| 少し前であればこういったカスタムカーにはほぼ「値がつかない」のが常識だったが |
それにしてもここまでやってしまうのはさすがに「アメリカ」
さて、メカム・オークションにて「フェアレディZ(1971年型ダットサン240Z)のオープンバージョン」が出品され、最高で70,000ドル(現在の為替レートにて1020万円)で落札されるのでは、というエスティメイトが出されることに。
このフェアレディZは2つのショップを経てカスタムされており、まずオーナーは南カリフォルニアにあるZサービスセンターへとこのクルマを持ち込んで「オープンカー」へとコンバートしていますが、その直後に北カリフォルニアのスカラベ・インダストリーズが「フェアレディZのV8エンジンへのスワップを行っている」ことを知るにつけ、同ショップに依頼してV8エンジンへと換装することになった、と紹介されています。
シボレー製V8エンジンが発生するのは665馬力
なお、この初代フェアレディZ(S30)にはオープンモデルが存在せず、よってこれまでにもいくつかの(オープン大好きなアメリカの)サードパーティーによる「オープンコンバージョン」が存在するものの、それでもオープン化したうえでエンジンスワップを行う例は極めて稀かもしれません。
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スワップされたのはシボレー製のLSX V8(クレートエンジン)で、排気量は7.4リッター、出力は665馬力という途方もない性能を誇ります(トランスミッションはトレメック製の6速マニュアル、駆動輪は後輪のみ)。
元々の排気量(2.4リッター)からの大幅パワーアップを施すばかりではなく、重量増加、そしてその割にオープン化による剛性低下が懸念されるというカスタムではありますが、もちろん車体は入念に補強され、そのパワーを吸収できるよう、ごらんのとおりのワイドボディへ。
そしてちょっと面白いのは、ワイドボディ化されただけではなく、それにあわせて各部が調整されていることで、フロントバンパーもオリジナルデザインへと改められていることがわかります。
ドアミラーは砲弾型へと変更され、ドアハンドルはスムージングにて埋められるなど90年代っぽいカスタム要素も。
さらにはルーフをカットしただけではなくフロントウインドウもチョップされており(ルームミラーの位置が秀逸)、全体的にホットロッド的な雰囲気すら感じさせるようでもありますね。
ホイールはHRE製の3ピース(ディスクはポリッシュ)、テールパイプは片側デュアルかつ合計4本出しといった現代的なディティールも。
そのほか、ウィルウッド製のブレーキキャリパー&ディスク、オリジナルのサスペンションやディフューザーなど、数々のカスタムがなされていることも紹介されています。
フェアレディZ カスタム・ロードスターのインテリアはこうなっている
そしてこのフェアレディZ カスタム・ロードスターのインテリアもなかなかに興味深く、張り材はブラックとベージュとのコンビ、そしてステアリングホイールとシフトノブはウッド製。
シート後方には補強のためのバーが装着され、その下には小物入れが設けられているようにも見えます。
なお、メーターはすべて入れ替えられており、クロームのリングに加え、(見えにくいのですが)オドメーターなどはデジタル表示へ(当然、240Zが現役だった時代にはデジタル表示など存在しない)。
ステアリングホイールのセンターやシフトノブには「Z」。
そしてペダルもまた「Z」。
全体的に見て、クルマを愛する人、そしてフェアレディZを愛する人が作ったクルマということがよく分かる一台であり、だからこそ、これだけ高額な予想落札価格が示されているのかもしれません。
ひと頃は「改造車」というと値段がつかないシロモノではありましたが、近年では情熱を込めて改造したクルマであれば比較的高値で売れることもあり、改造車やカスタムカーに対する世間の反応も少し変わってきたようにも思います。
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