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トヨタGRヤリス発表!標準ヤリスよりも11センチワイド、出力は272馬力、ドリフトも可能。初回限定モデルは396万円から

2020/01/11

| その内容は市販車のパワーアップ版ではなくWRC参戦用レーシングカーのホモロゲーション取得用 |

トヨタが先日よりティーザー画像/動画を公開していたニューモデル「GRヤリス」を正式発表。
トヨタいわく「FIA世界ラリー選手権(WRC)で”勝ち抜く”ための知見やノウハウを注ぎ込んだスポーツカー。世界の様々な道でプロドライバーの手によって鍛えられ、誰もが安心して楽しく運転が可能」だとしています。

なお、GRヤリスは「WRC出場のためのホモロゲーションモデル」だと紹介されており、よってこれまでの「GR」モデルとは根本的に素性が異なるということになりそうですね。
そしてこのホモロゲーション取得のためには「連続する12ヶ月の間に25,000台以上の生産が必要」だとされており、GRヤリスは最低でも25,000台は生産される、ということを同時に意味しています。

GRヤリスについて、発売は2020年夏頃を「目指す」とアナウンスされていて、まずは初回限定モデルとしてRZ“First Edition”、RZ“High-performance・First Edition”を設定。
これらについては1月10日から6月30日までの6ヶ月間、WEB限定にて先行予約を受け付けています。
ちなみに生産は元町工場にて、「匠」の技を駆使して行われる、とのこと。

トヨタGRヤリスはこんなクルマ

まず、トヨタによるGRヤリスの特徴ダイジェストは下記の通り。

・スポーツカーとして「空力、軽量、高剛性」を追求した車両パッケージ
・多くのモータースポーツ参戦を通じて培った知見を活かし鍛えられた新開発1.6L直列3気筒直噴ターボエンジン“G16E-GTS”
・あらゆるシーンで、各自のドライビングスタイルに合わせ気持ち良い走りをサポートする新開発スポーツ4WDシステム“GR-FOUR”

GRヤリスは「ヤリス」と名がつくものの、基本的にはヤリスの派生スポーツモデルと考えるべきではなく、トヨタが「WRCで勝つためにはどんなクルマが必要か」ということを考え、それを市販モデルとしても発売できるように調整したクルマ(つまりレース用のホモロゲーションモデル)だと考えるのが妥当。

実際のところGRヤリスはWRC参戦チームであるTMR(Tommi Makinen Racing)と共同にて開発されたクルマであり、トヨタいわくTOYOTA GAZOO Racingが展開するスポーツカーシリーズ「GR」の”オリジナルモデル”。

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じゃあヤリスの名前を与えなくてもいいじゃないということになりそうですが、WRC参戦はヤリス拡販のためのプロモーションという側面も持っていて、そのために「ヤリス」の名を外すことはできなかったのだと思われ、開発順序としては「WRC参戦用レーシングカーとしてのヤリス(WRCカー)のスペックを考える」→「そのためのホモロゲーション取得用としてGRヤリスを発売しなくてはならない」→「WRCでのネームバリューを生かして実利を得るために売るのが通常のヤリス」ということになりそう。

上手く表現するのが難しいものの、とにかく「先にコンパクトカーとしてのヤリスがあって」それをチューンしたのがGRヤリスはない、ということですね。

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トヨタの言葉を借りて説明するならば、トヨタがこれまでラリーに参戦してきたノウハウを活かし、”TOYOTA GAZOO Racing WRT(World Rally Team)に学んだ「WRCで競争力あるクルマづくり」や開発初期からの社外プロドライバーによる評価によって、世界のいかなる道でも思い通りに操れるクルマ、つまり「誰もが安心して思いのままに運転できる」GRヤリスが誕生”した。

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GRヤリスはTNGA思想による4WDプラットフォームを採用し、初めて採用されるスポーツ4WDシステム「GR-FOUR」が最大の特徴となりますが、これはWRCに参戦してきた「セリカGT-FOUR」の系譜に通じるとトヨタは述べていて、それをアピールするための専用コンテンツも公開されています。
なお、4WDモードは「ノーマル(前後40:60):誰でも楽しく走れる)」「スポーツ(前後30:70):FR寄りになってドリフト可能」「トラック(前後50:50):タイム重視モード」の3つがプリセットされている、とのこと。

当然サスペンションジオメトリも適正化され、リアサスペンションはダブルウイッシュボーンへ。
これはヤリスの4WDモデルにも採用されるものですが、これもレギュレーションから「逆算した」仕様だと考えられそう。

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そのほかボディだとエンジンフード、トランクリッド、ドアパネルにアルミニウムを採用し、ルーフパネルはなんとカーボン製。
ボデイ形状には通常のヤリス(5ドア)とは異なる「3ドア」を採用していますが、これはボディ剛性を考慮してのことであり、トヨタの「本気度合い」が図れるところでもあります。

なおGRヤリスのボディサイズは全長3,995ミリ、全幅1,805ミリ、全高1460ミリ、ホイールベースは2,558ミリ。
通常のヤリスが3,940ミリ、1,695ミリ、1,490ミリなので、GRヤリスは55ミリ長く、110ミリ広く、30ミリ低いということになりますね。

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GRヤリスはやはり素性が違う

さらにトヨタの本気度をあらわすものとして「標準(RZ)でも鍛造18インチホイールが装着されること」。
RZの上位グレード、「RZ「ハイパフォーマンス」になるとこれがさらにBBS製の専用デザイン(日本刀をイメージ)に。

ブレーキキャリパーはフロントに4ポッド、リヤには2ポッドのアルミ対向キャリパー/高μパッドを採用。
フロントのブレーキローターには冷却性向上を目的としたスパイラルフィン、そして軽量化を目的とした2ピース構造ディスクを与えるなど、どこまでも本気なのがGRヤリス。

なお、GRヤリスは最近のクルマにしては珍しく電気式パーキングブレーキではなく手動式ですが、これは「サイドブレーキを使った巧みな車両コントロール」を可能にするためで、ここもまたGRヤリスの素性を表すところですね。

そして搭載されるエンジンは1.6リッター直列3気筒ターボ(16E-GTS)、出力は3気筒エンジンとしては世界最高レベルの272PS。
トランスミッションには6速マニュアル(iMT)を採用しています。

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GRヤリスのインテリアはこうなっている

そしてGRヤリスには「専用コクピット」採用。
専用ステアリングホイール、専用スモークシルバー加飾、専用6速マニュアルスポーツシフト、専用アルミスポーツパッド付ペダル、JBLサウンドシステム(8スピーカー/High-performanceグレードのみ)が採用されていて、シートは「スポーツシート(High-performanceグレードにはプレミアムスポーツシート)」。

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メーターにはスポーツ走行時の視認性を高めた専用「スポーツメーター」が与えられ、センターのマルチインフォメーションディスプレイ上には4WD切替、過給圧、ウォーニング表示等をディスプレイ。

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まず販売されるのは「ファーストエディション」

GRヤリスは「先行販売モデル」であるRZ“First Edition”、RZ“High-performance・First Edition”からの販売となり、それぞれ価格は3,960,000円と4,560,000円。
RZ“First Edition”は、RZグレードをベースに、マットブラック塗装を施したラジエターグリル、フロントサイドディフューザー、リヤスポイラー及びリヤバンパーが与えられ、RZ“High-performance・First Edition”では、RZに対し、トルセンLSD、冷却スプレー機能付空冷インタークーラー、マットブラック塗装のBBS製鍛造アルミホイールが装着され、ファーストエディションは両者ともに「マットブラック」がアクセントとなっているようですね。

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なお、ファーストエディションではない「通常モデル」のGRヤリスについてもグレードは「RZ」「RZ High-performance」という構成を持つことになりそうですが、RZ High-performanceはRZに対し、トルセンLSD、冷却スプレー機能付空冷インタークーラー、プレミアムスポーツシート、BBS製ホイール、JBL製スピーカーが装着され、走りそして快適性両方から「パフォーマンスが向上した」モデルだということになりそう。※反面、通常モデルのGRヤリスにはマットブラックのアクセントはない?

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ボディカラーには「スーパーホワイトII」「プラチナホワイトパールマイカ」「エモーショナルレッドII」「プレシャスブラックパール」が設定されていて、ちょっと画像腕はその差異がわかりにくいものの、同じホワイトでも微妙に色味が違います。

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現時点では「ファーストエディションではない」GRヤリスの価格は公表されておらず、しかしRZファーストエディションが「ヴィッツGRMNの400万円よりも安い」価格で登場したのには驚き以外のないものでもありません。

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