個人オーナーがカスタムビルダーにオーダーした模様
数々の奇妙な改造、レプリカは多々あれど、今回紹介するバイクはそれらの中でもトップクラスに「どうしてこうなった」な一台。
これはドイツのカスタムバイクビルダー、Boss Hoss Cyclesによって製作されたものですが、構造としては3輪つまり「トライク」で、エンジンはなんとシボレー・コルベットからスワップした6.2リッターV8(445馬力)。
パワーウエイトレシオはケーニグセグOne:1を超える?
とくにベースとなったバイクは無いようで、フレームをイチから作成してそれにエンジンやフロントフォーク、リアセクションを組み付けたということなりそうですが、これは「顧客のオーダーを受けてつくった」ものだそう。
それにしても「445馬力のV8を足の間に挟んで走る」というのは乗ってみたいような恐ろしいような気分ですが、車体重量が445キロ以下であれば、そのパワーウエイトレシオは「1以下」ということになりそうですね。
とりあえず前はアメリカンスタイルのバイクっぽい感じで、後ろは見たまんまの「ランボルギーニ・アヴェンタドール」。
ただしこの「アヴェンタドール」は実車をカットして取り付けたのではなく、バイクにあわせてダウンサイジングがなされており、しかしその細部を見るに「なかなかの出来」。
ボディカラーはマット仕上げのメタリックグレー、そしてエンジンはハンドル周り、リアホイールなどはブラックに統一され、全体的なカラーセレクトも渋く決まっています。
このホイールは本物のランボルギーニ・アヴェンタドールからの流用のようですが、ブレーキディスク、ブレーキキャリパーは別のクルマから拝借したと見受けられます。
リアウイングやテールパイプもなかなかの再現度を持っており、その技術は「相当なもの」。
なお、なぜこれをオーダーしたオーナーさんが「アヴェンタドール風のトライクを作ろう」と考えたのかはわからないものの、もしかすると実際にアヴェンタドールのオーナーさんなのかも。
以前にはランボルギーニ・アヴェンタドールSVのオーナーさんが「アヴェンタボート(かなりの部分にランボルギーニ純正パーツを使用している)」を製作した例がありますが、世の中には本当にいろいろな人がいるものだ、と思い知らされますね。
ランボルギーニは実際にバイクを作っていたことがある
ちなみにランボルギーニは実際にバイクを作っていたことがあり、これはほとんど知られていない事実。
その名も「デザイン90(1986年)」というもので、ボクサー・バイクスがカワサキのエンジンを使用して製造したものです。
ただ、このデザイン90はランボルギーニ本体が設計したものではなく、当時ランボルギーニのオーナーだったミムランが、ランボルギーニの業績を回復させるにはなにか別のことを、と考えて異業種へと進出した産物。
デザイン自体はカウンタック25thアニバーサリーにインスパイアされたものだとしており(となると外装デザインはランボルギーニ本体か?)、エンジンは130馬力を発生、そして車体重量は170キロ。
発売当時の価格は1500万円くらいで、25台が製造される予定だったそうですが、実際には6台の生産に留まった(それでも6台が売れたんか・・・)という記録が残っています。