| 日産はフェアレディZ、GT-Rの価値を「非常に高く」評価しているようだ |
現在は資金的に苦しいかもしれないが、必ずや誰もが驚くスポーツカーとして復活してくれるものと信じている
さて、日本ではGT-Rの2022年モデルの受注が停止されていますが(2023年モデルが登場するかどうかはわからない)、欧州ではすでにR35世代のGT-Rの販売が騒音規制の関係にて、そしてオーストラリアでは側面衝突安全性の問題にて販売が終了されているという状態です。
つまり日産が誇る「ゴジラ」はその生息地がどんどん奪われている状態ということになり、しかし日産COO、アシュワニ・グプタ氏には「次世代GT-R」についてなんらかの考えがあるもよう。
まず、今回アシュワニ・グプタ氏がカーメディアに語ったのは「いつになるかは断言できないが、GT-Rは間違いなく、内燃機関を捨てることになる」という事実です。
GT-R、フェアレディZは「日産の文化」
ただし問題は「現在の日産が持つEV関連技術では、GT-Rのような高性能車に対応できず」、GT-RそしてフェアレディZといったつポーツカーにつき「現在、あらゆる角度からこれらのクルマの電動化に関するシミュレーションを行ったとしても、フェアレディZやGT-Rがそれらしくあるための定義付けを行えるだけの技術が見つかっていない」こと。
アシュワニ・グプタ氏が言うには、GT-RそしてフェアレディZは「日産の文化」であり、単に電動化するだけではなく、それぞれの歴史やキャラクターに見合った電動化でなくてはならない、という意味なのだと思われます。
つまり日産はGT-R、フェアレディZを「ネームバリューだけ」と捉えているのではなく、もう一歩踏み込んだところにまでその価値を見出していると考えてよく、これは非常にありがたいことであり、次世代もしくはその先の「電動化された」GT-R、フェアレディZについても期待ができるのかもしれません。
ちなみに同氏はフェアレディZとGT-Rを「美女と野獣」だと捉えており、お互いが重複せず、日産のラインアップの中では異なる役割を持つことにも言及しており、将来的にその位置づけが変わらない、とも。
そうなるとやはり次期GT-RはR35同様、圧倒的なパフォーマンスでバッタバッタとライバルをなぎ倒す「ゴジラ」であり続けるのかもしれません。
次期GT-Rはどんなクルマに?
そこで次期GT-Rについて「どんなクルマになるのか」ということですが、おそらく(相当数のアイデアがあるものの)日産の中では方向性や発売時期を決めかねているものと思われます。
ここ最近で次期GT-Rの話が聞かれ始めたのは2019年頃で、その頃にはGT-Rオーナーを対象にヒアリングが行われたといい、次期GT-Rに向けてなんらかの企画がスタートしたもよう。※この頃、新型GT-Rは2023年登場だとされていた
-
次期日産日産GT-Rの将来は不透明?GT-R開発責任者すら「どうなるかわからない」状況にて、まずはオーナーに対して調査を開始した模様
| モデルチェンジを行う、もしくは方向性を決めるには「今は時期が悪すぎ」る | これまでに何度と無く出ている、新型日産GT-R(R36?)のウワサ。ハイブリッドになる、エレクトリックになる、いやガソリ ...
続きを見る
ただその後、日産にてGT-Rチーフ・プロダクト・スペシャリスト田村宏志氏は「会社(日産)が動かないのでどうにもできない」という旨のコメントを発しており、日産が次期GT-Rに資金を投じることを渋っている、という様子も伺えます。
-
やはり次期日産GT-Rの発売は望み薄?開発責任者が「会社側が行動を起こさないので何もできない」という趣旨の発言
| 私はGT-Rというオーケストラの指揮者だが、オーケストラの奏者がいない | 日産はオーストラリアにて「GT-R 50thアニバーサリー・エディション」そして同じくフェアレディZの50周年記念モデル ...
続きを見る
さらにその後に出てきたのが「現行GT-Rのプラットフォームは、改良を続ければ2027年まで引っ張れる」という日産の見解であり、このあたりで次期GT-Rの開発計画はいったん凍結され、フルモデルチェンジではなくマイナーチェンジにて現行モデルの延命を図ることとしたのかもしれません。
なお、この時点では「今のペースほど電動化が速く進む」とは(日産が)捉えておらず、「現行モデルをもうちょっと引っ張れる」と考えていたものの、そこから急速に環境や安全性に対する規制が強化されたために上述のように「販売終了」となる国や地域が相次ぐ状況へと追い込まれたという可能性がありそうです。
-
次期GT-R(R36)は2027年まで登場しないだろうという報道。日産「現行GT-Rのプラットフォームは20年改良なしでも通用する」
| 様々な情報を総合的に考えると、どうやら本当にそうなりそうだ | 日産R35GT-Rは2007年に登場しており、すでに齢12年を数えますが、ここ最近、チョコチョコとモデルチェンジのウワサが聞こえてく ...
続きを見る
こういった状況になってしまったとしても、いったん次期GT-Rの当面の開発計画を(おそらく)キャンセルしたために次期GT-Rの開発にすぐにかかれるわけではなく、よって「ひとまずはフェアレディZのみでハイパフォーマンスラインアップをカバーせねばならない」というのが当面の事情なのかもしれませんね。
次期GT-Rがひとまずハイブリッドとなり「内燃機関を捨てるまで」ワンクッションを挟むのか、それともいきなりピュアエレクトリックへと飛躍するのかはわかりませんが、続報を待ちたいと思います。
あわせて読みたい、日産GT-R関連投稿
-
日産CEO、デザイナーが次期GT-Rについて語る!「新型GT-Rは妥協のないプロ仕様のクルマ」「デザインはR35に似ており、しかしもっとレンガっぽくなる」
| R35 GT-Rでもっとも評価すべきは、欧州スーパーカーに「寄せなかった」デザインだと思う | 発言内容を見るに、おおよそどんなクルマになるかは方向性が決まってきているようだ さて、これまでにもフ ...
続きを見る
-
次期日産GT-Rはどんなクルマに?GT-Rはいつの世もスポーツカー界にパラダイムシフトを起こさせてきた存在であり、次期モデルもそうあるべきだと思う
| ほかの自動車メーカーが「そんなバカな」というほどのクルマでなければ、それはGT-Rではない | やはりこれからの開発となると「ピュアエレクトリック」しかないだろう さて、日産は先日2022年モデル ...
続きを見る
参照:TopGear