映画「フェラーリ」にてエンツォを演じるアダム・ドライバーが映画祭にて愚かな質問に「ファックユー」と答える。そのシンプルさがまさにエンツォのようだとして話題に

｜　ある意味で「さすがはアカデミー賞ノミネート俳優」だとして高く評価される　｜

やはり俳優であれば「なりきり」も重要なのかもしれない

さて、アダム・ドライバー主演によるエンツォ・フェラーリの伝記映画「フェラーリ」の公開が迫っていますが、ポーランドのカメリマージュ映画祭でアダム・ドライバーに対して投げかけられた質問に対する答え方が「エンツォ・フェラーリそのものである」として話題に。

この質問とは「クラッシュシーンについてどう思いますか？あまりに派手で、私には安っぽく見えるのですが」というものです。

アダム・ドライバーは海兵隊を努めたという経歴を持っている

そしてこの質問に対してアダム・ドライバーが答えたのが「ファック・ユー。はい、次の質問」という簡潔な内容で、これについては（タイムパフォーマンスを重視する）海兵隊出身というアダム・ドライバーの経歴が関係しているのではと評されているとともに、「エンツォ・フェラーリになりきっている」という声も。

なお、エンツォ・フェラーリは自身のクルマや考え方について指摘や批判を受けると徹底的に相手を痛めつけることでも知られており、フェルッチォ・ランボルギーニが（フェラーリのクルマに関する）改善案を提案したところ、たったひとこと「お前はトラクターだけ作っとけ」と言い放ったことは有名な話。

つまりエンツォ・フェラーリは感情に任せて延々と怒鳴り散らすタイプではなく、冷静かつシンプルに残酷な言葉を放ち、そして取り付く島もないほどに相手を絶望の淵へと叩き落とすスタイルを持つ人物ということになりますが、まさに今回のアダム・ドライバーの対応はエンツォ・フェラーリそのものであると受け取ることも可能です。

ただ、この質問は視覚効果や演出に関するものであり、アダム・ドライバーの（映画に関する）役割はエンツォ・フェラーリを演じることであったため、この質問自体を「愚かで場違い」だと感じたのかもしれず、しかしそれでもこのやり取りはなかなかに面白い、と思います。

When someone in the audience says the crash scenes in Ferrari “looked pretty harsh, drastic and I must say cheesy for me” and asked Adam what he thought pic.twitter.com/mXaF1LlTuf

— Adam Driver Central (@adamdrivercentl) November 12, 2023

フェラーリの「クラッシュ」シーンとは？

なお、映画には複数のクラッシュシーンがあるものと思われ、この映画の舞台、そしてすでにアナウンスされている内容を鑑みるに、この質問は1957年の（過酷なレースとして知られる）ミッレミリアでの事故を指している可能性が大。

この事故ではフェラーリのドライバー、アルフォンソ・デ・ポルタゴ侯爵とコ・ドライバーのエドモンド・ネルソンが事故で死亡したうえ数人の観客の命も奪われ、これが直接の引き金となってミッレミリアはこの年をもって開催が中止され、30年の歴史に幕を閉じています（その後ミッレミリアはツーリングイベント、そして展示イベント的な性格へと変化し開催されている）。

なお、この事故においてエンツォ・フェラーリは観客死亡事故の責任を問われて起訴されており、かつ前年には最愛の息子であるアルフレードを失うなど「失意の時代」を過ごすこととなっていて、映画ではこの時期のエンツォ・フェラーリの苦悩に焦点が当てられる、と説明がなされています。

映画「フェラーリ」予告動画はこちら

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参照：Variety , Adam Driver Central(X)