| KWはちょっと高価だが、そのパフォーマンスは非常に優れる |
つい先日、新型スープラ用としてミルテックやアクラポヴィッチのエキゾーストシステムが公開されていますが、今回は「KWのサスペンションキット」が登場。
KW(カーベー)は国産車チューニング市場ではあまり聞き慣れない名ではあるものの、欧州車のチューニング/カスタム、そしてレーシングカーには欠かせない存在。
モータースポーツにおいても、ニュルブルクリンク24時間の優勝車の多くに装着されるなど、その高い技術力と性能が証明されています。
KWの設立自体は1995年とかなり若く、設立当時はわずか3名の従業員しかいなかったものの、現在では300名を超える従業員そして5つの拠点を持つに至っており、このあたりのサクセスストーリーは「アクラポヴィッチ」と通じるところもありますね。
なお、KWのサスペンションキットはこういった「パープルとイエロー」という視覚的に一瞬で判断できる外観を持つことが特徴。
メルセデス・ベンツやアウディ、BMWといったメジャーメーカーから、ランボルギーニ、フェラーリといったスーパースポーツ、そしてヴィーズマンやラーダ、デロリアンといった超マニアックな車種にまで対応することでも知られます。
KWのサスペンションは「しっかりロールを抑えるのに乗り心地が良い」ことで知られる
KWについて、ぼくは一度だけ使用したことが(フォルクスワーゲン・シロッコに対して)ありますが、テンダースプリングの効果が大きく、街なかのような「段差」「細かい衝撃」をしっかり吸収し、しかし高速コーナリング時の車体の傾きはしっかり抑えてくれる、という印象を持っています。
初期のアタリは柔らかく、ダンピングが強め、そしてストロークは短めといった感じですね。
トヨタ用としては80スープラ、セリカ、カローラ、ヴィッツ、MR2、86、アルテッツァといった走り系から、アルファード/ヴァルファイア、そしてなぜかアベンシス用までも揃います。※86用のサスペンションキットでもっとも安価なのは161,000円
今回、新型スープラ用として発表されたのは車高並びにダンパーの「伸び(12段階)」「縮み(16段階)」両方を調整できる「バージョン3」。※BMW用の価格から推測するに30万円くらい
KWいわく「街なかでの乗り心地を損なわず、横方向のダイナミクスを改善した」とのことで、車高は最大で40ミリのダウンが可能。
路面のギャップをいなし、ピッチやロールを抑えることが可能としているので、乗り心地の「質」を高め、かつスポーツ走行時の安定性を高めてくれそうですね。
ちなみにこちらはノーマルの車高。
もともと新型スープラのホイールハウスとタイヤとの隙間は大きな方ではありませんが、おそらくKWの公式画像では「40ミリ」いっぱいいっぱいまでダウンしている可能性が大。
ただ、車高を落としたにもかかわらず(そしてホイールはノーマル)、タイヤが内側に入っていないので、スペーサーを装着しているのかもしれませんね。
なお、車高調整幅はフロントで-15-35ミリ、リアで20-40ミリ。
今回のKW製サスペンションキットが新型スープラの4気筒、6気筒両方に対応するかどうかは不明ですが、6気筒モデルだと「リアを下げて」トラクションを稼いだり、4気筒モデルだと「フロントを下げて」前輪のグリップを下げたり、はたまた6気筒モデルでもフロントを下げることであえてリアの荷重を抜き、ドリフト許容のセッティングにしたり、という調整が可能になるかもしれませんね(BMWだと、フロントを下げるセッティングが一般に好まれている。ぼくもZ3ではフロントのほうをリアよりも下げていた)。※新型スープラの最低地上高は112~118ミリなので、下げすぎには(法的、実用上の理由から)注意が必要