| フェラーリのクルマはもはや「貨幣」以上の価値を持つ |
コロナ禍が過ぎされればムゼオ・フェラーリ・マラネッロとともに訪れてみたい
さて、フェラーリが創立75周年を記念し、2022年3月12日から2023年2月17日まで、モデナにあるエンツォ・フェラーリ博物館にて「フェラーリ・フォーエバー」なるイベントを開催すると発表。
フェラーリが1947年に設立されているのは公的によく知られていますが、その第一号車である125Sが最初に工場から出荷されたのが3月12日だそうで、これはあまり知られていない事実かもしれません(ぼくも知らなかった)。
フェラーリによると、この125Sは「単なるクルマを超え、エンツォ・フェラーリによる意思表示であり、クラフトマンシップ、献身、伝統、革新を土台とした75年にわたる卓越した文化の始まりであり、この文化が、時代を超えて愛される名車を次々と生み出してきた」とのこと。
イベントにはフェラーリの名車が勢揃い
そこでフェラーリはこの歴史的瞬間を記念し、上述の「フェラーリ・フォーエバー」の開催となるわけですが、このイベントはフェラーリのクラシックカー担当部門であるフェラーリ・クラシケの協力のもとで行われ、今回はフェラーリ・クラシケによって「公認」が付与された15台のクラシックフェラーリが展示される、とのこと。
加えてこのイベントは、時代を超えて革新と進化を続けるフェラーリの卓越した伝統を物語り、「すべてのフェラーリが未来のクラシックカーになる可能性を持っていること」を示すものだとされています。
このフェラーリ・クラシケではクラシックモデルのレストアも行っていますが、重要な業務のひとつが「公式鑑定書」の発行。
これは20年以上前のフェラーリのロードカー、スポーツカー、スポーツプロトタイプ、F1を対象とした真正性証明であり、所有するクルマの真贋、そして純然たる正規品であると証明する公式文書。
もちろん、「真正のフェラーリである」と鑑定できるのはフェラーリのみとなり、それなりのコストはかかることになるものの、これを取得することで資産価値を高めたり、フェラーリ主催の公式ベントに参加することが可能となるわけですね。
今回の展示会では、フェラーリ・クラシケのワークショップで行われる魅力的なメンテナンスとレストアの工程を紹介することで、あらゆる年代のクルマがオリジナルの輝きを取り戻す過程を示すといい、レストアにおいて重要な位置を占める「オリジナルのパーツを製造していた鋳造所や工作機械」、そして「フェラーリ製エンジンの秘密や各モデルの特徴を熟知した、高度に専門化された技術者たちの専門知識」の片鱗を垣間見ることもできそうです。
なお、フェラーリは1947年以降に生産されたすべてのフェラーリのアッセンブリーシートを完璧に保存した「ヒストリカル・アーカイヴ」を持つといい、このアーカイブにアクセスすることで、フェラーリ・クラシケのすべての作業がオリジナル・デザインに沿って忠実に行われることになる、とのこと。
今回の「フェラーリ・フォーエバー」ではこんなモデルが展示される
そしてフェラーリは今回エンツォ・フェラーリ博物館にて展示されるモデルのいくつかを紹介しており、まずは「デザイナー兼コーチビルダーであるセルジオ・スカリエッティが手がけた1956年の250GTコンペティツィオーネ・ツール・ド・フランス」。
フェラーリいわく”最も魅力的で勝利に貢献したスポーツカー”でもあり、カロッツェリア・スカリエッティのアトリエで熟練の職人たちによって形作られたボディを堪能できる、とのこと。
さらにはピニンファリーナが限定生産した1959年の250GTカブリオレ。
これはコート・ダジュールやカリフォルニアの華やかな場所を好む、洗練された顧客向けに作られたエレガントなオープントップのグランツーリスモで、バランスのとれたラインと快適なドライビングを提供しており、世界有数のイベント会場やハリウッド映画のスクリーンで主役を演じ、バーバラ・ハットンなどの一流俳優や国際的なジェットセッターの日常生活にも登場した、と紹介されています。
これらのほか、1953年のフェラーリ500モンディアルのオリジナル "マスチェローネ "などの試作品の展示もあるといい、デザイナーがイメージ通りのクルマをつくるために作成した参考資料などの展示もあるもよう。
フェラーリの「最初の市販車」を紹介する動画はこちら
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