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フェラーリが次世代バッテリー研究で学術界と連携。「E-Cells Symposium 2026」で語られた電動化戦略の最前線とは

フェラーリ296GTBのメーター
Life in the FAST LANE.

| フェラーリは電動化に向けた歩みを緩めない |

サプライヤーからではなく自身でのエレクトリック門ポー年と製造にこだわる

跳ね馬のバッジを掲げるフェラーリが「次世代スーパースポーツカーの核心技術となるバッテリーイノベーション」で大きな一歩を踏み出したというニュース。

2026年9月21日、フェラーリはイタリアの名門・ボローニャ大学(Alma Mater Studiorum – Università di Bologna)で開催された国際シンポジウム「E-Cells Symposium 2026: From Research to Industry」に参加したとアナウンスし、ここでは学術界および産業界の世界的なエキスパートが一堂に会してバッテリー化学、セル構造、半固体・全固体電池技術、そしてエレクトロニクス制御の未来について熱い議論が交わされることとなったもよう。

ここでフェラーリが目指す電動化の行方、そして産学連携がもたらす技術革新のインパクトについて考えてみましょう。

この記事の要約

  • フェラーリがボローニャ大学で開催された国際シンポジウム「E-Cells Symposium 2026: From Research to Industry」に産学連携パートナーとして参加
  • 2024年にボローニャ大学およびNXPと共同開発・設立した「E-Cells Lab」の成果と節目を祝うとともに、材料科学からセル生産、バッテリー制御エレクトロニクスまで幅広い最新動向を共有
  • CEOのベネデット・ヴィーニャ氏は、「イノベーションは孤立して起こるものではない」と語り、学術界および産業界の最優秀な人材と協働する重要性を強調
フェラーリの本社(ファクトリーツアー)
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E-Cells Symposium 2026と「E-Cells Lab」の概要

今回のシンポジウムは、ボローニャ大学のカーティア・アルビッツァーニ(Catia Arbizzani)教授と半導体大手NXPのヴェンツェル・プロハスカ(Wenzel Prochazka)氏がモデレーターを務め、フェラーリからはベネデット・ヴィーニャ(Benedetto Vigna)CEOと、最高研究開発責任者(R&D)のエエルネスト・ラサランドラ(Ernesto Lasalandra)氏が揃って出席することに。

また、本イベントは2024年にボローニャ大学、フェラーリ、NXPの3者によって立ち上げられた共同研究拠点「E-Cells Lab」の重要な節目を提示するものとなっています。

「E-Cells Lab」プロジェクトの基本骨格

  • 設立メンバー: ボローニャ大学(Alma Mater)、フェラーリ(Ferrari)、NXPセミコンダクターズ
  • 設立年: 2024年(5年間の共同研究アグリーメント推進中)
  • 研究拠点: ボローニャ大学ボドニアーナ・キャンパス内
  • 主な研究テーマ: リチウムイオンセル、半固体電池(SSB)、全固体電池(ASSB)の材料合成・解析・キャラクタリゼーション、高速充電制御および安全性の向上

シンポジウムの登壇者・発表内容・技術セッション

シンポジウムは「化学研究」「セル生産」「エレクトロニクス」の3つのセッションで構成され、素材レベルからシステム制御に至るバッテリーバリューチェーン全体が網羅されており・・・。

フェラーリの展示(フェラーリ博物館にて)
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各セッションの主要登壇者と主なトピック

セッション分野主な登壇者・所属機関主な討議内容・テーマ
化学研究 (Chemistry Research)・マルティン・ヴィンター教授(ミュンスター大学 / MEET創設者)
・シャーリー・メン教授(シカゴ大学プリツカー校)
・カリム・ザギブ教授(コンコルディア大学)
次世代電気化学、先進リチウムイオンセル材料、固体電解質と電極界面の安定化技術
セル生産 (Cell Production)・ジウ・アン氏(Samsung SDI R&D Europe 代表)
・ミン・スー氏(Wanxiang 123 Systems 技術副社長)
半固体・全固体電池の量産化に向けた展望、次世代電池セルの市場投入課題と生産プロセス
エレクトロニクス (Electronics)・フィリップ・ウェルツ氏(Munich Electrification)
・ウゴ・ソルジェ氏(FAAM)
・フランチェスコ・モンティCEO(Podium Advanced Technologies)
・エリック・ファン氏(Sunwoda)
BMS(バッテリーマネジメントシステム)の先進センシング技術、充放電サイクル管理、制御用電子回路設計
フェラーリKC23のホイール
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スーパーカー市場におけるフェラーリの電動化戦略

自動車業界における電動化の流れに対し、超高性能スポーツカーブランド各社はそれぞれ異なるアプローチをとっていますが、フェラーリの独自性を競合比較を通じて整理してみると以下のようなイメージかと思います。

比較軸一般的な大手EVメーカー / 新興EVブランド競合スーパーカーブランド (ランボルギーニ、ポルシェ等)フェラーリ (Ferrari) のアプローチ
電池調達・開発バッテリーサプライヤーからの汎用・標準品調達親会社グループ(VW等)とのプラットフォーム共有大学・半導体メーカーと独自ラボ(E-Cells Lab)を自前で運営
コア技術の範囲車両組み上げと制御ソフト開発に注力PHEV / EV用モジュールのチューニングセル化学、半固体・全固体電池の基礎研究からサプライチェーンと対話
技術思想航続距離とコスト効率の最大化ハイブリッド化と軽量化のバランス「技術的中立性」を掲げ、内燃機関・PHEV・フルEVを並行進化

フェラーリが電池セルそのものの化学組成や電子制御の基礎研究に深く関与する目的は、「サプライヤーと共通の技術言語を確立すること」にあり、自社でセルの特性を深く理解しておくことでサプライヤーに対してフェラーリ固有の要求スペック(超軽量・高出力・高安全・急速充電)を正確にフィードバックし、唯一無二の電動スーパーカーを生み出す基盤を構築することが可能となるわけですね。

そしてこういった姿勢が(先日発表されたように)フェラーリの電動化車両を未来の長きにわたり存続させることを可能とし、これが「サプライヤーに電動化コンポーネントの設計や供給を頼りっきり」になっている多くの競合他社とは異なるところです。

フェラーリのエンブレム(フェラーリ博物館にて)
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フェラーリのキー
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CEOベネデット・ヴィーニャ氏が学生に伝えたメッセージ

イベントの締めくくりにおいて、フェラーリCEOのベネデット・ヴィーニャ氏は会場に集まった学生や若手研究者に向けて強いメッセージを贈っており・・・。

「イノベーションは孤立した環境(アイソレーション)では決して起こり得ません。フェラーリのすべての活動の中心には常に研究開発(R&D)がありますが、今回のシンポジウムのような機会は、技術的進歩が学術界と産業界における『最も優秀な頭脳たち』との密接な連携によってのみ成し遂げられるという事実を改めて思い出させてくれます。」

自社閉鎖的なR&D(インハウス開発)にとどまらず、伝統ある大学の基礎研究力、そしてNXPをはじめとする半導体リーダーのエレクトロニクス技術を結集させるオープンイノベーションこそが電動化時代においても跳ね馬の「圧倒的な走りの歓び」を維持・発展させる鍵であることを象徴している、ということになりそうですね。

イタリアのフェラーリ本社
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結論

「E-Cells Symposium 2026」はフェラーリが単に他社製の電動パーツを組み合わせて車両を組み立てるのではなく、最先端の電池化学や制御ロジックの領域からイノベーションを主導し、自らエレクトリックコンポーネントを設計・製造し、それによって業界をリードするという姿勢を強く印象付けるもの。

ボローニャ大学やNXPとの「E-Cells Lab」を通じた共同研究成果は将来のフェラーリ製電動ハイパーカーやPHEVモデルのパフォーマンス向上、さらには全固体電池(ASSB)の実用化に向けて着実に結実しつつあると考えてよく、技術の限界に挑み続けるマラネッロの次世代電動化プロダクトに対しては今後も世界中から大きな注目が集まることは間違いないものと思われます。

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参照:Ferrari

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