| スバルの未来は自動運転ではなく、とことん自分で運転を楽しむというスポーツマインド |
SUBARUが東京オートサロンにて、「新型レヴォーグ プロトタイプ STI Sport」を初公開。
開発コンセプトは「誰もが自分の意志で、運転をどこまでも愉しめる未来」で、これの実現に向けてスバルはそのモデル最先端技術を結集させた、と紹介しています。
なお、これは「自動運転が進む社会」における、ある意味でのアンチテーゼだとも受け取ることができ、電動化や自動運転化に対するスバルの回答のひとつと言えるかもしれません。
スバルは他の自動車メーカーほど「電動」「自動運転」を押し出しおらず、というのもそれらを追求するのは「世の中のトレンド」であるものの、トレンドに乗っかると「競争が厳しくなる」ため(スバルは他社との競争を嫌う)。
スバルはコンパクトカーやミニバンから撤退していることからもわかるとおり、「大きな市場で他社と競争する」のではなく、ワゴンと4WD技術に集中し、「狭い市場で大きなシェアを握る」という考え方を持つメーカーです。
スバルは北米ワゴン市場にて”85.7%”ものシェアを持っていた!残り14.3%をアウディ、ボルボなど欧州勢が取り合う中で余裕の販売を見せる
それによって研究開発費を抑えて利益を最大化するということになりますが、電動化、自動運転技術については「他(具体的にはトヨタ)から買う」ということになりそう。
反面、そのリソースを今回の新型レヴォーグ プロトタイプ STI Sportのように「運転をどこまでも愉しめる未来」に突っ込むということになりますが、ここまで割り切ったスバルだけにこの市販モデル、ひいては今後登場するであろうWRX STI、そして新型BRZにも大きな期待がかかります。
新型レヴォーグ プロトタイプ STI Sportはスバルの「初採用」満載
スバルは東京モーターショーにてすでに(STIのつかない)「レヴォーグ・プロトタイプ」を発表していて、こちらの開発コンセプトも「クルマの本質である運転を、心から愉しめる未来をつくること」「お客様の人生をもっと豊かにしていくパートナーであること」。
さらには「より遠くまで、より早く、より快適に、より安全に」というSUBARUが提唱し続ける“グランドツーリング思想”に基づき、時代の先を見据えた最先端の技術を注ぎ込み、新世代SUBARUの象徴となるモデルだともアナウンスされており、レヴォーグ プロトタイプ STI Sportは”さらに”その思想を突き詰めたクルマであると言えそうです。
加えてスバルは、このレヴォーグ プロトタイプ STI Sportについて、「SUBARUとSTIが一丸となり新型レヴォーグの進化した走行性能にさらなる磨きをかけた、革新し続けていく「SUBARUの走りの未来」を切り拓く1台」だと表現しており、走りについては相当な自信を見せている模様。
メカニズム的な特徴としてはスバル初の電子制御ダンパー採用、(従来のSIドライブにかわる)ドライブモードセレクトについてもスバル初採用。
電子制御ダンパーは「乗り心地とスポーツ性能との両立」を目指し、ドライブモードセレクトも「その人や状況に合わせて、最適なパフォーマンスを引き出す」ためのものだと考えられますが、こちらもスバルの言葉を借りると「さまざまなドライバーの個性やその時の気持ちに応じてクルマがシンクロすることで、走りの自在性を高め、さらなる走りの愉しさを提供する」ということになります。
スバルは「BRZ STI GT Concept」「WRX S4 STI Sport GT Concept」もオートサロンにて発表
そしてスバルは東京オートサロン2020にて新たなるコンセプトカー2台を発表。
まずはBRZ STI GT Conceptですが、これはSUPER GT参戦車両である「SUBARU BRZ GT300」をイメージしたフロントスポイラー、スワンネック形状を持つドライカーボン製リヤスポイラーを装着し、新しく調合された専用色「GALACTIC WR Blue Metallic(ギャラクティック ダブリュアールブルー メタリック)」を身にまとう一台です。
これらによってBRZの特徴である「高いコーナリング性能」を最大限に向上させることを狙ったとしていますが、見たところ各エアロパーツは「公道走行可能な」範囲に収まっているようにも見え、いずれはコンプリートカーとして、もしくはパーツの販売がなされるのでは、と期待してしまいます。
そしてこちらはWRX S4 STI Sport GT Concept。
ベースとなるのはWRX STI S4 Sportですが、ドライカーボン製リヤスポイラー、19インチサイズのアルミホイール、そのほかSTI製パフォーマンスパーツを装着し、やはり新色の「GALACTIC WR Blue Metallic」をボディカラーに採用。
見るからにアグレッシブな一台ですが、これらも新型レヴォーグ プロトタイプ STI Sport同様、「スバルの走り」を視覚化した一台だと言えそうです。
なお、インテリアはBRZ STI GTコンセプト同様に、ブラックを基調としてシルバー&レッドをアクセントにしたカラーを採用しています。
VIA:SUBARU