| フェラーリ・プロサングエは思っていたよりもずっと「フェラーリらしい」クルマだった |
これはもうライバルと比較されるレベルをはるかに超えている
さて、韓国にて開催されたイベント、「ウニベルソ・フェラーリ」にてはじめてフェラーリ・プロサングエを見てきたので、その様子を紹介したいと思います。
なお、このイベントのメインはローマ・スパイダーであったのですが、会場に展示されていた二十数台のフェラーリの中で最も人気が高かったのがこのプロサングエ。
来場者は「憧れの対象」ではなく「実際に購入する対象」として細部をチェックしてたのが印象的です。
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フェラーリ・プロサングエはこんなクルマ
このフェラーリ・プロサングエはいうまでもなく「フェラーリ初のSUVであり4枚ドアのクルマ」。
ただしそこにまったく所帯臭さはまったくなく、印象としては「コンセプトカーがそのまま降臨した」というものです。
車体には平面そして直線がほとんどないといった印象で、フェラーリが元来持つ優雅なボディラインを見事に蘇らせたといった印象を受けます。
さらにヘッドライト(正確にはデイタイムランニングランプ)はLEDバーを採用するという未来感。
このあたりは「フェラーリ・ヴィジョン・グランツーリスモ」にも通じる部分ですね。
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そしてフロントフードにはエアが抜ける「エアチャンネル」。
これはフェラーリの現チーフデザイナー、フラビオ・マンツォーニ氏が好んで用いる手法であり、同氏がデザインしたコンセプトカー「テンソ」にも採用されています。
フロントフェンダーは二重構造を持っていて、オーバーフェンダーに該当する部分は「一旦ボディ内側に入ってから出る」という複雑な構造。
このあたりは通常の市販車では「コストがかかりすぎて」実現が難しいところだと思われ、しかしフェラーリは「初のSUV」を発売するに際し、あえてお金のかかる手法(つまりほかがやらない方法)を採用し、差別化と同時に”(本来の)フェラーリらしさ”を演出したものと思われます。
そしてこのフロントフードのうねりはローマにも通じるものがあり・・・。
フロントもローマに近く、フェラーリの「ライフスタイル系」はこういったデザインを共通して採用してゆくのかもしれません。
そしてフロントのプランシグホース(跳ね馬)はこれまたナンバープレートにて隠れる位置。
フェラーリの多くはこの位置に跳ね馬を持っていますが、ナンバープレートのためにこれを移動することは「フェラーリの美意識が許さない」のでしょうね。
そして後部ドアの「観音開き」もまた他社のSUVとは全く異なるところ。
そしてフロントフードはクラムシェル採用、そして前にガバっと開く構造。
こうやってみると、プロサングエは何から何まで特別であり、それはむしろ「他社との差別化」というよりは、他社と比較されないように”ぶっちぎりの”差別化要素を取り込んだためと言えるかもしれません。
もちろんこの「V12エンジン」採用も他と比較されない領域にまでプロサングエを高めるための戦略なのかもしれませんね。
フェラーリ・プロサングエのインテリアはこうなっている
そしてこちらはフェラーリ・プロサングエのインテリア。
現在のフェラーリと共通する部分もあり、しかし共通するのは「考え方」であって、使用されるパーツの多くは「プロサングエ専用」となっているようですね。
この「デュアルコクピット」も他のフェラーリ同様ですが、プロサングエの場合はさらにそのコンセプトが進化しているように感じます。
この航空機のスロットルレバーモチーフのパーツは(他モデル同様の意匠ではあるものの)プロサングエ専用のフィニッシュを持っていて、他のフェラーリ(SF90ストラダーレやローマ、296GTB)に比較して高級感があります。
後部座席は「完全に独立」。
後ろに座って前を見るとこう。
細部は非常に複雑で・・・。
高級感のある作りを持っています。
全体的な印象としては、その芸術性や高級さ、細部の作りから見て、ランボルギーニ・ウルスやポルシェ・カイエン、ベントレー・ベンテイガといった他社SUVよりも一つ抜けており、ロールス・ロイス・カリナンあたりが競合になるかもしれませんね(ただ、その価格帯のクルマを購入する人であれば、どちらかを買うのではなく、両方買うものと思われる)。
そしてプロサングエの持つデザイン、構造、フィニッシュは完全に市販車のレベル(プレミアムカーメーカーのレベルでさえ)を超えているというのが偽らざる印象です。
他の画像はFacebookページのアルバム「フェラーリ・プロサングエ |Ferrari Purosangue」に公開中。
ウニベルソ・フェラーリ(Universo Ferrari)を訪問してきた際の動画はこちら
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