| 日本にいるとそこまでディーゼル不正事件の影響は感じないが |
フォルクスワーゲンが「ワーゲンバス(タイプ2)」の再来となるエレクトリックビークル「ID.Buzz」を用いたキャンペーンを開始し、まずは一本の動画を公開。
フォルクスワーゲンは先日、「近日中に大きな発表をする」とほのめかしていましたが、今回の動画がその「重大発表」であったようですね(一部では、重大発表とはエンブレムの変更だと予想されていた)。
なお、そのキャンペーンとは「Drive Bigger」と銘打ったもので、1950〜1960年代の「明るく、楽しかったあの頃のフォルクスワーゲンに戻ろう」という趣旨のもの。
このキャンペーンは6月11日に正式にスタートしますが、まずはその予告という形で今回の動画を公開した、ということになります。
動画はなかなかにいい出来だった
そしてこの「Hello, Light」と題された一編の動画。
冒頭ではフォルクスワーゲンのデザイナーが「ディーゼル不正事件」のニュースを聞き、激しく失望する様子から始まります。
しかしながらデザイナーは気を取り直してフォルクスワーゲン・タイプ2(ワーゲンバス)の設計図を取り出し、それをもとにしてエレクトリック化された次世代のワーゲンバス「ID.Buzz」を生み出す様子が描かれることに。
そして動画の最後の方では「暗闇の中で、我々は光明を見出した」というテロップが流れ、ライトを灯したID.Buzzが登場。
つまりID.Buzzはフォルクスワーゲンが「生まれ変わる」象徴ということになりますね。
フォルクスワーゲンは今でもディーゼル不正事件に苦しんでいる
なお、フォルクスワーゲンがこういった動画を公開する必要があったのは「今でもディーゼル不正事件が暗い影を落としている」から。
これは2014年に、ディーゼルエンジン搭載モデルについて「テストをパスするために、テスト装置を騙すプログラムを仕込んでいた」ことが発覚したもので、当寺日本でも大きくフォルクスワーゲンの販売を削った事件でもあります。
なお、当時日本にはフォルクスワーゲンのディーゼルモデルは正規輸入されておらず、しかしなぜか日本は相当に販売を落とすことになり、つまり日本は「イメージを重んじる国」ということがここで明らかに。
ただ、「喉元過ぎれば」なのも日本の特徴で、今だとすっかりそんなことは皆忘れていると思われます。
ただ、欧州や米国では未だにこの影響が大きく、フォルクスワーゲンはそのイメージを覆すために役員を総入れ替えしたり、エレクトリック化をグループ挙げて打ち出したりと様々な努力を行っていますが、それでもまだ世間は許してくれない、ということですね(これまでにも相当数の逮捕者が出ている)。
そういった理由もあっての今回の動画ですが、日本ではもうディーゼル不正事件がすっかり忘れ去られているだけに、「いったい何を意味しているのか」わからない人も多そうです。
IDシリーズはフォルクスワーゲンの新しい希望
そしてフォルクスワーゲンが新しい時代へと移行することを示すEVシリーズ「ID」ですが、これはすでにハッチバックモデル”ID.3”が予約開始。
すでに2万件の予約を集めたとも報じられていますね。
そしてこのIDシリーズですが、ハッチバックに加えてクロスオーバーの「Crozz」、ワーゲンバス「Buzz」、そしてフルサイズSUVの「Roomzz」が登場する見込み。
まだまだその詳細は明かされていないものの、今回の動画が示すとおり、「Buzz」はそのイメージリーダーとなりそうですね。
VIA:Volkswagen USA