| その価格は驚きの1500万円。すでに100台が売れているという |
オランダの新興メーカー「ライトイヤー」より、世界初と謳う”長距離走行可能な”ソーラー充電EVが登場。
これは常々問題となる「EVの充電場所不足」「アイシング(充電スペースにガソリン車が停まっている)」を解決するもので、車体に設置された合計5平方メートルにも及ぶソーラーバッテリーにて充電を行う、としています。
なお、飛び石や雹などでソーラーパネルが破損しないか心配ですが、ライトイヤーによると「強度の高いガラスで覆われ、大人の男性がその上を歩いても大丈夫」。
最大走行可能距離は725km
そしてライトイヤーによると、これらソーラーパネル経由で「オランダの夏であれば、一日で充電できる電力にて」50−70キロの走行が可能とのこと。
ただし充電時間や必要な照度は不明です。
なお、パワートレインについても現時点では「謎」で、しかしインホイールモーターを持ち、バッテリーサイズは「比較的小さい」。
フル充電を行えば725キロもの距離を走ることができるとしていますが、太陽光だけでバッテリーをフル充電するのは難しく、しかし230V電源を使用すれば、一晩で「400kmぶんの」電力を充電できる、とも(こちらも充電に要する時間はわからない)。
あまりに謎が多いEVではありますが、ライトイヤーによると、「その長い走行可能距離を実現できる理由のひとつは”エアロダイナミクス”」。
まだまだテスト中としながらも、現時点でのcd値は0.2だとされ、これはエアロホイールやデジタルサイドミラー、リアタイヤを覆うスパッツによって達成されるもの。
なお、cd値の低いクルマだとアウディA4が0.23、トヨタ・プリウスが0.24、そしてコンセプトカーではありますが、変形によって空気抵抗を引き下げることができるメルセデス・ベンツ・コンセプトIAAで最小0.19。
現時点ではプロトタイプのみの公開となり、実際の発売は2021年とされるものの、すでに100台は販売済みで、残る受注枠は400台のみ。
なお、価格は約1500万円、とのこと。
現在世界各国の政府は「EV推奨」政策を取っており、EVを購入する消費者はもちろん、EVを製造する側にも(一定の基準を満たせば)優遇措置がある場合も多く、そのために相当数の新興EVメーカーが出てきている状態です。
そのうちどれくらいが実現できるのかはわかりませんが、まずは状況を見守るしかなさそうですね。
なお、EVの充電方法で「変わり種」はいくつかあり、今回の「ソーラー」のほかにもマイクロタービンを利用したテックルールズ、液体を活用したナノフローセルといったメーカーも存在します。