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わずか2台のみが製造され、数十年の間行方不明となっていた「ランボルギーニ カウンタック ターボ」。数年前に発見され今回再び売りに出されることに

わずか2台のみが製造され、数十年の間行方不明となっていた「ランボルギーニ カウンタック ターボ」。数年前に発見され今回再び売りに出されることに

Image:We Are Curated(Youtube)

| このカウンタック ターボを製造したのは当時のケーニッヒのエンジニア |

さらに「ターボ」は珍しい時代でもあった

さて、世界に2台のみが存在すると言われる「ランボルギーニ カウンタック ターボ」。

このカウンタック ターボはスイスのランボルギーニディストリビューターであるマックス・ボブナー氏の要望によって2台が製造され、その理由は「同氏がパワフルなカウンタックを欲しがっていたから」。

もともとカウンタックは十分にパワフルではあるものの、スイスという空気の薄い、そして傾斜のきつい山岳地帯においては(ノーマルの)カウンタックのエンジンとパワーでは不足があったのかもしれません。

ランボルギーニ カウンタック ターボはこういった歴史を持っている

そこでマックス・ボブナー氏はランボルギーニに「ターボチャージャーの装着」を依頼するも断られ、よって自ら手を加えることに決め、フランツ・アルバートなる人物のの助けを借りることに。

フランツ・アルバート氏は、当時カスタムカーを手がけていたケーニッヒ・スペシャルズ社のエンジニアの一人でもあり、当時ケーニッヒは航空機エンジン用のターボチャージャーを組み込んだ620馬力のフェラーリ512BBを作ったことでも知られています。※その時代、ターボはまだ新しい技術で、ほとんどがモータースポーツのみ使用されていた

このカウンタックターボがどれくらいの馬力を持っていたかは正確には不明ですが、航空機用のターボチャージャー2基とインタークーラーを組み合わせたことで、おそらく工場出荷時のパワーの倍、700馬力程度に達したと考えられています。※当時これだけの出力を発生させるクルマはほかになく、そしてカウンタックにはドライバーズアシストが存在しないことを考慮すると、事故によって失われず生き残っていたこと自体が奇跡である

さらにこの改造はかなり本格的なもので、「Turbo」とフランツ・アルバート氏のロゴが前面に入ったカムカバーが新たに作られ、フロントウインドウ、サイドステップ、リアなどにも「TURBO」ロゴが付与されることに。

その数年後、2台目のカウンタックターボSが(ブラックのカウンタック LP500Sをベースに)作られ、この車は748馬力を発生したという記録が残ります。

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このカウンタック・ターボは長年「行方不明になっていた」と思われていたが

そしてこれらカウンタック・ターボのうち最初の(レッドの)個体はのちにネバダ州へと移され、カジノへと長年展示されていたものの、その後「行方不明になった」と認識されており、しかしこれを2019年に発見したのがエキゾチックカーハンター、ジョン・テメリアン氏。

同氏は夜な夜なネット上でこのクルマを探しており、しかしある日「インスタグラムにて、カウンタック25thアニバーサリーと一緒に写っているカウンタックターボ」を発見し、その撮影者に連絡を取って実車を確認し、ついにこのカウンタック ターボが「本物である」という確信に至ったわけですね。

その後8ヶ月の交渉を経てこのカウンタック ターボはエキゾチックカー販売会社「キュレイテッド」の手にわたり、そこで修復を受けたのちに110万ドルで販売され、そして今回はそのオーナーがこのクルマを手放すこととなったために「再び」キュレイテッドへと戻ってきたのだそう。

現在もこの見事なメタリックレッドの塗装そしてホワイトの内装が維持されており、幅がフロントが8.5Jから10.5Jへ、リアは12Jから14Jへと拡大されたホイール、「TURBO」文字が描かれたサイドステップも当時のまま。

加えて当時のままのエスコートレーダー探知機、オーディオボックス製のテープデッキも搭載されているといい、往年のスーパーカーを愛する人にとっては「たまらない」仕様かもしれません。

現在の走行距離は14,217km、販売価格は非公開です。

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参照:We Are Curated(Youtube),CARBUZZ

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