| かつてプリウスは「イケてないクルマ」の代名詞でもあったが |
現行プリウスはプリウス、そしてハイブリッドのイメージを大きく変えたと言っていいだろう
さて、トヨタの北米法人が2024年第1四半期の販売台数を発表し、その中でハイブリッドモデル全般、とくにその省庁であるプリウスの伸びが驚異的であることが判明。
2023年の第1四半期だと(プリウスの販売は)5,586台の販売にとどまるものの、2024年ではこれが2.38倍の13,323台にまで膨れ上がっており、あらためてハイブリッドを支持するという市場の志向が明確となっています。
なお、ハイブリッドが(急に)好まれるようになった理由は様々なだと思いますが、やはりもっとも大きな要因は「価格」だと考えていいのかも。
ここ数年はインフレによってガソリン車、ハイブリッド、EVともに価格が大きく上昇してしまい、かつ生活費が削られ、(アメリカだと)金利が大きく上がる環境において、「今までは多少高くても許容できていたEVの価格が、ここまで大きく上がってしまい、さらに生活費が上昇する中で、とうてい払えるレベルではなくなり」、EVに代わる選択肢であったハイブリッドに視線が向き始めたのだと考えています。
トヨタは2024年第1四半期において「非常に好調」な販売を維持している
このほかにトヨタの状況を見てみると、現在トヨタブランドで唯一のEVであるbZ4Xの販売は11.7%増えて1,897台に、レクサスブランド唯一のEVであるRZは1,603台を販売していますが、これらについては全体から見ると「微々たるレベル」。
好調だったのは上述のプリウス、RAV4、カローラ、カローラクロス(いずれもハイブリッドがラインアップされている)で、前年比18.6%増の78,33 台を販売したカムリ、31%増で36,215台を販売したタンドラといったモデルに支えられ、2024年第1四半期に販売につき、トヨタは前年比20.3%増という好成績にて締めくくることに成功しています。
なお、プリウスの躍進は大きく関係者を驚かせており、というのも日本で「プリウスミサイル」ほか様々な悪評が立っているのと同様、北米市場においてもプリウスの評判、そしてプリウスのドライバーの評価が芳しくないため。
ただし現行プリウスにおいてはその優れたスタイリング(野暮ったさが微塵も感じられなくなった)、そしてPHEVモデル(北米ではプリウスプライム)の長い航続距離に高い出力(87kmと223馬力)の評価も高く、もはやなんらネガティブポイントがないどころか、むしろそのハイブリッドシステムによるストロングポイントが目立つクルマとなったことが大きいのかもしれません。
そしておそらく、この傾向は(アメリカの経済情勢を見るに)しばらく続くものと思われ、トヨタは2024年を「記録的な数字で」終えることが早くも予想されます。
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参照:Toyota