>日産/インフィニティ(Infiniti)

インフィニティ「未来に行くために過去を見る」。往年のスピードスターモチーフ、「プロトタイプ10」公開

2018/08/25

| おそらく発売する気はなさそう。あくまでも”イメージ”を形にした? |

 

インフィニティがかねてより予告していた新型コンセプトカー、「プロトタイプ10」を発表。
昨年同じ場で発表した「プロトタイプ9」に続いてのシングルシーターEVということになりますが、これは「インフィニティの、クリエイティブで、野心に溢れたエレクトリックパフォーマンスに対する一つの形」を示唆したものだそう。

↓こちらがプロトタイプ9。レトロからフューチャーへと移行した落差が激しい

なおインフィニティは2021年以降、中国での販売を強化することを目的に、すべての(そこから発売する)モデルをエレクトリック化すると公表していますが、インフィニティはかねてより「エレクトリックモデルであっても、ドライビングプレジャーを失ってはならない」としており、プロトタイプ10は「エレクトリックモデルでも楽しさを実現できる」という視覚的なアピールなのでしょうね。

インフィニティ新任デザイナーの初仕事

プロトタイプ10のデザイナーはBMW出身のカリム・ハビブ氏。
メルセデス・ベンツにおいても実績があり、メルセデス・ベンツCクラス(W205)、BMW 7シリーズ(F01)、BMWコンセプトCS、BMW X2コンセプト、BMW 3.0CSLオマージュ・コンセプトあたりが代表作として知られます。

なお、これまでインフィニティのデザインを率いていたアルフォンソ・アルバイサ氏は、日産の中村史郎氏が退任したことを受けて日産本体へと移動していますね。

デザインそのものは日本のデザインセンターでまず行われた後に英国にてデジタル化され、その後にカリフォルニアのデザインスタジオで「3D化」。
なお英国のデザインセンターは「GT-R 50 イタルデザイン」を手がけた、と公表されています。

プロトタイプ10のデザイン自体は非常にスマートで、見るからに「効率的」。
余計な装飾や付加物がなく、最小限の要素だけで構成されている、という印象です。
インフィニティいわく、これはインフィニティQインスピレーション、プロトタイプ9の延長線上にあるといい、シングルシーター(モノポスト)を採用したことについて、インフィニティの考える「ドライバー優先」を形として示したかった、という意図があるようですね。

デザイナーのカリム・ハビブ氏いわく、「過去のスピードスターをイメージ」したといい、このあたりは「かつてのレーシングカー」をイメージしたプロトタイプ9と同じ。
ただ、「前に進むために過去を見る」と語っているのは面白く、純粋にスピードを追求していた時代のデザインを現代に蘇らせたとも取ることができそう。

ぼくはこれまで、プロトタイプ9しかり、インフィニティに対しては「どうせ発売しないような、しかも市販車とはかけはなれたコンセプトカーを発表することに意味があるのか」とその姿勢に疑問を感じていたものの、プロトタイプ9、プロトタイプ10ともに、その技術ではなく、純粋にブランドの考え方を「形にした」ものであるということを考えると、まさに「これぞコンセプトカー」とも言えそうです。

近年発表されるコンセプトカーは「技術の見本市」であったり、実際に発売を示唆するものが多く、逆にこういった「思想を単に形として表現した」コンセプトカーが少ないのも事実。
その意味では、このプロトタイプ10は非常に重要なコンセプトカーだとも捉えるべきなのかもしれません。

プロトタイプ10はピュアEVなので「グリルレス」ですが、プロトタイプ9や、ほかのコンセプトカーで見られた「グリルの縦ルーバー」はその位置を変え、フロントバンパー両脇、そしてシート後方に採用されているようですね(シート後方のデザインは、実際にバッテリー冷却を考慮しているのかもしれない)。

なお、インフィニティの過去のコンセプトカーは、日産によってアーカイブされています。

VIA:Infiniti

この記事が気に入ったら
いいね ! しよう

->日産/インフィニティ(Infiniti)
-, , , ,