| V6+ハイブリッドモデルは事実上のF8トリブート後継車に? |
だんだん近づいてきた、新型フェラーリ発表の「Xデー(5月29日)」。
今のところわかっているのは「ミドシップ」「ハイブリッド」「986馬力」ということくらい。
逆にわからないのはエンジンや駆動方式、ハイブリッドシステムの内容、そしてその価格といったところです。
新型フェラーリには「仕様違い」が存在?
そして今回、ドイツのカーメディア「Auto Motor und Sport」が報じたところでは、この986馬力を発生するのは「ニューモデルのトップグレード」。
つまりはもっと馬力が下の「ベースグレード」も存在する可能性がある、ということになりますね。
さらに、採用されるエンジンについて、F8トリブートに積まれる3.9リッターV8ツインターボだと報じています(V6ではない)。
そして驚きなのがハイブリッドシステムで、これはなんと「3モーター」。
構成としては2つがフロントアクスル、1つがトランスミッションに直結とされ、つまりこの新型フェラーリは「4WD」かつトルクベクタリングを備える、ということに。
もうひとつ驚きなのは0-100キロ加速。
これは「2秒」だと同メディアは報じていますが、もし事実だとすると「世界最速のクルマ」に。
現時点で、0-100キロ最速タイムを誇るのはブガッティ・シロンの「2.5秒」(ダッジ・チャレンジャーSRTデーモンは公称値2.3秒ですが、このタイムは現実的に出ないようなので除外)。
未発売のクルマだと、リマックC_Twoが1.85秒、テスラ・ロードスターが1.9秒だというものもあり、しかしこれらの数字は理論値であり、かつ発売はちょっと先の2021年(予定)。
よって、現実的な「世界最速」はこの新型フェラーリだと考えて良さそうです。
価格については60万ユーロ、つまり7400万円くらいになるという話もあり、性能や構造を考えると納得ではありますね。
なお、フェラーリは今回の「V8ハイブリッド」ハイパーカーに加え、今年後半に「V6ハイブリッド」スーパーカーをリリースするとも報じており、これは今年はじめにフェラーリの語った「今年中に、数台の新型車を発売する」というコメントとも一致しています。
フェラーリのハイブリッドシステムはどうなる?
なお、フェラーリのハイブリッドモデルと言えば「ラ・フェラーリ」。
ただしラ・フェラーリは「2モーター」というレイアウトで、ひとつはトランスミッション、もうひとつはエンジンに装着(合計163馬力)。
システム概要を見ると、エンジンに装着されたほうは「ジェネレーター」として機能するようで、これが駆動力を発生させるかどうかは不明です。
ただ、トランスミッションに装着された方は当然駆動力を発生することになりますね。
仮にこのシステムをベースにして、トランスミッションに「1モーター(これで発電と駆動力提供両方を行う)」という簡素化したシステムを用い、フロントに新たに2個のモーターを設置するとすると、これはポルシェ918スパイダー、ランボルギーニLPI910-4アステリオン、ホンダNSXと同様のシステムということに。
ちなみにラ・フェラーリのハイブリッドシステムはマニエッティ・マレリ社が開発したものですが、現在マニエッティ・マレリ社はカルソニック・カンセイに買収され、新ブランド「マレリ」へと移行しています。
買収前のマニエッティ・マレリはFCAに属していたためにフェラーリと近い関係にあったものの、現在はやや縁遠くなっており、今回の新型フェラーリに搭載されるハイブリッドシステムの開発パートナー、サプライヤーがどこなのかも不明です(ラ・フェラーリとは根本的に異なるシステムであり、マレリ製ではないのかも)。
なおフェラーリは以前、オフィシャルサイトにサプライヤー名やロゴを記載していましが、現在はシェルしか掲載されていないようですね。
まだまだ尽きない、新型フェラーリの謎
なお、この新型フェラーリについてはまだまだ謎があり、それはその「ポジション」。
ぼくはフェラーリ関係者から、この新型フェラーリについては「F8トリブートの後継」だと説明を受けていて、しかしその後に「986馬力」「7400万円」との報道を見たため、「えっ」となったわけですね。
実際にフェラーリ自身も、F8トリブートが488GTBから大きく変わらなかったのは「すぐに後継モデルが出るからだ」としており、実際にF8トリブートはすでに受注終了(2年分くらいしかつくらない)。
そしてフェラーリは別途「ミドシップを2つのラインにわける」とも発言しているので、5月31日に発表されるニューモデル(V8+ハイブリッド)がその「上」でフラッグシップに位置し、そしてその後に発表されるニューモデル(V6+ハイブリッド)が「下」となって実質的なF8トリブートの後継になるんじゃないかと予測。
なお、F8トリブートそのものが「フェラーリのミドシップV8エンジン搭載モデルへのトリブート」という意味合いが強く、それを考えると「後継モデルはもうV8を積まない」と推測することもできますね。
さらに、これら新型フェラーリ2台については、それぞれ同じシリーズの「仕様違い」だと考えると、独メディアの報じた「986馬力を発生するのはトップレンジ」という報道にも合点がゆきます。
VIA: Auto Motor und Sport