もともとは「レンジエクステンダー」としての役割だったが、今回は違う
マツダは以前にロータリーエンジンを「レンジエクステンダー」、つまりEV用の発電機(日産ノートe-Powerのエンジンをロータリーに載せ替えたようなイメージ)として蘇らせる、と公表。
これはロータリーエンジンの軽量コンパクト、高回転型という特性を活かしたものですが、逆にロータリーエンジンそのものを「動力源」とした場合には環境規制に対応できないという事情も”あった”わけですね。
全マツダ社員の悲願がついに成し遂げられるか
よってマツダはこれまで「ロータリーエンジンで走るクルマ」は無いとしていたものの、今回何らかの技術的ブレイクスルーがあったようで、マツダの常務執行役員である広瀬一郎氏がオーストラリアのかーメディア、「Drive」に対して「ロータリーエンジンを動力源としたフレキシブルハイブリッドシステムを開発した。これは世界中の環境規制に対応できる」とのこと。
広瀬一郎氏はマツダにおいてパワートレーン開発を率いる立場にあり、以前にはロータリーエンジン搭載スポーツカーについて、「新型RX-8やRX-9といったクルマは個人的な”夢”であり、”少なくとも”今は夢のままで終わるだろう 」と語っていますが、なんとか夢に一歩近づいた、ということに。
そしてマツダは「表向き」では「ロータリー搭載スポーツはない」としならが影ではこっそり開発を進めていることでも知られており、以前にはマツダの米国法人がロータリーエンジンの開発継続について述べています。
そして欧州からもロータリー待望論が強く、マツダ社長もこれを認識して「ロータリーエンジン復活は全社員の願望であるのは理解している」、しかし「事情(莫大な投資が必要)が許さない」とも。
フレキシブルハイブリッドにはトヨタの技術も?
とにかくロータリーエンジンはマツダを象徴するもののひとつでありますが、今回のニュースは非常に大きな意味を持っていて、広瀬一郎氏によれば今回のハイブリッドシステムは「トヨタ・プリウスのハイブリッドシステムに似ている」としており、ロータリーエンジンは発電のほか、それ自体が車輪を動かして走行することが可能、とのこと。
なおトヨタとマツダとは提携関係にあり、そしてマツダが「プリウス」の名を出したということは、トヨタとの協力によって今回の技術的ブレイクスルーが実現したのかも。
マツダによると「数年以内に市販車へ搭載可能」とのことですが、わざわざロータリーエンジンを搭載するからには、それは「コンパクトカー」だとは考えられず(コンパクトカーであれば通常のガソリンエンジン搭載のほうがコストを抑えられる)、この「ロータリー+ハイブリッド」が登場するのであれば、それはやはり「スポーツカー」なのかもしれません。
VIA: Drive.com.au