Image:Ferrari
| フェラーリは「非常に高いレベルの要望がある」としているものの、おそらくは限られた顧客しか選択が許されないものと思われる |
ただし今後は他のモデルにも採用が拡大されるものと思われる
さて、フェラーリが「ヴィジブル(エクスポーズド)カーボンボディ」を持つデイトナSP3を一挙3台公開。
この「織り目が見える」カーボンボディはブガッティ、ランボルギーニ、ケーニグセグなど一部のブランドが積極的に取り入れているものの、フェラーリではかなり珍しい部類かと思います。
もちろんフェラーリはカーボンファイバーに対して深い知見を持ち、積極的に(パーツとして)これを取り入れるものの、この「ヴィジブル」カーボンをボディ全体に渡ってこれを採用することは稀であり、そして今回その仕様に焦点を当てたコンテンツを公開しているわけですね。
フェラーリの「テーラーメイド」にてこのヴィジブルカーボンを選択可能
フェラーリによると、このヴィジブルカーボン仕様はテーラーメイドを通じて選択が可能になるといい、その際に「カルボーニオ・ア・ヴィスタ」プログラムを指定するとこの仕様を再現できるのだそう。
ただしテーラーメイドを活用できる顧客は一握りのみで、その中でもこの「カルボーニオ・ア・ヴィスタ」を指定できるのはさらに「限られた」VIP顧客のみだと思われます。
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そしてこのカルボーニオ・ア・ヴィスタの目的は「色を付与する」のではなく「減らす」ことにあるといい、よってフィニッシュに用いられるのは必要最小限のクリアのみ。
ただしブガッティが過去に公開したように、ヴィジブルカーボン仕上げとするには「カーボンファイバーの織り目を揃えなければならず」、よってこのヴィジブルカーボン仕上げはむしろカラーペイントよりも大きな手間がかかるとされ、よってこのオプション価格は(メーカーによって違いはあるものの)おおよそ4000万円は必要になるという話もあるようですね(このカルボーニオ・ア・ヴィスタのコストは不明である)。
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実際のところ、フェラーリも「工程が単純化されるわけではない」と述べていて、もともとカーボンファイバーにて構成されるデイトナSP3のボディパネルを「再構築」する必要があったといい、つまりは織り目の向きをパネルごとに合わせたり、どうしても避けることができない「生地の継ぎ目」に関してはトーン・オン・トーンの塗装にてそれをカバーしたり(つまりはブラックのグラデーションなどを薄くわからないようにペイントするのだと思われる)といった解決策も用いられています。
なお、今回のデイトナSP3については「カーボンファイバーの向きを合わせてただ単にクリアペイントを施しただけ」ではなく、ドアにはハンドペイントにてフェラーリのロゴを入れたりといった美観を向上させるための仕様が追加されており、クルマのラインを引き立てること、洗練された芸術性を演出するということについても考えられているようですね。
参考までに、「(なんらかのカラーで)ペイントしない」というのは軽量化に対するひとつのソリューションであり、たとえば過去にメルセデス・ベンツが自社のレーシングカーの塗装を剥ぎ落として軽量化を図ったことはよく知られている事実ですね(そのため、ボディが金属むき出しとなり、シルバーアローと呼ばれるようになったも言われる)。
フェラーリだとオプションのカーボンホイールを「軽量化のため」ペイントしてないことでも知られていますが、このカルボーニオ・ア・ヴィスタについてもやはり軽量化が達成される、と説明されています。
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フェラーリはさらなる「究極の」仕上げを持つカルボーニオ・ア・ヴィスタも用意
フェラーリによれば、さらに美しさを強調するカルボーニオ・ア・ヴィスタのための追加オプションがあるとのことで、それな宝石や貴金属にちなんだ「ザフィーロ、ルビーノ、オロ、アメジスタ」などのカラーカーボン。
これはカーボンの織り目を活かしながらも微妙な色味を加えるもので、いっそうゴージャスな雰囲気を演出することになるものと思われますが、残念なのはカルボーニオ・ア・ヴィスタ(エクスポーズド・カーボン・パーソナライゼーション)そのものがデイトナSP3にしか適用されず、他のモデルでは選べないという事実。
おそらくは今後他のモデルにも対象が拡大するものと思われますが、当面の間、この素晴らしい仕様はデイトナSP3オーナーの「特権」ということになりそうですね。
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参照:Ferrari