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【動画】VWがEVレーサー”ID.R”でニュルに挑戦。アヴェンタドールSVJより40秒近く速い6:05.336にて走行し、EV最速記録を達成

2019/06/04

| 昨年までであれば、すべてのレーシングカーをひっくるめてもNo.1だった |

かねてよりウワサされていたとおり、フォルクスワーゲンID.Rがニュルブルクリンクに挑戦し、驚愕の6:05.336というタイムを記録。

これは正式にフォルクスワーゲンによって発表されたものですが、これは現在市販車ではトップタイムを誇るランボルギーニ・アヴェンタドールSVJ(6:44.97)、改造車首位のポルシェ911GT2 RS MR(6:44.33)を軽く引き離すもの。

今回のタイムは、ポルシェが昨年にル・マンにて優勝を記録したレーシングカーの発展版「ポルシェ919ハイブリッドEVO」にて記録した5:19.55にこそ及ばないものの、それまでのレコードホルダーであったポルシェ956(1983/6:11.13)よりも速いタイム。

ちなみにこれまで「ニュルブルクリンク最速のEV」だったのはNIO EP9(6:45.9)ですが、フォルクスワーゲンID.Rはこれを大きく更新したということになりますね。

今回の記録を達成したのは「最強コンビ」

今回ID.Rの運転を担当したのはロマン・デュマ選手。
2016年にル・マンをポルシェ919ハイブリッドにて制していますが、その後なぜかポルシェとの契約を打ち切られ、フォルクスワーゲンへ(ポルシェとVWとは同じグループ内なので、トレードがあったのかも)。

なお、このID.Rを駆ってパイクスピークにてコースレコードを樹立したのもロマン・デュマ選手であり、「ID.Rとロマン・デュマ」は現在のところ世界最強コンビということになりますね。

そしてロマン・デュマ選手は「ニュルブルクリンクでの記録樹立を誇らしく思う。ID.Rはこのために完璧に準備を整えており、驚くべき加速そしてコーナリングを楽しめたよ」とコメント。

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そしてフォルクスワーゲングループのハーバート・ディエス会長は「ニュルブルクリンクは、世界で最も偉大なサーキットであるのみではなく、クルマのテスト環境においては究極とも言える。そのサーキットにおいて、ゼロ・エミッション・ビークルとして最速ラップタイムを記録できたことは非常に誇らしい」。

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このコメントの通り、今回ID.Rはニュルブルクリンク専用にアレンジされており、市販車としての規定、なんらかのレースのレギュレーションに沿っていないため「ニュルアタック専用」スペックを持っています。
モーターは前後に一つづつ、そして出力は680PSとされ、バッテリーマネジメントシステム等が「パイクスピーク」参戦時から変更されている、とのこと。

なぜフォルクスワーゲンはID.Rでチャレンジを行うのか

なお、フォルクスワーゲンはアメリカにおいて「パイクスピーク」、欧州においては今回の「ニュルブルクリンク」、そして中国では「天門山」へとチャレンジ。

一見すると何の関係もないように思えるものの、これはフォルクスワーゲンにおける「3大市場」でのチャレンジということになり、つまりはこれらのマーケットにおいて販売を有利にするためのプロモーションだとも捉えることができます。

現在、EVには多くの人が関心を示しながらも、実際にはなかなか買おうとは思わないという状況があります。
さらに、現在EVを購入している人の多くは「税金など優遇措置」がある、「維持費が安い」という理由で購入していると思われ、つまりはクルマそのものに魅力を感じて購入しているわけではないのかもしれません。

そういった世の中において、フォルクスワーゲンは今後展開する市販EVシリーズ「ID」について、より有利に販売を進め、積極的に選んでもらえる選択肢となりうるよう、こういった挑戦を行っているのでしょうね。

VWは今回のチャレンジにおける「記録動画」も公開

こちらがID.Rが驚異的な記録を達成する瞬間を収めた動画、「Volkswagen ID.R sets new electric record on the Nürburgring」。

VIA:Volkswagen Motorsport

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