみに現在、英国では800台のフェラーリが売りに出されていて、488ピスタはそのうち30台を占めており、これは明らかに「供給過剰」だとも考えられます。

ただ、こういった状況にも関わらず、スーパーカー販売に携わる人々としては、「たとえ相場が下がろうとも、ほかのセグメントよりは高い価値を維持し、長期的には安定するだろう」という見方が多いようですね。

スーパーカーにとって代わる選択肢は?

オートカーによれば、スーパーカーが(短期的に)その価値を下げる一方、好調なのはやはりSUV。

たとえばランボルギーニ・ウルスは18ヶ月前に登録された個体であっても高値で取引されるといい、これは「信じられない」状況なのだそう。

そのほか、傾向としては「富裕層はもはやハイエンドスポーツカーを手に入れることに固執してない」ことを挙げ、「彼らにとっては、人生があまりにも速く、デジタル化しすぎているため、自分にとって何か意味のあるクルマや、気軽に楽しめるクルマを求めている」とも(わかるような気がする)。

記事ではそういった傾向の一つとして、当時はまったく売れなかったアストンマーティン・シグネット(トヨタiQベースの非常に高価なコンパクトカー)が最近相場を上げていることに触れていますが、BMW Z3クーペやMクーペの人気化もそういった例のひとつかもしれませんね。

その一方、「未来のアイコンとなりうる」GRヤリスにも注目が集まっているといい、たしかに英国のジャーナリストの多くがこのクルマを購入しているように見受けられます。

これらを鑑みるに、「値上がりや投機を目的としてクルマを選ぶ時代は終わり、本当に自分の好きなクルマを、気軽に乗る時代が到来しようとしている」ということなのかもしれず、この傾向が顕著になれば、自動車社メーカーも「スペック重視」ではなく、個性あふれる、そして感情移入ができるクルマを開発できるようになるのかもしれません。

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参照:Autocar

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