| さらにはリアルな事故の描写に起因して北米ではR指定となるようだ |
ぜひともエンツォ・フェラーリの「復活」までを描いてほしいとは思うが
さて、映画「フェラーリ(原題はそのままFerrariで、邦題や日本公開は未定)」の北米での公開が2023年年末に決定したとの報道。
監督は「コラテラル」のマイケル・マンですが、同監督は20年(一説には30年)もの間この計画を温めていたとされ、とくにフェラーリに対して熱い思い入れがあることでも知られています。
参考までに、マイケル・マンとフェラーリとの接点は祖父の乗っていた275GTBにあるといい、それ以来ずっとフェラーリは同氏のなかで大きな存在であったようですね。
マイケル・マンは「マイアミ・バイス」によってフェラーリを北米に広める
なお、マイケル・マンはTVシリーズの「マイアミ・バイス」のプロデューサーを務めたことでも知られ、同作品中にて(当時のフェラーリのインポーターとのタイアップによって)テスタロッサを使用することでフェラーリの北米における知名度を大きく向上させた人物としても知られます。
さらには「フォードvsフェラーリ」のエグゼクティブプロデューサーとしても名を連ねており、様々な局面においてフェラーリと関わってきた人物でもありますね。
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そしてこの「フェラーリ」にて主演を務めるのはアダム・ドライバー。
ただし当初はクリスチャン・ベールが主演する予定だったそうですが、クリスチャン・ベールが体重を増やすことができず、代わりとしてヒュー・ジャックマンにオファーが行くものの、結果的にはアダム・ドライバーに落ち着いています。
そのほか、ポルシェからレースに参戦するなど生粋のカーガイとして知られるパトリック・デンプシーがフェラーリのファクトリードライバーであるピエロ・タルフィを演じることもわかっていますね(本人のドライビングスキルを考慮すると、スタントは必要なさそうだ)。
First look pic of Adam Driver as Enzo Ferrari in UHQ/4K *download in 6240x4160 resolution https://t.co/x7cLqw3vOf pic.twitter.com/gcruadDJLe
— Adam Driver Central (@adamdrivercentl) October 7, 2022
映画「フェラーリ」は心痛を伴う映画になりそうだ
この映画「フェラーリ」はエンツォ・フェラーリのもっとも辛い時代に焦点を当てたもので、エンツォ・フェラーリを美化するものではなく、徹底したリアリティをもってエンツォ・フェラーリを取り巻く状況、そしてその人間関係を描いたものだとされています。
映画の舞台は1957年に設定されており、マイケル・マンによれば、1957年を選んだのはそれがフェラーリの「annus horribilis(=アナス・ホリビリス、ラテン語で「ひどい年」という意味)」であったため。
最愛の息子ディーノが前年に亡くなり、会社としてのフェラーリは財政的な混乱に陥り、フェラーリを支えてきたドライバーが次々サーキットにて事故死し、その苦しさから逃れるためかエンツォ・フェラーリはリナ・ラルディ(シェイリーン・ウッドリーが演じる)との情事を始め、ペネロペ・クルスが演じる妻に対しては秘密の息子(ピエロ)がいることを隠し続けなくてはならなくなるなど、公私共に絶え間なく襲いかかる重圧に耐えかねていた時期だったのだと考えられます。
よって、映画で描かれるのは、フェラーリを率いて勝利を量産するエンツォ・フェラーリではなく、ひとりの打ちのめされた男としてのエンツォ・フェラーリということになり、マイケル・マン監督自身も「この映画は、視聴者にとって難解な視聴体験になるだろう」とも。
そしてこの「フェラーリ」は北米ではR指定になるといい、その理由は「レース中の事故の、あまりに生々しい描写」だとされています。
マイケル・マンは「史上最悪の事故」となった1955年のル・マン24時間レースでの事故を検証し、ミッレミリアでの死亡事故の目撃者にも話を聞くなどして劇中でのリアリティを高めるための情報を集めたそうですが、もちろんその経験がこの映画にも生かされており、結果としてそれが”血なまぐさい”表現へと繋がったようですね。
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今回、マイケル・マン監督からは「フェラーリ」について様々な情報が語られることとなっていて、これらの話を総合するに、「フォード VS フェラーリ」のように、単なるレースや自動車に関する映画ではなく、そこに関わる人々の苦悩や挫折といった側面に焦点が当てられることになりそうです。
エンツォ・フェラーリ自身、「フェラーリの工場は機械でできているが、フェラーリのクルマは人でできている」とも語っており、フェラーリを作ってきた「人」たちがどう描かれるのかにも期待したいところですね。
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参照:Variety