| メジャーメーカーがル・マン・レーサーを「量産」し販売した例はほかに記憶がない |
こういったことができるのは「フェラーリならでは」
さて、その年のフェラーリにおけるモータースポーツの総括の場、そして本国で行われる最大級のファンイベントが「フェラーリ・フィナーリ・モンディアーリ(Ferrari Finali Mondiali)」。
ここではフェラーリ・チャレンジの最終戦、ニューモデルの発表、レーシングカーやF1マシンのデモ走行、そして過去から現在に至るまでのアイコニックなモデルが展示されることになりますが、今回スーパーカー系ユーチューバー、Varryx氏が発表されたばかりの「499Pモディフィカータ」が走行する樣子を動画に収め、自身のYoutubeチャンネルへと公開しています。
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まさかこんなクルマを一般人向けに市販するとは
フェラーリ499Pは今年のル・マン24時間レースへと「50年ぶりに復帰し」みごと優勝を獲得したプロトタイプレーシングカー。
296GT3由来のV6エンジン、そしてSF90ストラダーレとの共通性を持つフロントアクスルを装備したハイブリッド4WDで、レースのためだけにゼロベースで設計された生粋のレーシングカーです。
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そしてフェラーリは50年ぶりの復帰、1965年以来の総合優勝をファンと分かち合うためにこの499Pに改良を施して「499Pモディフィカータ」として顧客向けに発売するわけですが、変更内容としては「運転しやすくする」のではなくむしろ「戦闘力を高める」方向で行われており、これはまさにフェラーリならでは。
メジャーメーカーがこういった「レーシングカーをほぼそのまま顧客に、かつ新規に一定の台数を製造して販売する」例は非常に珍しく、直近の例だとトヨタがTS050を「GRスーパースポーツ」として発売しようとしたことも(ただしこれは公道走行可能なクルマである)。
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フェラーリの顧客は「成熟」している
この499Pモディフィカータは完全なるサーキット走行専用モデルであり、上述の通り(一般人向けの)デチューンがなされないレーシングカーですが、「こんなクルマを一般人向けに販売しても大丈夫なのか・・・」と思ったりするものの、一般人といえども(499Pモディフィカータの購入権が与えられる)フェラーリの顧客は知識や経験が豊富であり、問題なくこのクルマを扱えるとフェラーリが判断したのだと思われます。
そう考えると、フェラーリの顧客、そしてフェラーリの判断ともに「恐るべし」ということになりますが、これこそそが「フェラーリらしさ」を物語る一つの事例なのかもしれません(そのブランドの成り立ち、顧客の性質、そしてフェラーリの顧客に対する向き合い方など、ほかの自動車メーカーでは見られないものが多い)。
ちなみにですが、この499Pモディフィカータを走行させる際の輸送や整備などは新たに立ち上げられる「スポーツ・プロトティピ・クリエンティ」が担当するといい、安心してオーナーがドライブに集中できる環境が整えられることになります(少し事情や環境は異なるが、運転の際に操作だけに集中できるように考えられているのはフェラーリのロードカーも同様である。レースにおけるレーシングドライバーの仕事を顧客に担当してもらいたいのだと思われる)。
こちらは実際にル・マン24時間レースを走った499Pで、ボディ上にイエローのライン(リバリー)が入ること、そしてスポンサーステッカーがあることが499Pとの識別点。
そしてこの499Pモディフィカータは(同時に発表された)296チャレンジとともにサーキットを走行し観客を湧かせています。
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参照:Varryx