| スズキ・クロスビーの内装、そして走りをチェックしてみよう |
さて、スズキ・クロスビー(XBEE)の試乗「後編」。
今回はクロスビーの内装、走り、価格を見て見ましょう。
スズキ・クロスビーの内装はこんな感じ
スズキ・クロスビーは「デカいハスラー」ではなく「イグニスベースのハスラー風味な車」だとお伝えしましたが、内装においてもそれは同じ。
メーター周りやモニター、エアコン操作パネルなど多くをイグニスと共有し、しかしダッシュボードやドアパネルのトリムなどで「クロスビーらしさ」を演出しています。
シートはちょっとオシャレなデザイン。
ハニカム状パターンが再現され、ハイブリッドMZではパイピングが追加となり、さらにシート表皮が撥水加工されたものに。
パイピング含むシートのアクセントは「イエロー」「レッド」「アイボリー」の三色。
メーターは基本的な部分をイグニスと共有。
ただし走行モード表示部にはクロスビーのシルエットをモチーフにしたアイコンが用いられるなど、いわゆる「遊び心」のあるデザインとなっています(この辺りは”ジープ”と良く似ている)。
エアコン吹き出し口の形状もヘッドライトと同じデザインを採用しており、細部に至るまで「デザイン重視」であることがわかりますね。
そのほかスイッチ類や加飾も「アルミ削り出しパーツ」を意識したと思われる形状とカラーが採用され、アクティブさ、タフさの感じられる意匠に。
樹脂パーツが多いものの(価格帯を考えるとこれが普通)、安っぽさを感じさせない造形や色使いは「さすが」スズキで、外装と同じくこれまでのモデルにて培った経験が生きている、と言えそうです。
なおリアトランクには樹脂のカバーがあり、これもアクティブなクロスビーならでは。
スズキのサイトにはシートアレンジや使い方についてのコンテンツも。
スズキ・クロスビーで走ってみよう
前編で述べたとおり、基本的な骨格やディメンションはイグニス同様。
よってドライビングポジションも自然とイグニスに似たものとなります。
視界は?
ヒッポポジションが高く、ダッシュボードが高いので視界は良好。
サイドのベルトラインも低く、サイドウインドウには三角窓もあるので左折時の確認も用意(ドアミラーが視界を遮らない)。
フロントウインドウが平面に近く、かつ角度が立っていて、ほかの車よりもドライバーの手前にあるという独特の環境ですが、これがまたクロスビーの個性を際立たせていると思います。
加速は?
エンジンが3気筒、そして重量がイグニス+90キロということで不安要素があったものの、実際は全く問題なし。
恐らくはトランスミッションが6ATということもあり、ダイレクトかつリニアな加速が得られているものと思われます。
追い越し時などにアクセルを踏んでから(エンジン回転数が上がるまでの)タイムラグなしで車がぐっと前に出る印象があり、街中ではかなり乗りやすい車だという印象。
ステアリングフィールは?
もともと走りを標榜する車ではないものの、なかなかどうして優れたレスポンスを示します。
意外とロック・トゥ・ロックは小さいようで、そんなに「ぐるぐるハンドルを回さなくても」狭い路地で簡単に車を曲げたり、車庫入れが可能。
最低地上高が高い車ではありますが、ダンパーもしっかりしており、車線変更やダブルレーンチェンジでも「揺り戻し」がなく安定しているのも良いですね。
イグニスに比べて車高が11センチ高く、その分挙動が不安定になるのではとも考えましたが、そんなことは全く無いようです。
ブレーキは?
ブレーキは「カックン」ではなく、ゆっくりと効くタイプ。
よって、ちょっとラフな踏み方をしても車がガックンガックンと前後に動くことがなく、扱いやすいブレーキですね。
快適性は?
シートは座り心地がよく、程よく体が沈み込む印象。
反面サイドサポートは結構大きく、カーブでGがかかるような場面でも安心して座っていることができます。
意外と足回りが締め上げられており、不快な印象はないものの、「もうちょっとシートが柔らかくてもいいかも」という印象も。
おそらく、このシートの印象は「クッション(スポンジ)が硬い」のではなく、シート表皮にスクラッチや水に強い生地を使用しているため、これの「伸縮性が高くない(記事が伸びない)」ことに関係しているのかもしれません。
室内への振動・騒音の侵入はかなり少なく、これはスズキ・スイフトの試乗でも驚いた部分であり、スズキは相当にこの分野で進歩を見せているようですね。
車体剛性の高さもさることながら、足回りの剛性の高さ、しっかりしたダンパーやスプリングを使用していることがその理由だと思われます。
明らかに他メーカーのコンパクトカーと比較して「1ランク以上優れる」と感じる部分でもありますね。
全体的に見て、スズキ・クロスビーはどう?
トータルで見ると「買い」な一台。
ぼくがまず評価したいのは車としての基本性能が高いこと。
さすがスイフト・スポーツを作る会社だけあって「走る・曲がる・止まる」のレベルが非常に高く、スポーツ走行をする車ではないものの、しかし「運転していて楽しい」車だと思います。 ステアリング、アクセル、ブレーキの操作に対して機敏かつ適切に反応し、あくまでも感覚に忠実な反応を見せるのが良いですね。
さらに振動や騒音が少なく、不安定な挙動がないので安心して運転でき、かつ「これでもか」というほどの安全装備も充実しており、かつ「リセール」も安定していると思われる車。
見栄えも良く、コンパクトカーと言えども乗っていて「貧乏くさく」見えないのも良いですし、小さく小回りがきき、最低地上高も高いのでどこへでも乗ってゆくことができるため、「街乗り最強」な一台かもしれません。
ただ一つ懸念があるとすれば、「軽自動車(ハスラー)と間違われる可能性が高い」ということ。
ただしこれは人によってはさしたる問題にならないと思われ、無視しても良さそうです。
購入するときの費用感は?
購入するとなると見積もりはこんな感じ。
ボディカラーは結構色々なものがあり、かなり迷う中で「ブルー」を選択。
こういったブルーはかねてよりなかなか乗る機会がなく、そもそもこういったブルーをラインアップしているメーカーも少なく、であれば「この機会に選んでみよう」ということに。
ほぼ必要なものが揃っており、このほかに必要なのはETC、ドラレコ、レーダー探知機、オーディオ、カーナビくらい(40万円くらい)。
かなり個性的な車であり、「カモフラージュ柄」にラッピングしてみるのも面白いかもしれません。
なおクロスビーのオプションリスト(スズキの公式サイト)はこちら。相当数のオプションが揃います。
スズキ クロスビーHYBRID MZ(4WD・6AT)スピーディーブルーメタリック ブラック2トーンルーフ
車両本体価格 2,189,160円
自動車税 4,900円
自動車取得税 55,800円
自賠責保険料 36,780円
自動車重量税 24,600円
検査登録手続費用 19,440円
車庫申請代行費用 14,040円
納車費用 9,180円
保証がのびたS 11,934円
リサイクル資金管理料 380円
預かり法定費用 3,240円
預かりリサイクル預託金 9,380円
印紙代 2,700円
(オプション)
全方位モニター用カメラパッケージ 45,360円
合計 2,367,494円