| 実際のところ、このZeekr 001 FRがどれくらいのパフォーマンスを発揮するのかは非常に気になる |
もしかすると「予想を遥かに超える」かもしれないし、あるいは「がっかり」かもしれない
さて、中国Zeekr(ジーカー)がそのトップレンジ、Zeekr 001 FRの開発のためにキミ・ライコネンを起用したと発表。
このZeekrはボルボやロータスを傘下に収める吉利汽車(Geely)のブランドの一つで、比較的高価格・高性能を標榜しており、コンパクトSUVやミニバン、サルーンなど様々なモデルを発売しています(いわゆるプレミアムブランドであり、セグメントにかかわらず高利益率の実現を目指しているようだ)。
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Zeekr 001 FRは1,265馬力
このZeekr 001 FRは「Zeekr 001」のハードコアバージョンですが、クワッドモーター搭載、1,265馬力という現時点での「(リマック・ネヴェーラなど一部のハイパーカーを除くと)市販車トップレベル」のスペックを誇ります。
ロールアウトを使用した場合の0−100km/h加速は2.07秒だとされ、同じくロールアウトを使用した場合のテスラ・モデルSプレッドの「1.99秒(ロールアウトを使用しなければ2.1秒)」に匹敵する数字でもありますね。
ただ、Zeekrはサーキット走行性能においては(今回キミ・ライコネンを起用したことでもわかるとおり)絶対の自信を見せており、そのティーザーキャンペーン開始時にはモデルSプレッドをして「ダルいクルマ」と呼んだほど。
ベースとなるのはリフトバック風ボディを持つZeekr 001ではありますが、その中身と外観は「ほぼ別モノ」となっており、こういった「同じ車体を使用しても、全然別のクルマを作ることが出来る」のがEVの恐ろしいところかもしれません。
というのも、ガソリン車であればそのパッケージング含むレイアウトが運動性能を大きく決めることになり、これはひとつひとつのコンポーネントのサイズや重量が大きく、そして配置における制限が出てくるため。
一方、EVだとエレクトリックモーター、インバーター、バッテリー(その気になれば分散もできる)の配置に自由度があり、それぞれのユニットがコンパクトであるために様々な発想が可能となります。
よってEVの場合はそういった発想、そしてなによりもエレクトリックパワートレーンの「制御」が大きく性能を左右することになると思われるため、高い運動性能を発揮させるにはガソリン車とことなる優先順位において開発を進める必要がある(あるいはパワートレーンそのもの、そして制御が優れていればパッケージング的な不利があっても速く走れる)のかもしれません。
これはR32 GT-Rやランエボの登場、つまり「ターボ4WDがそれまでのスポーツカーの基本的な考え方を崩壊させ、パラダイムシフトを引き起こした」のによく似ているとも捉えています(そしておそらくはそれ以上のインパクトである)。
Zeekr 001 FRは世界中にて販売予定
このZeekr 001 FRに話を戻すと、外観においてはカーボンファイバー製エアロキットにて武装し、パワートレーンは上述の通りクワッドモーターに1,265馬力、そしてフロントには10ピストンAPレーシングブレーキキャリパー、リアは4ピストンキャリパー、さらに22インチのパフォーマンスタイヤを備えます。
現在Zeekrはキミ・ライコネンをチーフ・パフォーマンス・アドバイザーとしてチームに迎え、これによってZeekr 001 FRを”より速く、より強く”することに専念している状態ですが、おそらくはニュルブルクリンクへの挑戦も視野に入れているものと思われ、テスラ・モデルSプレッドのタイムを破れるかどうか、そして現在ニュルブルクリンクにて「EVトップ」のタイムを誇るリマック・ネヴェーラにどこまで近づけるのか(あるいはこれを更新できるのか)にも注目が集まります。
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なお、キミ・ライコネンの起用には「パフォーマンス向上」といった主目的はもちろん、ワールドワイドに販売する予定だとされるZeekr 001 FRのプロモーション、そしてブランドイメージの向上といった側面もありそうです。
Welcome #ZEEKR chief performance adviser Kimi Räikkönen to push the speed and passion of #ZEEKR001FR to the limit. Stay tuned for more on Oct. 27! pic.twitter.com/RfbdcpTxlM
— ZEEKR (@ZEEKRGlobal) October 25, 2023
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参照:Zeekr