| 現在のR34 スカイラインGT-Rの国内在庫はわずか54台のみ |
さて、米国には「25年ルール」というものがあって、これは「アメリカで新車販売されなかったクルマについて、そのクルマの(他国での)新車販売から25年経過後に、アメリカでの輸入がようやく解禁される」というもの。
逆に「25年以内にアメリカへ輸入できない理由」としては米国特有の規制が絡んでいて、排ガス規制や衝突安全性に関わる規制を満たしていないと”アメリカへの輸入が許可されない”から。
正確に言うならば、25年を経過していなくてもこれらの規制をクリアできれば輸入できるということになるのですが、これをクリアするには様々なテストをパスしたり、場合によってはクラッシュテストを受ける必要があって、そういった犠牲を払ってまで輸入することは「現実的ではない」。
よって、多くの場合は「そのクルマの新車発売から25年経過を待つ」ことになり、これがいわゆる25年ルールということですね。
1995年発売のクルマが「25年ルール」対象に
そして現在は2020年なので、25年前となると「1995年」。
日本車に限っていえば、「1995年に発売され、当時アメリカへ輸出されていなかったクルマ」が規制から外れることになって米国へと輸出可能となりますが、なんといっても注目の的はR33世代のスカイラインGT-R(BCNR33)です。
スカイラインGT-Rは「直6」エンジンを積むという性格上、ハンドル位置を左へとコンバートすることが難しく(もともと左ハンドルが考慮されていない設計)、日産としても「そこまでして輸出の必要ナシ」と判断したために米国には輸入がなされなかったクルマ。
ただし映画「ワイルド・スピード」への出演を通じてカルト的な人気を誇ることになり、今まで輸入がなされなかったことから米国では飢餓状態となっています。
やはり25年ルールの影響を受けるクルマの国内在庫は少ない
そこでカーセンサーを見てみると、まずR32世代のスカイラインGT-R(BNR32)は113台の在庫が国内に存在。
一方でR33スカイラインGT-Rはなんとわずか54台という数字です。※R34スカイラインGT-Rは67台
そして年式別に見ると、1995年式は21台、1996年式は19台、1997年式は8台、1998年式は6台という状況。
R33スカイラインは1995年に登場し、モデルライフ通じて16,435台が製造されていますが、それを考えると日本国内の在庫は非常に少なく、かつモデルチェンジ直後でもっとも売れたであろう1995年式の在庫もけっこう少ないということもわかりますね。
なお、R32 GT-Rは43,661台が売れているので、日本での在庫が「113台」と多いのにはまだ納得ですが、相当数が海外に流れているのは間違いなさそう(生産台数の0.258%しか国内に残ってない)。
そしてR33 GT-Rだと0.328%、R34 GT-Rは11,344台が売れているので0.59%が国内にあるということになりますが、やはり25年ルールにかかった順に海外に出ているのかもしれません(新車販売時にほぼ輸出されなかっただろうという前提で)。
参考までに、GT-R人気の火付け役であったワイルド・スピードに登場したGT-RはR33、R34、R35で、R33は一作目でレオンの愛車として登場しているものの、この際の人気はイマイチ。
ただし二作目のワイルド・スピードX2、4作目のワイルド・スピードMAXではブライアン(ポール・ウォーカー)の愛車としてR34 GT-Rが登場し、ここで一気にGT-R人気が爆発することとなっています。
そして、そのGT-R人気がR34だけではなくR32やR33にも波及したと考えて良さそうですが、サンケイビズによると、現在25年ルール対象となったR33GT-Rの相場が急上昇中とのこと(ただしどれくらい上昇したのかには触れられていない)。
現在R33 GT-Rの中古価格は350万円程度から1000万円くらいまでではあるものの、コロナウイルスの影響が落ち着いた後は、(もとの在庫が少ないだけに)R33 GT-Rの相場が一気に上がってしまうことも考えられます。
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一番上がりそうなのは「R34 スカイラインGT-R」
ただ、25年ルールによって大きく価格が上がりそうなのは、R33 GT-RよりもR34 GT-Rかも。
というのも、上述の通り「劇中でポール・ウォーカーが乗ったから」で、規制が解除される2024年にはドカンとR34 GT-Rの中古相場が上がるのは間違いない、とも考えています。
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