| アヴァロンはトヨタブランドのフラッグシップセダン |
トヨタがデトロイト・モーターショーにて5世代目となる「アバロン」を公開。
アバロンは一時期日本でも販売されていたものの、現在日本では導入がないモデル(初代と二代目までは販売されていた)。
生産や企画は北米トヨタで、アメリカでは「セダンの頂点」に君臨するモデルでもありますね。
今回の新型アバロンについて、トヨタ渾身の新プラットフォーム「TNGA」を使用していることが特徴で、全長4978ミリ、全幅1849ミリ、全高1435ミリ、と堂々たるサイズ。
なぜトヨタはセダンにこだわる?
なおトヨタは北米にて「ヤリスiA」「カローラ」「アバロン」「カムリ」というラインアップを保有。
現在アメリカでは「とにかくセダンが売れない」と言われているものの、トヨタはそれでも「カムリ」に大きな期待をかけたり、と「セダン重視」な姿勢が見られるメーカーですね(それはレクサスブランドでも同じ)。
すでに世の中はセダン離れが加速している
たとえばFCA(フィアット・クライスラー)やフォードが「セダンを廃止して、そのぶんのリソースをSUVとトラックに回す」方針を打ち出しているのに対し、トヨタは今ひとつその動きもなく、BMWやアウディが「高級SUV」に乗り出すもレクサスブランドでは具体的な高級SUVの市販化の話は無し(コンセプトモデルとして”LF-1リミットレス”は発表)。
加えて言えば世の中がこれだけ「EV」という雰囲気なのにハイブリッドに固執しているところもあって、トヨタは「セダンとハイブリッドという、過去のトヨタを大きく成長させたカテゴリの呪縛に囚われすぎてるんじゃないか」と思うことも(頼みの綱、そして”2018年はセダンが来る”という意気込みで投入したカムリもヒットしなかった)。
もちろん開発現場や若い社員は「SUVやEVを作らないと」と考えていると思われますが、「偉い人」が「車はやっぱりセダン」「ハイブリッドはまだまだイケる」「SUVは一過性のブーム」として新ジャンルにGOサインを出さないのかもしれず、こういった傾向(過去の成功体験から抜け出せない古い人が会社の意思決定を担う)はどの会社にでもあるのかもしれませんね。
トヨタは社長に豊田章男氏が着任して以来「大きく変わった」とは考えていますが、豊田章男社長は乗務時代に「Gazoo」ブランドを立ち上げ、自身でもレースに参戦するせいか、比較的スポーツカー重視の傾向も。
よってSUVやEVにはあまり興味がないのかもしれない、と考えたりします。
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