一方でウラカンEVOの軽量モデルはない
ランボルギーニの開発部門責任者、マウリッツォ・レッジャーニ氏がカーメディアに語ったところによると、「ウラカンEVOの軽量版はない」とのこと。
つまりガヤルド時代にあった「スーパーレッジェーラ」的なモデルはないということですが、それに加えて「さらなるハイパワー版もない」と語っています。
その理由としては、これ以上のパワーアップを行うと「ユーロ7」にて定められる排ガス規制をクリアできないからで、マウリッツォ・レッジャーニ氏いわく「我々が考えなければならないのは、パワーアップではなく、どうやってパワーを落とさずに規制をクリアするかだ」。
加えて、このままだと規制をクリアするための装置を装着すれば「パワーダウン」を余儀なくされ、”パワーアップどころじゃない”というのが実情のようですね。
なお、同様の理由にて「欧州仕様のみ」パワーダウンしているクルマもあり(ポルシェ・マカンも同様)、この規制は相当に奥州の自動車メーカーを苦しめることになりそうです。
ウラカンEVOはウラカン・ペルフォルマンテよりも速い?
そして興味深いのはマウリッツォ・レッジャーニ氏が「ウラカンEVOは、ナルド・サーキットだとウラカン・ペルフォルマンテよりも速い」と語っていること。
これはまずウラカンEVOで導入された「リアホイールステアリング」、そして車両制御システム「LDVI=Lamborghini Dinamica Veicolo Integrata」が大きく貢献しており、このLDVIはトルクベクタリングとトラクションコントロールを合わせたようなもので、走行状況に応じて駆動力をアクティブに4輪へと分配できることが特徴。
このシステムはかなりな優れもののようで、「スピンすることがなく」、そしてフロントへとより大きなトルクを振り分けることでコーナリングスピードを最大化できるようですね。
なお、「ウラカン」においてもトルクベクタリング4WDを採用していますが、3つあるドライブモードのうち、最もサーキットにフォーカスした「コルサ」では最大で50%のトルクをフロントへと分配するようで(他のモードよりも大きい数字)、ランボルギーニは「速く走るためにはフロントの駆動力が不可欠」だと考えているようですね(逆に、その下の”スポーツ”モードだと後輪寄りのトルク配分となり、ドリフト許容の設定になる)。
ウラカン・ペルフォルマンテ後継はより高いパフォーマンスを獲得
なお、この「ウラカン・ペルフォルマンテよりもウラカンEVOのほうが速い」ということについて、以前にランボルギーニは「後発のモデルのほうが速いのは自然なこと」だとしており、後発モデルが先発モデルを「高いグレード、上位モデルであっても」超えるのは問題ない、という見解を示しています。
さらにマウリッツォ・レッジャーニ氏は「ウラカンEVOの後輪ステアリングとLDVIをウラカン・ペルフォルマンテに装備すればさらに速くなる」とも語っていて、ウラカン・ペルフォルマンテ後継モデルはこれらを得ることで「さらなる高み」へと到達するのは間違いなさそうですね。