「ギャンブラーにゴールはない」。まさに生まれながらのギャンブラー精神には恐れ入る
出所後、買い続けたフェラーリはギャンブルの種銭のために売られて行ったそうだ
さて、2011年に日本を震撼させた大王製紙事件。
これはどういったものかというと、大王製紙(国内シェア4位、東証プライム上場)創業家一族に生まれた御曹司である井川意高氏が、会社のお金106億円をマカオ、シンガポール、ソウルのカジノにてギャンブルに突っ込み、巨額赤字を記録して引責辞任した上、大王製紙から告訴され、有罪判決を受けて収監されたというもの。
大王製紙は「エリエール」という誰でも知っている製品を作っている会社ですが、その会社の社長が会社のお金を私的に(しかも106億円も・・・)使い込んだというのは相当な衝撃だったわけですね。
事件の要点をまとめると下のとおりで、当の本人である井川意高氏がこの6月27日にあらたな告白本「溶ける 再び そして会社も失った」を発売し、獄中からフェラーリを購入していたことが明かされ話題となっています。
- 井川意高が大学卒業の翌年(1988年)に大王製紙に入社
- 1998年に副社長に就任
- 2007年に社長に就任
- 2010年にカジノで溶かしたお金の補填として大王製紙のグループ計7社から106億円を無担保で借りる
- 2011年に大王製紙が連結決算にて182億円の巨額赤字を計上
- 2011年に大王製紙が井川意高の告発準備を開始
- 2012年に特別背任にて逮捕
- 2012年に懲役4年の実刑判決。高等裁判所、最高裁判所は上告を棄却し刑が確定
- 2013年10月に収監され、2016年に仮釈放、2017年に景気満了
- 告白本「溶ける」「バカラ放浪記」を出版、2022年6月に「溶ける 再び そして会社も失った」が発売
獄中からフェラーリを購入していた
そこでこの「溶ける 再び そして会社も失った」にはいくつか興味をそそられる記載があり、代表的なものが「獄中からフェラーリを購入していた」というもの。
その方法としては文通が用いられ、刑務所からフェラーリ正規ディーラー(文中には固有名も出てくる)に手紙を送って「このフェラーリを注文しておいてほしい」と頼んだり、オプションリストを取り寄せて「この装備を追加して」といった依頼を行っていたそうですが、同氏はデイトナ(365GTB/4)を所有していたこと、それまでにもいくつかフェラーリを購入していたことから限定モデルを入手する権利があったといい、それまでの所有車や獄中で購入したフェラーリの最新モデルをセルリアンタワーの地下に停めていたようですね(最大で20台近くにまで増えたらしい。ポルシェも購入していたようだ)。
なお、晴れて出所し自由の身となったのち、同氏は購入したフェラーリと対面し、さっそくサーキット(富士スピードウェイ)にて走行することになりますが、そこでなぜか「こんなことに意味はない」と感じ、毎月(1台あたり)8万円を払っていた駐車場代(年間で1200万円にものぼったのだそう)も急にバカらしく思えたと綴っています。
なぜフェラーリに意味を見いだせなくなったのかはわからないものの、獄中生活を送るうち、フェラーリに対する期待値があまりに大きくなり、そしてその期待値が現実のフェラーリを超えることができなかったのかもしれません。
そしてまた井川意高はギャンブルの世界に身を投じる
はたして同氏はフェラーリを売り払ってお金を作り、またしてもギャンブルに身を投じる事になったそうで、文字通り「骨の髄までギャンブラー」な人ということになりそうですね。
そしてフェラーリについては「高値で売れる」ことからいいギャンブルの種銭となり、”貯金代わり”になったとも。
よくフェラーリを買うことは資産形成の一つであり、不動産よりも割の良い投資だと例えられることもあるものの、まさに井川意高氏の場合はそんな感じだったのかもしれません(しかも限定モデルを入手している)。
今回発売された書籍「溶ける 再び そして会社も失った(幻冬舎)」の表紙には”ギャンブラーにゴールはない。すべての戦いは通過地点であり、人生のプロセスなのだ”という文字が踊りますが、これからも同氏の果てしない旅路が続くことになりそうです。
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参照:現代ビジネス