世界中を旅していると、日本以外の国では、中国はもとより欧米ですら「騙される方が悪い」という認識があるように思います (日本では「騙すほうが悪い」)。
この騙す、という言葉について広義に(つまりネガティブな意味を超えて)考えると、「付加価値を付けて売る」ということも(悪い意味抜きで)”騙 す”に当てはまるのでは、とふと思いました。
つまり製品に付加価値を付けて売る、ということは消費者の心理を操作することであり、「残り一個」「今売れています」「大人気」というPOPのよ うに、消費者の購買意欲を高める作業とも置き換えることができるのではないか、と考えます。
なので、マーケティングそのものが、そもそも「騙す」という意味を含んでいるのだとすれば、やはり日本人はその意味での「マーケティング」意識が 希薄で、外国の方が積極的であるのも頷けるようにも思います。
(「騙す=マーケティング=悪」ととらえ、製品そのものの価値で勝負すべき、という認識が根底にあるのかもしれない)
さらに考えると、映画や小説といった「フィクション」も、それらがウソだと分かりながらも笑ったり泣いたりするわけで、それも良い意味での消費者 を「騙す」行為といえるかもしれません。
消費者は「騙されて」いることがわかっていますし、笑ったり感動したりすることで消費者もメリットを享受できますが、マーケティングも同様かもし れません。
また、ネット上にも真偽混ざって情報が存在しますので、「オルタニング現象」のように「見抜ける能力」というのも重要になるのだと思います。