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フェラーリ 12チリンドリのレビュー続々。全体そして細部のデザインには機能や歴史的背景、未来への方向性など様々な意味が込められている【動画】

フェラーリ 12チリンドリのレビュー続々。全体そして細部のデザインには機能や歴史的背景、未来への方向性など様々な意味が込められている【動画】

| 12チリンドリはあらゆる意味で「史上最高のフェラーリ」と言えるかもしれない |

もし購入権がもらえるならば破産覚悟で注文したいと思わせる魅力を持っている

さて、フェラーリが衝撃の12チリンドリを発表して数日が経過していますが、独占取材を許された各カーメディアによる動画レビューが次々公開されています。

それにしてもこの12チリンドリは見れば見るほど「フェラーリファンの望むものをすべて持っている」という印象で、たとえばフロントフードはかつてのフェラーリのように「逆開き」(近年の量産フェラーリではプロサングエに次ぐ採用である)。

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フェラーリ12チリンドリはこんなディティールを持っている

そしてデザイン上の一つのハイライトは365GTB/4”デイトナ”風のフロントデザイン。

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こちらは365GTB/4デイトナ。

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ただし12チリンドリではフロントフェンダー形状が「マッスル」な盛り上がり方をしていて(1950年代後半〜1960年代にかけてのフェラーリのレーシングカー、たとえば250テスタロッサや330Pなどを意識したのだと思われる)、さらにクラムシェルフードの採用など365GTB/4 デイトナとの相違もあり、このあたりがフェラーリのチーフデザイナー、フラビオ・マンゾーニし「12チリンドリはデイトナの復活ではない」とコメントした意図を示唆しているのかも。

一方、フード上の2つのダクトは365GTB/4へのオマージュなんじゃないかとも考えています。

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ちなみにフロントフードの後ろ(ウインドウ側)にはブラックのパーツが見えますが、これはおそらく812コンペティツォーネにて採用されたエアロブレード同様、フロントフードが冗長にならないよう「コンパクトに」見せる効果を狙ったのだと推測。

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そして構造上注目に値するのは、この「突出した」LEDデイタイムランニングランプ。

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これはおそらく365BTB/4の「クロームバンパー」をイメージすると同時に、フェラーリ・ヴィジョン・グランツーリスモにて採用されていたブレード状のランプを代言したかったんじゃないかと考えています。

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なお、フラビオ・マンゾーニ氏は長い時間をかけてでも自身の考案したディティールを市販車に取り入れる傾向があり、過去にはコンセプトカー「テンソ」に採用したフロントフード上のエアチャンネルをプロサングエにて再現したり、自身がフェラーリのチーフデザイナー就任の際に発表した「フェラーリの宇宙船」に見られたハンマーヘッドを最近の市販車に用いるといった例も。

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そして興味深いのはこのサイドの処理で、フェラーリにしては非常に珍しい「装飾」ということになりそうですが、これは1960−70年代のフロントエンジンフェラーリ(レーシングカー、市販車とも)に用いられていたサイドギル及びその周辺のクロームトリムを再現しているのかも。

なお、当時風の「3本スリット」ではないことについて、「現代のフェラーリでは、3本スリットは(250GTO、288GTOの流れを意識して)スペチアーレにしか許されない」という解釈がを行っていると推測されることに起因しているのかもしれません(例外あり)。

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そしてもうひとつの役割としては、デイタイムランニングランプから連なる「水平ライン」を強調したかったということで、このエア抜き用ダクトの上下を挟んだプレスラインがボディサイドに与えられていることからもその意図を汲み取れます。

なお、この「水平ライン」はピニンファリーナ時代には存在せず、しかしフラビオ・マンゾーニ氏時代になってから取り入れられたものだと認識しており、F8トリブート / F8スパイダー、296GTB / 296GTS、もちろんヴィジョン・グランツーリスモにも見られる意匠ですね(一方、SF90ストラダーレ / SF90スパイダー、ローマ / ローマ・スパイダーのようにこのラインが入らないモデルも存在する)。

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ただしそれでも、この水平ラインが「2本」入っているのは今のところ12チリンドリが「初」かもしれません。

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なお、「パンチング」に見えたグリル類については「網」を継続しているようで、ここまでフェラーリが網にこだわるのであれば、フェラリスタとしてはもう「それはフェラーリの矜持である」として支持するしかないのかもしれません。

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加えて注目すべきはホイールデザインが近代的に進化したこと(フェラーリはリアのブレーキキャリパーに”パーキングブレーキ組み込み型”を採用することが多いが、12チリンドリでは別体式)。※このホイールはオプション扱い

なお、オプションのチタンボルトは(公式サイトではデザインが変更されたように見えたものの)従来通りの仕様を持つようですね。

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こちらは標準仕様のホイールとノーマルのホイールボルト。

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そして12チリンドリの注目すべき点はまだまだ多く、リアセクションだとまずはこの「デルタウイング」。

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ちなみにこの「デルタ」もまたフラビオ・マンゾーニ氏のこだわるディティールだと見え、構造は異なるものの、SF90ストラダーレにも見られるモチーフです。

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リアセクションの造形はスムーズかつ滑らか、そしてリアスポイラーやテールランプはリアハッチやブレードにインテグレートされ、各パーツがシームレスに融合しているうえ、一つのパーツに複数の役割が与えられているように思いますが、これがフラビオ・マンゾーニ氏のいう「引き算のデザイン」なのかもしれませんね。

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しかしフェラーリであるからには機能に最大限の注意が払われており、リアには「内側にエアチャンネルを設けた」新型ディフューザー。

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テールパイプ形状も新しく、もしかするとこの中には先日出願された特許構造が仕込まれているのかもしれません(この形状にも当然ながら意味がありそうだ)。

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リアハッチを開くとこう。

動画を見る限りでは「ハッチバック」というよりはリアバルクヘッドを設けた「3ボックス」なのかもしれません。

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トランクフード内側には装着したオプションが刻まれたプレートが装着され、この車両の場合は「長いリスト」が連なります。

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フェラーリ12チリンドリのインテリアはまさにエレガントとテクノロジーの融合である

そしてインテリアには数々のテクノロジーが投入され、3つの大きなディスプレイが組み込まれていますが、サムスンやクアルコムとの提携を強めているあたり、今後もこの路線が強化されることは間違いなさそう。

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センターコンソールはプロサングエにも通じるスタイルを持ち、ギアポジションのセレクターは航空機のスロットルレバーにヒントを得たデザインを持っています。

内外装ともデザインコンシャスでありながら、それぞれのデザインに(機能や歴史的背景、未来への方向性など)様々な意味が込められているのがこの12チリンドリということになりそうですね。

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フェラーリ12チリンドリ / 12チリンドリ・スパイダーのレビュー動画はこちら

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