「世界で最も多く製造された」ライフル、AK-47で有名なカラシニコフがEVのパテントを登録！4輪と3輪があり、これもまた「大量に（ロシアで）」製造されることになりそうだ

｜　どうやらカラシニコフも「武器」だけではやってゆけなくなったようだ　｜

なかなか高い実用性を持ちそうで期待がかかる

さて、ロシアのカラシニコフが4輪と3輪の電気自動車のパテント画像を出願して話題に。

カラシニコフというと軍需産業分野において有名ですが、2018年に電気自動車業界への参入を発表し、1973-1997年に製造されていたIZH-21252をベースとした「CV-1コンセプト」を発表しています。

ただ、その際は文字通り「コンセプト」にとどまり既存の車両の車体を流用しただけであったので、今回のパテント画像は「そこから開発を進めたのちの、市販する際の最終デザイン」だと考えて良さそうですね（2019年には、今回のパテントに似たUV-4コンセプトが発表されている）。

そのデザインはUV-4ゆずり

そして今回明らかになったパテント画像を見るに、2019年のUV-4コンセプトとさほど大きく変わるところはなく、雰囲気的にはルノー・トゥイージーっぽいという印象も「そのまま」。※もしくはスクーデリア・キャメロン・グリッケンハウス「BOOT」の縮小版のようにも

全長3.4m、全幅1.5m、全高1.7mだと報じられ、一見してミリタリーっぽい雰囲気もかんじられるものの、エアコン、ヒーター、デジタルメーター、インフォテインメントスクリーン、アジャスタブルサスペンションなどを持つ、と報じられています。

パワートレーンについて、2019年に公開されたUV-4と同じだとすると、最高出力は67ps（50kW / 68PS）で、車体重量は650kg（1,433ポンド）、最高速度は80km/h、一回の満充電あたりの航続可能距離は150km（93マイル）ということになりそうですね。

カラシニコフは3輪EVも

そしてカラシニコフはもうひとつのEVのパテント画像も登録しており、こちらは「3輪」。

全長が短縮され、ドアもなく、おそらくは相当に軽量かつコンパクトな車両なのだと思われます。

そのぶん搭載するバッテリーのサイズも小さく、車両価格も安めに設定されると考えてよく、実際に発売されればかなりの数がロシアを走行することになるのかもしれません。

カラシニコフといえばやっぱりAK-47

なお、カラシニコフといえば「世界で最も多く製造され、もっとも多くの人を殺すことになった」というライフル、AK-47。

これはミハイル・カラシニコフ氏によって設計されたものですが（2013年に94歳でその生涯を閉じる）、同氏は晩年、「自分の設計したライフルが、こんなに多くの人を殺すことになるとは」とその苦悩を語っていたようですね。

そしてなぜそのカラシニコフがこういったEVに手を出すのかということについて、規制によって銃器を輸出することが難しくなったカラシニコフが「新事業」としての可能性を模索したものだと報じられています（カラシニコフはいくつかの会社に分かれており、AK-47を製造していたIzmash社は2012年4月に倒産していて、それとは別に親族が経営する「MTカラシニコフ社」というものもあり、こちらはウォッカや腕時計など様々な製品が発売している）。

参考までに、カラシニコフは2018年に軍事ロボット「Igorek（イゴレク/イゴリョーク）」を発表しており、これは前高4メートル、重量4.5トンというサイズを誇り、見ての通り上部に乗り込んでパイロットが操縦するタイプです（「風の名はアムネジア」に出てきたようなヤツ）。