| ポルシェの上位占有率は異常 |
ただしメルセデスAMGもポルシェには負けていない
さて、自動車の性能を測るモノサシのひとつがニュルブルクリンクのラップタイム。
これは「ニュルブルクリンクは、路面が比較的荒れており、アップダウンがきつく、長い直線や複雑なカーブが絡み合い、クルマにもっとも負担をかけるとともに、空力性能、運動性能、ブレーキング性能などすべてにおいて高いレベルが要求されるから」。
よって各自動車メーカーともニュルブルクリンクのラップタイムを非常に重要視しているわけですが、ここでニュルブルクリンクの定義する「各セグメント」、つまり「コンパクトカー」「ミッドレンジカー」「エグゼクティブカー」「SUV」「スポーツカー」「改造車」「プロトタイプ」につき、それぞれ最速のクルマを見てみましょう(実際には更に細かい分類もなされている)。※タイムは基本的に新しい計測方法
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【随時更新】ニュルブルクリンクのラップタイム最新版。ランキング100位まで、そして「SUV」「FF」「EV」「コンパクト」などカテゴリ別最速車を見てみよう
Mercedes-AMG この2年ほどでニュルブルクリンクのラップタイムは大きく短縮 ニュルブルクリンクにおける市販車のラップタイム「最新版」。 このランキングも当初「ベスト50」から始めるも、なんど ...
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ニュルブルクリンク最速「コンパクトカー(Compact Cars)」は?
ニュルブルクリンク最速コンパクトカーは2023年8月31日に記録を更新したBMW M2(7分38秒706)。
それまでの王座はアウディRS3(7:40.748、2021年6月14日に記録)で、こちらは2.5リッター5気筒ターボエンジンを積み4輪を駆動しますが、BMW M2は「後輪駆動」レイアウトを採用しており、2WDが4WDよりも速く走ったというのは興味深い事実です。
ニュルブルクリンク最速ミッドレンジカー(Mid-Range Cars)は?
ニュルブルクリンク最速のミッドレンジカーはジャガーXE SVプロジェクト8(08.07.2019。2019年7月8日)。
ただし、これは(販売地域によって)4ドアなのに2シーターであったり、ごく限られた台数しか生産されていない、ということでこの記録を疑問視する声もあるようです。
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ジャガーがXE SVプロジェクト8にて「ニュル最速セダン」タイムを3秒更新!991.2世代のポルシェ911ターボSとほぼ同じタイム
| これを市販車と認めるのは難しいが、とにかく速いのはわかった | ジャガーは以前に「XE SVプロジェクト8」にて”ニュルブルクリンク最速セダン”の称号を獲得していますが、今回は自身の持つ記録である ...
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ニュルブルクリンク最速エグゼクティブカー(Exective Cars)は?
現在の最速はメルセデスAMG GT 63S 4MATIC+(7:27.800、2020年11月4日)。
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【動画】メルセデスAMG GT 63Sがニュルで7:23を記録してポルシェパナメーラの持つ記録を破る!なぜメルセデスはこれほどまでにポルシェを目の敵にするのか
| とにかくメルセデス・ベンツはポルシェに勝たねばと考えているようだ | メルセデス・ベンツが「AMG GT 63Sが、ニュルブルクリンクを7分23秒009秒(細かい!)で走り、新たなる記録を打ち立て ...
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2位はポルシェ・パナメーラ・ターボS(7:29.81、2020年7月24日)。
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【動画】新型ポルシェ・パナメーラ・ターボがニュルにて"エグゼクティブカー最速"の7:29を記録!ただしメルセデスAMG GT63には届かず
| 今後登場するであろうパナメーラ・ターボ”S”に期待するしかない | さて、先日ニュルブルクリンクにアタックする様子が報じられたフェイスリフト版の新型ポルシェ・パナメーラ・ターボですが、今回ニュルブ ...
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ニュルブルクリンク最速SUV(SUVs, off-road vehicles,vans,pic-ups)は?
現在のニュルブルクリンク最速SUVはポルシェ・カイエンターボGT(7:38.925、2021年6月14日)。
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ポルシェが「ニュルで新型カイエンクーペがSUV最速ラップを更新した」と発表!その新型カイエンは6月末に発表されるようだ
| ポルシェはあらゆるセグメントで「ニュル最速」を獲得しなければ気がすまないようだ | 同門のアウディRS Q8が記録したタイムを3秒近く短縮する さて、ポルシェが「カイエン・クーペの新バージョンがニ ...
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2位はアウディRS Q8(7:42.253、2019年9月13日)。
カイエン、Q8とシャシー他コンポーネントを共有するランボルギーニ・ウルスはニュルブルクリンクでのタイム未計測です。
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アウディがニュル最速SUV、新型”RS Q8”発表!走行性能はランボルギーニ・ウルス並み、価格はウルスの半分
| アウディSUV史上もっとも強力、もっとも速く、そして最も大きなタイヤを装備 | アウディのハイパフォーマンスカー部門、「アウディスポーツ(Audi Sport)」がその最新モデル、RS Q8を正式 ...
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ニュルブルクリンク最速スポーツカー(Sports Cars)は?
これはスポーツカー最速=「市販車最速」を意味するセグメントでもあり、現在はポルシェ911GT2RS(6:43.300、2021年6月14日)の記録を破ってメルセデスAMG One(6:35.183)が最速の座を奪還。
ポルシェとメルセデスAMGとは、他のセグメントを含めて「抜きつ抜かれつ」を繰り返していますが、最近はこの二者にて上位争いが行われおり、ポルシェとメルセデスAMGのお互いに対するライバル心、そして1位に対する執着心にはそら恐ろしさすら覚えますね。
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メルセデスAMG Oneがニュルを6分35秒183で走り圧倒的王座に君臨!さすがのポルシェでもこのタイムを破ることは難しいだろう
| 今後、ニュルブルクリンクのトップタイムはハイパーカーのみで競われることになるのかもしれない | 直近でこのタイムを更新できそうなのはアストンマーティン・ヴァルキリーのみだと思われる さて、予告して ...
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ニュルブルクリンクでの改造車(Modified cars)最速は?
ニュルブルクリンクでの改造車最速はポルシェ911GT2 RS MR(6:44.749、2018年10月25日)。
これはポルシェの子会社、マンタイ・レーシングの用意するオプション(欧州ではポルシェ正規ディーラーにて購入と取り付けが可能)を装着した車両ですが、このオプションは購入できない地域があったりするため「改造車」扱いとなっています。
なぜこちらが改造車扱いとなっていて、「スポーツカー」1位のMRキットを装着したポルシェ911GT2RSが改造車でないのかは不明です(もちろん、なんらかの定義があるのだとは思う)。
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ニュルでは一番でなくては我慢ならない?ポルシェがチューンした911GT2RS"MR"でニュル最速を更新する
| ポルシェは他メーカーにニュルブルクリンクの記録を持ってゆかれるのは我慢ならない | ポルシェとマンタイ・レーシング(Manthey Racing)両者のコラボレーションによって誕生した「GT2 R ...
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そして2位もやはりポルシェ「911GT3MR(6:54.340、2021年4月9日)」。
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【動画】ニュルをGT2RSで制したマンタイ・レーシングが放つ911GT3 RS専用「MRキット」!ニュル必勝パッケージはこうなっている
| ダウンフォース最大化、エアロダイナミクス最適化がその目的 | 改造車までをも含めると現在「ニュルブルクリンク市販車最速」を誇るのがポルシェ911GT2RS"MR"。このMRというのはマンタイ・レー ...
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ニュルブルクリンクでのプロトタイプ(Prototypes)最速は?
プロトタイプは基本的に「制約のない」そして「市販しない(できない)」クルマであり、基本的になにをやってもOK。※そのためタイムは異次元
1位はポルシェ919ハイブリッドEVO(5:19.546、2018年6月29日)です。
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ポルシェ919ハイブリッドEVOがニュルにて驚異の5:19.55を記録。自身の記録を51秒短縮
| ポルシェがニュルブルクリンクで驚異的なタイムを記録 | ポルシェ919ハイブリッドEVOがニュルブルクリンクにて5:19.55という異常なタイムを記録し、ポルシェ自身が持っていたコースレコードを更 ...
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2位はパイクスピークをも制したピュアエレクトリックレーシングカー、フォルクスワーゲンID.R(6:05.336)。
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【動画】VWがEVレーサー”ID.R”でニュルに挑戦。アヴェンタドールSVJより40秒近く速い6:05.336にて走行し、EV最速記録を達成
| 昨年までであれば、すべてのレーシングカーをひっくるめてもNo.1だった | かねてよりウワサされていたとおり、フォルクスワーゲンID.Rがニュルブルクリンクに挑戦し、驚愕の6:05.336というタ ...
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ニュルブルクリンクにおける最速EVは?
現在のニュルブルクリンク最速EVはリマック・ネヴェーラの7分5秒298(20.8km)。
ただしこのタイムについては、ガソリン車の「6分30秒台」という数字に比較するとかなり遅く、さらにリマック・ネヴェーラの価格と馬力を考慮すると「むしろ公表しないほうが良かったのでは」とも言われるほど。
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リマックがネヴェーラにてニュル「EV」最速記録を更新。テスラ・モデルSプレッドのタイムを20秒短縮し、同時に記念限定モデル「タイムアタック」を発売
| もちろん、リマック・ネヴェーラが「ニュルブルクリンク最速」を記録することはわかっていたが | 今回のタイムはガソリン車含む市販車だと歴代17−21位に相当するタイム さて、今年6月にはテスラが「モ ...
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実際のところ、ポルシェ・タイカン(試作車)が「7分7秒55」を記録してネヴェーラのあと一歩のところにまで迫っており、もし今後「量産車」に抜かれるようなことがあればその面目を保つためになんらかの対策を講じる必要がありそうですね。
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ポルシェが新型タイカンにて「7分7秒55を記録しテスラのタイムを更新した」と発表。18秒短縮するもニュル(EV)最速には届かず
| EVにおけるニュルブルクリンクのタイムはここ数年で28秒も短縮されている | この新型ポルシェ・タイカンのグレード名は「ターボGT」ではないかと見られているが さて、ポルシェがフェイスリフト版のタ ...
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ニュルブルクリンク最速FFは?
ちなみにニュルブルクリンクでは「FF」というカテゴリを設けていないものの、フロントエンジン / フロントドライブ車の最速はホンダ・シビック・タイプR(FL5)。
これまでのルノー・メガーヌRSトロフィーのタイムを1秒ほど短縮する7:44.881を記録していますが、ルノー、そしてかつてのライバルであったフォルクスワーゲンもガソリン車に注力しておらず、このシビック・タイプRのタイムが破られることは二度とないのかもしれません。
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ホンダ シビック タイプR(FL5)がニュルにてFF最速タイムを更新!このタイムはフェラーリ430スクーデリアの下、ポルシェ911GT3(997)のちょっと上【動画】
| このシビック・タイプRの「FF最速」はおそらく今後更新されることはないだろう | ライバルであるルノー・メガーヌRS トロフィーのタイムを約1秒、先代シビック・タイプRからもタイムを大きく短縮 さ ...
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ニュルブルクリンクのタイム計測方法は二種類が混在している
参考までに、ニュルブルクリンクのタイム計測については複数方法があり、これまで一般的だったのは「グランドスタンドT(ターン)13の終わりから計測を開始し、T13の始まりで計測を終了する」。
これは走行距離はちょっと(約232メートル)短くなるのでタイム計測的に有利であり、多くの自動車メーカーそしてカーメディアが採用する方法です。
ただし2019年にニュルブルクリンクGmbHは旧来の方法ではなく、「T13の同じところを計測開始と終了のポイントとし、この方法にて計測したタイムを公式として認定する」と制定して2020年から実施。
これによって、一般にいう「ニュルのタイム」は二種類が混在することとなっていますが、ニュルブルクリンクの公式発表値はもちろん「新方式」。
旧来の計測方法だと、速いクルマでおおよそ4秒ほど短いタイムが出ており、多くの自動車メーカーでは混乱を避けるため、最近だと「新旧2つの計測方法によるタイム」を表示することが多いようです。
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参照:Nurburgring