トム フォードの腕時計「初」のクロノグラフが発売！世界限定150本、しかしボクはこの腕時計の価格正当性を見出すことは難しいと考えている

｜　魅力的な腕時計ではあるものの、その価格が魅力を大きく上回ってしまっている　｜

そしてトム フォードの腕時計の真の価値は「中古相場」が示すとおりだと思われる

さて、これまでにも数々の腕時計をリリースしてきたトム フォードですが、今回は「N.002 チタニウム クロノグラフ リミテッド エディション」を限定発売（世界限定150本、555,500円）。※ちなみに現在はN.001からN.004までのラインアップが揃う

なお、トム フォードというとグッチ、そしてイブ・サンローランのクリエイティブディレクターを経て自身のブランドを展開するデザイナーですが、その価格帯は「（全般的に）かなり高く」、そして現在はアパレルだけではなくビューティー関連、そして腕時計にまで幅広くラインアップを拡大しています。

もちろんトム フォードの腕時計のラインアップも「安くはない」

そして何もかもが高価なことで知られるトム フォードだけあって腕時計の価格帯も相当に高額で、ただしその高いというのは「スペックに比して」。

ぼくはけして「自社製ムーブメントでないと」とか「機械式でないと」とか「クロノメーター認定でないと」とか言うつもりはないのですが、トム フォードの腕時計については、素材、ムーブメント、デザイン性含め総合的に検討したとして、「あまりに割高」であり、さらにはどうやってもトム フォードの腕時計が高価な理由を見つけることができない、と考えているのですね。※一方、トム フォードのサングラスは価格とデザイン・機能がマッチしていると考えているので、現在6本所有している

そしてもうひとつ、トム フォードの腕時計について言及すべきは「内外価格差が大きい」ということであり、つまりは日本で購入するとさらに割高です（このあたり、深く言及するとインポーターから怒られるので軽く触れるにとどめたい）。

そしてこういった「割高感」「内外価格差の大きさ」を反映してのことか、中古市場においては比較的安く購入でき（中古相場が正直な市場の評価だと思われる）、そして中古市場で流通しているくらいの価格であれば「購入してみようか」とも考えています（ただ、中古市場での流通量はかなり少ない）。

参考までに、こういった「ファッションブランドの腕時計」だと、ほかにラルフローレンのウォッチコレクションが有名ですが、一方でラルフローレンの腕時計は「腕時計通もうなるほど」のクオリティを持っており、デザインこそは普通ではあるものの、腕時計としての価値が高いと言われています（そのため、ラルフローレンの腕時計は中古市場でもそれなりの価格を維持している）。

もう一つ参考までにですが、腕時計の内外価格差はトム フォードのみならずほかの（腕時計）ブランドでも見られる場合があり、それは新参ブランドであればあるほど大きいという印象で、その理由としては販売数量に対するプロモーション費用の比率が大きいこと、そして厳しい日本市場にマッチさせるための検品や歩留まり率の低さに起因するものだと考えられます。

トム フォード N.002 チタニウム クロノグラフ リミテッド エディションはこんな腕時計

そこで今回発売されたトム フォード N.002 チタニウム クロノグラフ リミテッド エディションを見てみたいと思いますが、トム フォードらしいホワイトとブラックの2色展開（ストラップのカラーが異なるのみ）。

ケース素材はチタン、そして直径は43.5ミリとけっこう大きめです。

風防は無反射コーティングが施されたサファイアクリスタル、表面はブラシ仕上げ、そしてブラックDLCコーティングがなされます。

リュウズやプッシュボタンのトップはポリッシュ仕上げ、文字盤はマットブラック、スーパールミノバはホワイト。

ケースバックはスケルトン（トム フォードのサインが刻まれる）、そして使用されるムーブメントはセリタ製SW510で、特筆すべきはトム フォード初のクロノグラフということ。

ただしちょっと残念なのは、トム フォードのタイムピースに共通する「交換式（引き通し）ストラップ」構造のため、せっかくのスケルトンバックが見えなくなってしまうという事実。

なお、ストラップはカーフ製（パンチング仕様）、バックルはチタン製。

ケースバックがやや出っ張っており、ベルトの厚みが加わるので、装着感はもしかするとあまり良くないかもしれません。

ただ、バランスを重視したデザイン（針や文字のバランスには非常にこだわっている）、そして虫眼鏡のような形状をもつユニークな時針など、その外観としては非常に魅力的であり、中古市場にて手頃な価格にて出回るようであれば「ちょっと欲しい」とは考えています。

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参照：TOM FORD